Cost Management への Microsoft Azure ソースの追加
Microsoft Azure ソースの追加および設定方法について
概要
第1章 Cost Management への Microsoft Azure ソースの追加
Microsoft Azure のアカウントで、Cost Management のアクセスを許可するように設定します。
Azure アカウントを Cost Management ソースとして設定するには、以下が必要です。
- ストレージアカウントおよびリソースグループの作成
- コストエクスポートの適切なスコープの選択
- ストレージアカウントのコントリビューターとリーダーロールのアクセスの設定
- 日次コストエクスポートのスケジューリング
Red Hat 以外の製品およびドキュメントは、予告なしに変更される可能性がありますが、本ガイドに記載のサードパーティーソースの設定手順は、一般的であり、公開時点で正しいものです。最新の正確な情報については、Microsoft Azure ドキュメント を参照してください。
Sources ページ から Azure ソースを Hybrid Committed Spend に追加します。
1.1. Azure リソースグループおよびストレージアカウントの作成
コストエクスポートデータは、リソースグループ内に存在するストレージアカウントに書き込まれます。Azure コストデータを読み取るには、コスト管理がリソースグループにアクセスできる必要があります。
Cost Management で収集するコストデータおよびメトリックを格納するための新しいストレージアカウントを Azure に作成します。これにはリソースグループが必要です。Red Hat では、このストレージアカウント専用のリソースグループを作成することを推奨しています。
Cost Management にソースを追加する前に、ソース管理者の権限を持つ Red Hat アカウントのユーザーが必要です。
Red Hat Hybrid Cloud Console から、Source ページ に移動して、Cost Management への Azure ソースの追加を開始します。
- Sources に移動し、Add a source をクリックして Sources ウィザードを開きます。
- ソースの名前を入力し、Next をクリックします。
- アプリケーションとして cost management を、ソースタイプとして Microsoft Azure を選択します。Next をクリックします。
- Azure ドキュメント のストレージアカウントの作成の手順で、Azure アカウントにリソースグループとストレージアカウントを作成します。
リソースグループとストレージアカウントをメモします。これらは、後続の手順で必要になります。
- Red Hat Hybrid Cloud Console Sources ウィザードで、Resource group name および Storage account name を入力し、Next をクリックします。
1.2. Azure コストエクスポートスコープの選択
Azure クラウドの スコープ を使用して、さまざまなレベルの粒度でコストエクスポートデータを作成できます。Azure は、リソースグループのような小さなものから、多くのサブスクリプションを含む請求先アカウントのような大きなものまで、コストエクスポートをサポートしています。特定のユースケースのコストデータ要件に応じて、スコープは、複数のサブスクリプションを包含したり、リソースグループを選択するためのアクセスを分離したりすることで、コスト管理の設定を簡素化できます。
Azure におけるスコープの動作の詳細については、Azure ドキュメントの スコープの理解と使用 を参照してください。
Azure Cloud Shell で次のコマンドを 1 つ以上実行して、コストエクスポートに必要なスコープを収集します。
リソースグループのスコープを収集するには、ResourceGroupName をリソースグループの名前に置き換えて、次を実行します。
$ az group show --name {ResourceGroupName} | jq .id | tr -d '"'
Subscription スコープを収集するには、次を実行します。
$ az account show --query "{ id: id }" | jq '.id' | tr -d '"' | awk '{print "/subscriptions/"$0}'
請求先アカウントのスコープを収集するには、billingAccountName を請求先アカウントの名前に置き換えて、次を実行します。
$ az billing account show --name "{billingAccountName}" | jq '.id' | tr -d '"'
登録アカウントのスコープを収集するには、enrollmentAccountName を登録アカウントの名前に置き換えて、次を実行します。
$ az billing enrollment-account show --name "{enrollmentAccountName}" | jq '.id' | tr -d '"'
管理グループのスコープを収集するには、GroupName を管理グループの名前に置き換えて、次を実行します。
$ az account management-group show --name "{GroupName}" | jq '.id' | tr -d '"'
請求先プロファイルのスコープを収集するには、billingAccountName と billingProfileName を請求先アカウントと請求先プロファイルの名前に置き換えて、次のコマンドを実行します。
