27.6.2.2. 同じ AS インスタンスセット上の他のサービスに対してチャネルを分離

本項では、 一般的なケースを取り上げます。 例えば、 3 つのマシンで構成されたクラスタがあり、 各マシンに HAPartition と Web セッションクラスタリング向けの JBoss Cache がデプロイされているとします。 HAPartition チャネルは JBoss Cache チャネルと通信してはなりません。 これらのチャネルを適切に分離するのは比較的単純で、 ユーザーによる変更を必要とせずに、通常はアプリケーションサーバーによって処理されます。
同じアプリケーションサーバーインスタンスのセット上で異なるサービスのチャネルを分離するには、 各チャネルに独自のグループ名がなければなりません。 JBoss Application Server に同梱される設定はこの条件に対応していますが、 JGroups を直接使用するカスタムサービスを作成した場合は固有のグループ名を使用する必要があります 。JBoss Cache のカスタム設定を作成した場合、 clusterName 設定プロパティに固有の値を指定するようにしてください。
JBoss Application Server 5 以前のリリースでは、 同じアプリケーションサーバーで実行されている異なるチャンネルも固有のマルチキャストポートを使用しなければなりませんでした。 JBoss AS 5 で導入された JGroups 共有トランスポート (「JGroups 共有トランスポート」 参照) により、 複数のチャネルが同じトランスポートプロトコルとソケットを使用することが一般的になりました。 これにより、 共有トランスポートの利点の 1 つである設定の簡易化が実現しました。 しかし、 JGroups プロトコルスタックのカスタム設定を独自に作成する場合は、 トランスポートプロトコルのマルチキャストポートが他のプロトコルスタックが使用するポートと同じにならないようにしてください。
27.6.2.2.1. グループ名の変更
JGroups チャネルのグループ名は、 チャネルを開始するサービスによって設定されます。 標準のクラスター化サービスの場合は、 JBoss の起動時に -g (または --partition) スイッチを使用するだけで固有のグループ名を作成できます。
./run.sh -g QAPartition -b 192.168.1.100 -c production
このスイッチは、jboss.partition.name システムプロパティを設定します。このプロパティをコンポーネントの1つとして利用し、すべての標準的なクラスタリング設定ファイルのグループ名を設定します。例は以下の通りです。
<property name="clusterName">${jboss.partition.name:DefaultPartition}-SFSBCache</property>