第10章 ネーティブコンポーネントのインストール
ネーティブコンポーネントパッケージ
ネーティブコンポーネントパッケージは、JBoss Enterprise Application Platform 向けのオプションコンポーネントです。これには、OpenSSL、JBoss Native、mod_jk、mod_cluster、Solaris のNSAPI および Windows の ISAPI、Red Hat Enterprise Linuxの HornetQ LibAIO Nativeなど、Web サーバー向けのネイティブオペレーティングシステムのコンポーネントとコネクタが含まれています。
JBoss Native をインストールすることで、サーバーにてネイティブのオペレーティングシステムコードを利用できるようになりタスクの最適化が行われるため、サーバーのパフォーマンスが向上します。
Web サーバーコネクタ設定の詳細情報については、『HTTP コネクターロードバランシングガイド』 を参照してください。
ネーティブコンポーネントマニフェスト
- JBoss Native は、Apache Portable Runtime (APR)、OpenSSL、Tomcat Native (TC-native) で構成されています。
Apache Portable Runtime (APR)
で、拡張性や性能の強化、ネーティブサーバー技術との統合の改善を図ります。APR は、Apache HTTP Server 2.x の中核にある非常にポータブルなライブラリです。これにより、高度な IO 機能 (例 : sendfile、epoll、OpenSSL)、オペレーティングシステムレベルの機能性 (例 : 乱数生成やシステムの状態)、ネイティブプロセス処理 (共有メモリ、NT パイプ、Unix ソケット) を活用できるようになります。OpenSSL
は、SSL (Secure Sockets Layer : セキュアソケットレイヤ) および TLS (Transport Layer Security : トランスポート層セキュリティ) プロトコルを実装しており、基本の暗号化ライブラリが含まれます。Tomcat Native (TC-Native)
は、Tomcat のコア機能の大部分を Java ではなくネイティブモードで提供する Java Native Interface (JNI) です。これにより、全体的なサーバー速度が向上します。
mod_jk
は、Tomcat JSP コンテナーと Apache Web サーバーを接続し、ロードバランシングを実現します。mod_cluster
は、httpd ベースのロードバランサーです。mod_jk とは対照的に、mod_cluster は、プロキシサーバーとワーカノードの間にフィードバックループを作り、ロードバランシングクラスター内で負荷分散とルーティングのインテリジェント化が可能になります。ISAPI
は、Microsoft IIS Web サーバーのコネクターです。- HornetQ LibAIO を使いHornetQ とLinux LibAIOのブリッジを行います。設定後はHornetQの高性能なジャーナルにて利用されます。
10.1. Red Hat Enterprise Linux 特有の注意事項
Red Hat Enterprise Linux では、ベースのオペレーティングシステムにネイティブコンポーネントがいくつか搭載されています。OpenSSL や APR (Apache Portable Runtime : アパッチポータブルランタイム) などです。Apache Portable Runtime は
apr
および apr-utils
のパッケージで提供されます。
apr
と apr-utils
のパッケージをサーバーを起動すると、次のようなメッセージがログに表示されます。
WARN [AprLifecycleListener] The Apache Tomcat Native library which allows optimal performance in production environments was not found on the java.library.path: /home/eapuser/jboss-eap-5.1/native/lib.