$ az billing profile show --account-name "{billingAccountName}" --name "{billingProfileName}" | jq '.id' | tr -d '"'
請求書セクションのスコープを収集するには、billingAccountName、billingProfileName、invoiceSectionName を請求先アカウント、請求書プロファイル、および請求書セクションの名前に置き換えて実行します。
$ az billing invoice section show --account-name "{billingAccountName}" --profile-name "{billingProfileName}" --name "{invoiceSectionName}" | jq '.id' | tr -d '"'
1.3. Azure ロールの設定
Red Hat では、Cost Management に Azure コストデータへの読み取り専用アクセスを付与するために、専用の認証情報を設定することを推奨しています。コスト管理へのこのアクセスを提供するには、Azure でストレージアカウントの共同作成者と閲覧者のロールを使用して、サービスプリンシパルを設定します。
Azure Cloud Shell で以下のコマンドを実行し、サブスクリプション ID を取得します。
$ az account show --query "{subscription_id: id }"
- Red Hat Hybrid Cloud Console Sources ウィザードで、Subscription ID を入力します。Next をクリックして次の画面に移動します。
Azure Cloud Shell で以下のコマンドを実行し、Cost Management ストレージアカウントのコントリビューターロールを作成し、テナント ID、クライアント (アプリケーション) ID およびクライアントシークレットを取得します。
$ az ad sp create-for-rbac -n "CostManagement" --role "Storage Account Contributor" --scope /subscriptions/{subscriptionId}/resourceGroups/{resourceGroup1} --query '{"tenant": tenant, "client_id": appId, "secret": password}'
- Red Hat Hybrid Cloud Console Sources ウィザードで、Azure Tenant ID、Client ID、および Client Secret を入力します。
コスト管理のために、Azure で閲覧者ロールを作成します。
- コストエクスポートスコープがエンタープライズアグリーメント (EA) アカウントの場合は、Azure エンタープライズポータルを起動して、上で作成したサービスプリンシパルにアカウントの管理者ロールを付与します。詳細については、Azure ドキュメントの Cost Management データへのアクセス権の割り当て を参照してください。
- コストエクスポートスコープが、Microsoft 顧客契約 (MCA) の課金アカウント、課金プロファイル、または請求書セクションである場合は、Azure Portal で Cost Management and Billing サービスを起動します。適切なスコープを選択し、IAM ビューから適切な閲覧者ロールの上に作成されたサービスプリンシパルを付与します。詳細については、Azure ドキュメントの Azure での Microsoft 顧客契約の管理者ロールについて を参照してください。
コストエクスポートスコープがリソースグループ、サブスクリプション、または管理グループに対するものである場合は、Azure Cloud Shell で次のコマンドを実行して、コスト管理閲覧者ロールを作成します。
$ az role assignment create --assignee "<your_Client_ID>" --role "Cost Management Reader" --scope {costExportScope}
- Next をクリックします。
1.4. Azure の日次データエクスポートスケジュールの設定
定期的なタスクを作成して、コストデータを毎日 Azure ストレージアカウントに自動的にエクスポートします。ここで、コスト管理が目的のスコープでデータを取得します。
Azure では、Azure 記事 のエクスポートデータの作成と管理の手順にしたがって、新しいエクスポートを追加します。
- Red Hat Hybrid Cloud Console Sources ウィザードで指定するエクスポートの Name を選択します。
- Export type で、Daily export of month-to-date costs を選択します。
- Storage account には、以前に作成したアカウントを選択します。
- エクスポートのコンテナー名とディレクトリーパスに任意の値を入力します。これらの値は、レポートファイルが保存されるストレージアカウントのツリー構造を提供します。
- Run now をクリックして、Azure ストレージコンテナーへのデータのエクスポートを開始します。
- Red Hat Hybrid Cloud Console Sources ウィザードで、エクスポートスケジュールを作成したら Next をクリックし、ソースの詳細を確認します。
- Finish をクリックして Azure ソースの Cost Management への追加を完了します。
