16.4. パスワードマスクの作成

JBoss Password Tool は暗号化されたパスワードファイル jboss-as/bin/password/jboss_password_enc.dat を管理します。このファイルはパスワードツールに提供するキーペアを使用して暗号化され、設定ファイルでマスクされるパスワードを含みます。パスワードを保存するときに Password Tool に指定する任意の一意識別子である「domain」によりパスワードは保存され、このファイルから取得されます。そして、設定ファイルのクリアテキストのパスワードを置換するアノテーションの一部として指定します。これにより JBoss Application Server がランタイム時にファイルから正しいパスワードを取得することが可能となります。

注記

以前にキーストアと暗号化されたキーストアのパスワードファイルを JBoss Application Server プロセス所有者のみが読み取りできるようにした場合は、JBoss Application Server プロセス所有者として次の手順を実行する必要があります。そうでない場合は、キーストア (jboss-as/bin/password/password.keystore) と暗号化されたキーストアのパスワードファイル (jboss-as/bin/password/jboss_keystore_pass.dat) をご使用のユーザーだけが読み取り可能であるようにし、この動作を実行している間に、(すでに存在する場合は) 暗号化されたパスワードファイル jboss-as/bin/password/jboss_password_enc.dat を読み取り、書き込み可能にします。

手順16.4 パスワードマスクの作成

  1. コマンドラインで、jboss-as/bin ディレクトリに変更します。
  2. Unix ベースのシステムにはコマンド ./password_tool.sh を、Windows ベースのシステムにはコマンド password_tool.bat を使用して、パスワードツールを実行します。
    結果

    JBoss Password Tool が開始され「Keystore is null. Please specify keystore below:」を報告します。

  3. 1 を押して「1:Specify KeyStore」を選択し、Enter を押します。
    結果

    パスワードツールは「Enter Keystore location including the file name」で応答します。

  4. 手順16.2「パスワードマスクのためのキーペアとキーストアの生成」 で作成したキーストアへのパスを入力します。絶対パス、または jboss-as/bin に相対するパスを指定できます。高度なインストールを実行し 「パスワードマスクのデフォルト変更」 のようにデフォルトを変更していない限りは、これは password/password.keystore のはずです。
    結果

    パスワードツールは「Enter Keystore alias」で応答します。

  5. キーエイリアスを入力します。高度なインストールを実行し 「パスワードマスクのデフォルト変更」 のようにデフォルトを変更していない限りは、これは jboss のはずです。
    結果

    キーストアとキーエイリアスがアクセス可能な場合、パスワードツールは log4j WARNING メッセージで応答し、既存のパスワードマスク、メインメニューと続く行「Loading domains [」で応答します。

  6. 2 を押して「2:Create Password」を選択し、Enter を押します。
    結果

    パスワードツールは「Enter security domain:」で応答します。

  7. パスワードマスクの名前を入力します。これは設定ファイルのパスワードマスクを特定するために使用する任意の一意名です。
    結果

    パスワードツールは「Enter passwd:」で応答します。

  8. マスクしたいパスワードを入力します。
    結果

    パスワードツールは「Password created for domain:mask name」で応答します。

  9. パスワードマスクの作成プロセスを繰り返し、マスクしたいすべてのパスワードのマスクを作成します。
  10. 5:Exit」を選択して、プログラムを終了します。