Amazon Web Services (AWS) ソースの Cost Management への追加
AWS ソースの追加および設定方法について
概要
第1章 Amazon Web Services (AWS) ソースの Cost Management への追加
AWS アカウントを Cost Management に追加するには、AWS アカウントを設定してメトリックを提供するようにし、続いて AWS アカウントを Cost Management ユーザーインターフェイスからソースとして追加する必要があります。
Cost Management にソースを追加する前に、ソース管理者の権限を持つ Red Hat アカウントのユーザーが必要です。
AWS アカウントをソースとして追加すると、AWS への読み取り専用接続が作成され、コスト管理で 1 時間ごとにコスト情報が収集されますが、AWS アカウントは変更されません。
AWS アカウントをデータソースとして Cost Management に追加する前に、AWS アカウントで次のサービスを設定して、Cost Management がメトリックにアクセスできるようにする必要があります。
- Cost Management のコストおよび使用状況データレポートを保存する S3 バケット
- コストと使用状況データを処理する Cost Management 向けの Identity Access Management (IAM) ポリシーおよびロール
AWS コンソールで以下の手順の一部と、Cost Management ユーザーインターフェイスの手順の一部を完了するため、両方のアプリケーションを Web ブラウザーで開いた状態にしてください。
Sources ページ から、AWS ソースを Hybrid Committed Spend に追加します。
Red Hat 以外の製品およびドキュメントは、予告なしに変更される可能性がありますが、本ガイドに記載のサードパーティーソースの設定手順は、一般的であり、公開時点で正しいものです。最新の正確な情報は、AWS ドキュメント を参照してください。
1.1. レポート用の S3 バケットの作成
Cost Management には、請求レポートを格納するように設定されたパーミッションを持つ Amazon S3 バケットが必要です。
AWS アカウントにログインし、コストと使用状況のレポートの設定を開始します。
- AWS S3 コンソールで、新規の S3 バケットを作成するか、既存バケットを使用します。新しい S3 バケットを設定する場合は、デフォルト設定を受け入れます。
AWS Billing コンソールで、S3 バケットに配信されるコストおよび使用状況レポートを作成します。以下の値を指定します (そして他の値のデフォルト値を受け入れます)。
- レポート名: <any-name> (後で使用するため、この名前を覚えておきます)
- 追加のレポートの詳細: リソース ID を含める
- S3 バケット: <以前に設定した S3 バケット>
- 時間の粒度: 1 時間ごと
- レポートデータ統合の有効化: Amazon Redshift、 Amazon QuickSight (Amazon Athena のレポートデータ統合は有効化しないでください)
- 圧縮タイプ: GZIP
レポートパス接頭辞: コスト
注記設定についての詳細は、Billing and Cost Management のドキュメントを参照してください。
Red Hat Hybrid Cloud Console から、Source ページ に移動して、Cost Management への AWS ソースの追加を開始します。
- Sources に移動し、Add a source をクリックして Sources ウィザードを開きます。
- ソースの名前を入力し、Next をクリックします。
- アプリケーションとして cost management を、ソースタイプとして Amazon Web Services (AWS) を選択します。Next をクリックします。
- S3 バケットの名前を貼り付け、Next をクリックします。
1.2. AWS タグのアクティベーション
タグを使用して Cost Management アプリケーションで AWS リソースを整理するには、AWS でタグをアクティベートしてそれらを自動的にインポートできるようにします。
手順
AWS Billing コンソールで、以下を実行します。
- Cost Allocation Tags セクションを開きます。
- Cost Management アプリケーションで使用するタグを選択し、Activate をクリックします。
- Red Hat Hybrid Cloud Console Sources ウィザードで、Next をクリックして次の画面に移動します。
1.3. コストと使用状況の消費に対する最小限のアカウントアクセスを有効化するように IAM ポリシーを設定
Web インターフェイスおよび API 内でデータを提供するには、Cost Management が AWS によって生成される Cost and Usage Report を使用する必要があります。Cost Management が最小限のアクセスでこのデータを取得するには、Cost Management が使用する IAM ポリシーおよびロールを作成します。この設定では、保存されている情報へのアクセスのみが提供されます。
手順
AWS Identity and Access Management (IAM) コンソールから、以前に設定した S3 バケットの新しい IAM ポリシーを作成します。
