5.2. RHEL ベースのセルフホストエンジンのアップグレード

Red Hat Enterprise Virtualization ホストエンジン環境を 3.5 から 3.6 にアップグレードするには、Manager 仮想マシン、セルフホストエンジンホスト、標準のホストを更新します。以下の手順は、Red Hat Enterprise Linux 7 ホストで実行している Red Hat Enterprise Virtualization 3.5 セルフホストエンジン環境のアップグレードのみが対象です。

注記

現在、Red Hat Enterprise Linux 6 ホスト上で Red Hat Enterprise Virtualization 3.5 セルフホストエンジンを実行している場合は、全ホストを Red Hat Enterprise Linux 7 にアップグレードしてから、環境を Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 にアップグレードする必要があります。「RHEL ベースのセルフホストエンジンを Red Hat Enterprise Linux 6 ホストから 7 ホストにアップグレードする手順」の手順に従ってください。
アップグレードのプロセスは、以下の主要なステップで構成されます。
  • Manager 仮想マシンを管理する高可用性エージェントをグローバルメンテナンスモードに設定します。
  • Manager 仮想マシンを更新します。
  • セルフホストエンジンホストをメンテナンスモードに設定します。必要な場合には、Manager 仮想マシンと他の仮想マシンがクラスター内の別のホストに移行されます。
  • セルフホストエンジンホストを最新の Red Hat Enterprise Linux 7 に更新します。すべてのホストも同じ手順で更新してください。環境内にあるすべてのホストを更新することを推奨します。
  • クラスター内のすべてのホストと Manager 仮想マシンが更新されたら、クラスターの互換性バージョンを 3.6 に変更します。

手順5.1 セルフホストエンジンのアップグレード

  1. セルフホストエンジンの全ホスト上にある高可用性エージェントを無効化します。管理ポータルで、仮想マシン タブをクリックします。engine 仮想マシンを右クリックして、グローバル HA メンテナンスを有効にする を選択し、すべてのホストをグローバルメンテナンスモードに設定します。
  2. Manager の仮想マシンにログインして、Red Hat Enterprise Virtualization Manager をアップグレードします。
    1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager がインストールされているシステムが、Red Hat Enterprise Virtualization Manager 3.6 パッケージを取得するために必要なエンタイトルメントにサブスクライブされていることを確認してください。
      # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms
    2. rhevm-setup パッケージを更新します。
      # yum update rhevm-setup
    3. engine-setup コマンドを実行してプロンプトに従い、Red Hat Enterprise Virtualization Manager をアップグレードします。
      # engine-setup
    4. Red Hat Enterprise Virtualization Manager 3.5 チャンネルを削除または無効にして、このシステムで Red Hat Enterprise Virtualization Manager 3.5 のパッケージが使用されないようにします。
      # subscription-manager repos --disable=rhel-6-server-rhevm-3.5-rpms
    5. ベースオペレーティングシステムを更新します。
      # yum update
  3. 管理ポータルにアクセスします。セルフホストエンジンホストを選択して、メンテナンス をクリックしてメンテナンスモードに設定します。ホストが Manager 仮想マシンをホストしている場合には、この仮想マシンは別のホストに移行されます。それ以外の仮想マシンは、仮想マシンの移行ポリシーに従って移行されます。高可用性エージェントは、自動的にローカルメンテナンスに設定されます。
  4. 必要なリポジトリーが有効になっていることを確認します。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rhev-mgmt-agent-rpms
  5. セルフホストエンジンホストを更新します。
    # yum update
  6. VDSM を再起動します。
    # systemctl restart vdsmd
  7. ovirt-ha-brokerovirt-ha-agent を再起動します。
    # systemctl restart ovirt-ha-broker
    # systemctl restart ovirt-ha-agent
  8. 管理ポータルへアクセスします。同じホストを選択して、アクティブ化 をクリックします。
  9. すべてのセルフホストエンジンホストに対してステップ 3 から 7 の手順を繰り返し、ホストをアップグレードします。環境内に標準のホストがある場合は、バージョンを 7 にアップグレードするようにしてください。標準ホストをアップグレードするには、『アップグレードガイド』の「Red Hat Enterprise Linux 6 クラスターの Red Hat Enterprise Linux 7 へのアップグレード」のステップ 3 を参照してください。
  10. 管理ポータルにアクセスします。

    重要

    ホストの一部が non-operational にならないように、すべてのホストが Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 に更新されている場合のみ、互換性バージョンを更新してください。
    1. Default クラスターを選択して 編集 をクリックして クラスターの編集 ウィンドウを開きます。
    2. 互換バージョン のドロップダウンメニューを使用して 3.6 を選択します。OK をクリックして変更を保存し、ウィンドウを閉じます。