25.4. 識別子の生成

データベース間の移植性を考慮する時、 使用する識別子生成戦略を選択することが重要となります。 当初、 Hibernate は基盤となるデータベースの機能に応じて、 シーケンスIDテーブル 戦略を選択するためのネイティブジェネレータを提供していました。 しかし、 ID 生成をサポートするデータベースの一部やサポートしないデータベースの一部をターゲットすると、 この方法による悪影響が発生します。 ID 生成は、 IDENTITY (または自動インクリメント) 列の SQL 定義に依存して識別子の値を管理します。 これは、 識別子の値を認識できる前に挿入が実行されるため、 挿入後生成戦略と呼ばれます。 Hibernate はこの識別子の値に依存して永続コンテキスト内のエンティティを一意に参照するため、 現在のトランザクションセマンティックに関係なく、 ユーザーがエンティティをセッションに関連付けるよう要求した時に( save() からなど)、 挿入を即座に発行する必要があります。 この場合、 アプリケーションのセマンティック自体が変更してしまうことが根本的な問題となります。

注記

Hibernate が改良され、 可能な場合は挿入が遅延されるようになりました。
Hibernate はバージョン 3.2.3 から、全く違った方法で移植性を達成する拡張型識別子ジェネレーター一式が含まれています。

注記

特に拡張型ジェネレータは、2種類同梱されています。
  • org.hibernate.id.enhanced.SequenceStyleGenerator
  • org.hibernate.id.enhanced.TableGenerator
これらのジェネレータは、識別子値の生成に関する実際のセマンティクスを別のデータベースに移植するためのものです。例えば、org.hibernate.id.enhanced.SequenceStyleGenerator は、 テーブル使用によるシーケンス対応を行っていないデータベースのシーケンス動作を模倣します。