スケジュールが作成されると、Cost Management は Azure のコストデータのポーリングを開始します。このデータは、cost management ダッシュボードに表示されます。
第2章 コストを管理するための次のステップ
OpenShift Container Platform および Microsoft Azure ソースを追加した後に、Cost Management は、ソースでコストデータを表示するだけでなく、プラットフォーム上で OpenShift Container Platform クラスターの実行に関連する Azure コストと使用状況を自動的に表示します。
cost management Overview ページでは、コストデータが OpenShift および Infrastructure タブに分類されます。ここから、Perspective を使用して、コストデータのさまざまなビューを選択できます。
左側のナビゲーションメニューを使用して、サービス別のコストの追加情報を表示することもできます。
関連情報
2.1. Cost Management リソースへのアクセス制限
Cost Management にソースを追加して設定したら、コストデータおよびリソースへのアクセスを制限することが推奨されます。たとえば、ユーザーがすべてのコストデータにアクセスできるようにするのではなく、プロジェクトまたは組織に固有のデータのみにアクセスするようにできます。ロールベースのアクセス制御を使用すると、Cost Management レポートに含まれるリソースの可視性を制限できます。たとえば、ユーザービューを環境全体ではなく AWS ソースのみに制限することができます。
アクセス制限の詳細については、コスト管理リソースへのアクセスを制限する を参照してください。
2.2. ソースへのタグ付けの設定
Cost Management アプリケーションは、タグ (OpenShift ではラベル と呼ばれる) を使用してクラウドおよびインフラストラクチャーコストを追跡します。タグを調整して、リソースにフィルターをかけ、属性を付けることができます。Cost Management のタグを使用すると、コストごとにリソースを整理し、コストをクラウドインフラストラクチャーの異なる部分に割り当てることができます。
タグとラベルは、ソースで直接設定することしかできません。Cost Management ではアクティブ化するタグの選択はできますが、Cost Management アプリケーションではタグとラベルは編集できません。
次の詳細については、タグ付けを使用したコストデータの管理 をご覧ください。
- コストデータの表示を整理するためのタグ付けストラテジーを計画する。
- Cost Management がタグを関連付ける方法を理解する。
- ソースにタグおよびラベルを設定する。
2.3. コストの正確な報告のためのコストモデルの設定
コストおよび使用状況データを Cost Management に収集するようにソースを設定したら、コストモデルを設定して価格をメトリックと使用状況に関連付け、クラウドを実行するコストを微調整できます。
コストモデルは、原価とメトリクスを使用して、Cost Management に保存されているコストの計算を定義するために使用されるフレームワークです。コストモデルが生成するコストは、記録、分類、および特定の顧客、ビジネスユニット、またはプロジェクトに配布できます。
Cost Management の コストモデル エリアから、以下のことができます。
- インフラストラクチャーコストまたは補足コストとしてコストを分類します。
- OpenShift ノードおよびクラスターの月額コストを取得します。
- 追加のサポートコストを考慮して利潤を適用します。
- コストモデルを設定する方法の詳細は、コストモデルの使用 を参照してください。
2.4. Cost Explorer を使用したコストの可視化
Cost Management の Cost Explorer では、時間軸に沿ったコストと使用状況のカスタムグラフを作成し、コストをさらに視覚化して、解釈することができます。
以下の詳細は、Visualizing your costs using Cost Explorer を参照してください。
- Cost Explorer を使用して異常なイベントを特定する。
- 時間の経過とともにコストデータがどのように変化するかを理解する。
- コストおよび使用状況データのカスタムバーチャートを作成する。
- カスタムコストデータテーブルをエクスポートする。
Red Hat ドキュメントへのフィードバック (英語のみ)
Red Hat ドキュメントに関するご意見やご感想をお寄せください。フィードバックを提供するには、ドキュメントのテキストを強調表示し、コメントを追加してください。
前提条件
- Red Hat カスタマーポータルにログインしている。
- Red Hat カスタマーポータルで、Multi-page HTML 形式でドキュメントを表示している。
手順
フィードバックを提供するには、以下の手順を実施します。
ドキュメントの右上隅にある Feedback ボタンをクリックして、既存のフィードバックを確認します。
注記フィードバック機能は、マルチページ HTML 形式でのみ有効です。
- フィードバックを提供するドキュメントのセクションを強調表示します。
強調表示されたテキスト近くに表示される Add Feedback ポップアップをクリックします。
ページの右側のフィードバックセクションにテキストボックスが表示されます。
テキストボックスにフィードバックを入力し、Submit をクリックします。
ドキュメントに関する問題が作成されます。
- 問題を表示するには、フィードバックビューで問題リンクをクリックします。