JSON タブを選択し、JSON ポリシーテキストボックスに以下の内容を貼り付けます。
{ "Version": "2012-10-17", "Statement": [ { "Sid": "VisualEditor0", "Effect": "Allow", "Action": [ "s3:Get*", "s3:List*" ], "Resource": [ "arn:aws:s3:::<your_bucket_name>", 1 "arn:aws:s3:::<your_bucket_name>/*" ] }, { "Sid": "VisualEditor1", "Effect": "Allow", "Action": [ "s3:ListBucket", "cur:DescribeReportDefinitions" ], "Resource": "*" } ] }
- 1
- 両方の場所の
<your_bucket_name>
を、以前に設定した Amazon s3 バケットの名前に置き換えます。
- ポリシーの名前を指定して、ポリシーの作成を完了します。次の手順に必要なため、AWS IAM コンソールを開いたままにします。
- Red Hat Hybrid Cloud Console Sources ウィザードで、Next をクリックして次の画面に移動します。
AWS IAM コンソールで、新規の IAM ロールを作成します。
- 信頼されるエンティティーのタイプについては、別の AWS アカウントを選択します。
- 589173575009 を Account ID として入力し、Cost Management アプリケーションに AWS アカウントのコストデータへの読み取りアクセスを提供します。
- 設定したばかりの IAM ポリシーを割り当てます。
- ロール名 (および必要な場合は説明) を入力し、ポリシーの作成を終了します。
- Red Hat Hybrid Cloud Console Sources ウィザードで、Next をクリックして次の画面に移動します。
- Roles の下にある AWS IAM コンソールで、作成したばかりのロールのサマリー画面を開き、Role ARN(arn:aws: で始まる文字列) をコピーします。
- Red Hat Hybrid Cloud Console Sources ウィザードに Role ARN を貼り付けて、Next をクリックします。
- 詳細を確認し、Finish をクリックして AWS アカウントを Cost Management に追加します。
Cost Management は、AWS アカウントおよびリンクされた AWS アカウントからコストおよび使用データの収集を開始します。
cost management ダッシュボードに表示されるまでに、データの入力に数日かかる場合があります。
1.3.1. コストおよび使用量への追加のアカウントアクセスの有効化
Cost Management では、役立つ可能性のある追加データを表示できます。以下は例になります。
- iam:ListAccountAliases のアクションを追加して、Cost Management にアカウント番号ではなく AWS アカウントエイリアスを表示します。
- アカウント ID ではなく統合請求機能を使用している場合は、organization:List* および organizations:Describe* を追加して、AWS メンバーアカウントの表示名を取得します。
以下の設定では、追加の保存されている情報へのアクセスのみが提供されます。
手順
- AWS Identity and Access Management (IAM) コンソールから、以前に設定した S3 バケットの新しい IAM ポリシーを作成します。
JSON タブを選択し、JSON ポリシーテキストボックスに以下の内容を貼り付けます。
{ "Version": "2012-10-17", "Statement": [ { "Sid": "VisualEditor0", "Effect": "Allow", "Action": [ "s3:Get*", "s3:List*" ], "Resource": [ "arn:aws:s3:::<your_bucket_name>", 1 "arn:aws:s3:::<your_bucket_name>/*" ] }, { "Sid": "VisualEditor1", "Effect": "Allow", "Action": [ "iam:ListAccountAliases", "s3:ListBucket", "cur:DescribeReportDefinitions", "organizations:List*", "organizations:Describe*" ], "Resource": "*" } ] }
- 1
- 両方の場所の
<your_bucket_name>
を、以前に設定した Amazon s3 バケットの名前に置き換えます。
残りの設定手順は 「コストと使用状況の消費に対する最小限のアカウントアクセスを有効化するように IAM ポリシーを設定」 と同じです。
1.4. AWS 請求プランの設定
デフォルトでは、Cost Management は、その日付の使用コストに応じて AWS コストを計算します。AWS で、償却での課金またはブレンドレートなどの特別な課金体系をご利用の場合に、このような計算は、Cost Management 設定 のページで設定できます。これにより、コストレポートが AWS の請求をより正確に反映できるようになります。
AWS 請求の詳細については、AWS ドキュメントの 一括請求について を参照してください。
Cost Management は、AWS の請求計画に対応するための 3 つのコスト計算オプションをサポートします。
- Unblended
- その日の費用は、使用コストに応じて計算されます。
- Amortized (デフォルト)
- 定期費用と初期費用は、請求期間全体で均等に分散されます。
- Blended
- 費用は AWS のブレンドレートに従って計算されます。
この手順では、コスト計算をデフォルトの Unblended から Amortized または Blended に設定する方法を説明します。
前提条件
- AWS ソースを Cost Management に追加しておく。
- 組織管理者としての Red Hat Hybrid Cloud Console へのアクセス。
手順
- Red Hat Hybrid Cloud Console から、コスト管理設定 ページに移動します。
- Show cost as で Amortized または Blended を選択します。
- Save をクリックします。
第2章 コストを管理するための次のステップ
OpenShift Container Platform および Amazon Web Services ソースを追加した後に、Cost Management は、ソースでコストデータを表示するだけでなく、プラットフォーム上で OpenShift Container Platform クラスターの実行に関連する AWS コストと使用状況を自動的に表示します。
cost management Overview ページでは、コストデータが OpenShift および Infrastructure タブに分類されます。ここから、Perspective を使用して、コストデータのさまざまなビューを選択できます。
左側のナビゲーションメニューを使用して、サービス別のコストの追加情報を表示することもできます。
関連情報
2.1. Cost Management リソースへのアクセス制限
Cost Management にソースを追加して設定したら、コストデータおよびリソースへのアクセスを制限することが推奨されます。たとえば、ユーザーがすべてのコストデータにアクセスできるようにするのではなく、プロジェクトまたは組織に固有のデータのみにアクセスするようにできます。ロールベースのアクセス制御を使用すると、Cost Management レポートに含まれるリソースの可視性を制限できます。たとえば、ユーザービューを環境全体ではなく AWS ソースのみに制限することができます。
アクセス制限の詳細については、コスト管理リソースへのアクセスを制限する を参照してください。
2.2. ソースへのタグ付けの設定
Cost Management アプリケーションは、タグ (OpenShift ではラベル と呼ばれる) を使用してクラウドおよびインフラストラクチャーコストを追跡します。タグを調整して、リソースにフィルターをかけ、属性を付けることができます。Cost Management のタグを使用すると、コストごとにリソースを整理し、コストをクラウドインフラストラクチャーの異なる部分に割り当てることができます。
タグとラベルは、ソースで直接設定することしかできません。Cost Management ではアクティブ化するタグの選択はできますが、Cost Management アプリケーションではタグとラベルは編集できません。
次の詳細については、タグ付けを使用したコストデータの管理 をご覧ください。
- コストデータの表示を整理するためのタグ付けストラテジーを計画する。
- Cost Management がタグを関連付ける方法を理解する。
- ソースにタグおよびラベルを設定する。
2.3. コストの正確な報告のためのコストモデルの設定
コストおよび使用状況データを Cost Management に収集するようにソースを設定したら、コストモデルを設定して価格をメトリックと使用状況に関連付け、クラウドを実行するコストを微調整できます。
コストモデルは、原価とメトリックを使用して、Cost Management に保存されているコストの計算を定義するために使用されるフレームワークです。コストモデルが生成するコストは、記録、分類、および特定の顧客、ビジネスユニット、またはプロジェクトに配布できます。
Cost Management の コストモデル エリアから、以下のことができます。
- インフラストラクチャーコストまたは補足コストとしてコストを分類します。
- OpenShift ノードおよびクラスターの月額コストを取得します。
- 追加のサポートコストを考慮して利潤を適用します。
- コストモデルを設定する方法の詳細は、コストモデルの使用 を参照してください。
2.4. Cost Explorer を使用したコストの可視化
Cost Management の Cost Explorer では、時間軸に沿ったコストと使用状況のカスタムグラフを作成し、コストをさらに視覚化して、解釈することができます。
以下の詳細は、Visualizing your costs using Cost Explorer を参照してください。
- Cost Explorer を使用して異常なイベントを特定する。
- 時間の経過とともにコストデータがどのように変化するかを理解する。
- コストおよび使用状況データのカスタムバーチャートを作成する。
- カスタムコストデータテーブルをエクスポートする。
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