インストールガイド

Red Hat Enterprise Virtualization 3.6

Red Hat Enterprise Virtualization のインストール

Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team

Red Hat Customer Content Services

概要

Red Hat Enterprise Virtualization のインストールに関する総合ガイド

パート I. Red Hat Enterprise Virtualization について

第1章 Red Hat Enterprise Virtualization について

Red Hat Enterprise Virtualization は、Red Hat Enterprise Linux 上に構築するエンタープライズクラスのサーバーおよびデスクトップの仮想化プラットフォームです。本ガイドでは、以下の内容を記載します。
  • Red Hat Enterprise Virtualization Manager のインストールと設定
  • RHEL ベースのハイパーバイザーまたは Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor (RHEV-H) のハイパーバイザーホストのインストールと設定
  • Red Hat Enterprise Virtualization 環境への既存の FCP ストレージのアタッチ。その他のストレージオプションについては、管理ガイド に記載しています。

表1.1 Red Hat Enterprise Virtualization の主要コンポーネント

コンポーネント名説明
Red Hat Enterprise Virtualization Manager環境内のリソースを管理し、アクセスを提供するサーバー
ホスト仮想マシンを実行するのに使用する処理能力とメモリーリソースを提供するサーバー
ストレージ仮想マシンに関連付けられたデータを格納するのに使用するストレージ

第2章 システム要件

2.1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager の要件

以下に記載するハードウェアの最小要件および推奨要件は、一般的な中小規模のインストールをベースとしています。正確な要件は、デプロイメントの規模や負荷により異なります。
Red Hat Enterprise Virtualization Manager は Red Hat Enterprise Linux 上で稼働します。特定のハードウェアアイテムが Red Hat Enterprise Linux での使用認定を受けているかどうかを確認するには、https://access.redhat.com/ecosystem/#certifiedHardware を参照してください。

表2.1 Red Hat Enterprise Virtualization Manager のハードウェア要件

リソース最小推奨
CPUデュアルコア CPUクアッドコア CPU または複数のデュアルコア CPU
メモリー利用可能なシステムメモリー 4 GB (Data Warehouse が未インストールで、かつ既存のプロセスによって消費されていないこと)システムメモリー 16 GB
ハードディスクディスクの空き容量 25 GB (ローカルアクセス、書き込みが可能であること)ディスクの空き容量 50 GB (ローカルアクセス、書き込みが可能であること)
ネットワークインターフェース最小帯域幅 1 Gbps のネットワークインターフェースカード (NIC) 1 基最小帯域幅 1 Gbps のネットワークインターフェースカード (NIC) 1 基
以下のブラウザーバージョンとオペレーティングシステムを使用して管理ポータルとユーザーポータルにアクセスすることができます。ブラウザーのサポートは下記のように階層に分かれます。
  • 階層 1: 全面的に検証済みで、完全にサポートされているブラウザーとオペレーティングシステムの組み合わせ。この階層のブラウザーで問題が発生した場合には、Red Hat のエンジニアリングチームが修正に取り組みます。
  • 階層 2: 部分的に検証済みで、正常に機能する可能性の高いブラウザーとオペレーティングシステムの組み合わせ。この階層のサポートは限定されます。Red Hat のエンジニアリングチームは、この階層のブラウザーで問題が発生した場合には、修正を試みます。
  • 階層 3: 未検証ですが、正常に機能することが予想されるブラウザーとオペレーティングシステムの組み合わせ。この階層には、最小限のサポートが提供されます。Red Hat のエンジニアリングチームは、この階層のブラウザーにはマイナーな問題のみの修正を試みます。
仮想マシンコンソールは、Red Hat Enterprise Linux マシンおよび Windows マシンでサポートされているリモートビューアー (virt-viewer) クライアントを使用した場合のみにアクセスすることができます。OS X などの他のオペレーティングシステム上での SPICE コンソールのアクセスは、サポート対象外の SPICE HTML5 ブラウザークライアントを介する場合のみ利用可能です。
サポートされている QXL ドライバーは、Red Hat Enterprise Linux マシンおよび Windows 7 マシンで利用できます。

表2.2 ブラウザーの要件

サポート階層オペレーティングシステムファミリーブラウザーポータルアクセス
階層 1Red Hat Enterprise LinuxMozilla Firefox 延長サポート版 (ESR) のバージョン管理ポータルおよびユーザーポータル
階層 2WindowsInternet Explorer 10 以降管理ポータルおよびユーザーポータル
任意Google Chrome または Mozilla Firefox の最新バージョン管理ポータルおよびユーザーポータル
階層 3任意Google Chrome または Mozilla Firefox の旧バージョン管理ポータルおよびユーザーポータル
任意その他のブラウザー管理ポータルおよびユーザーポータル
オペレーティングシステムの要件

Red Hat Enterprise Virtualization Manager は、Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 をベースとするシステム上にインストールする必要があります。Manager に必要なパッケージのインストールを試みる際に依存関係の問題が発生する可能性があるため、ベースインストールの完了後には他のパッケージをインストールしないでください。

2.2. ハイパーバイザーの要件

2.2.1. CPU の要件

すべての CPU が Intel® 64 または AMD64 CPU の拡張機能をサポートし、AMD-V™ または Intel VT® のハードウェア仮想化拡張機能が有効化されている必要があります。No eXecute flag (NX) のサポートも必要です。

表2.3 ハイパーバイザーのサポート対象 CPU モデル

AMDIntelIBM
AMD Opteron G1Intel ConroeIBM POWER8
AMD Opteron G2Intel Penryn
AMD Opteron G3Intel Nehalem
AMD Opteron G4Intel Westmere
AMD Opteron G5Intel Sandybridge
Intel Haswell

手順2.1 プロセッサーが必要なフラグをサポートしているかどうかのチェック

BIOS で仮想化を有効にする必要があります。この設定を行った後には、ホストの電源をオフにしてから再起動して、変更が適用されるようにします。
  1. Red Hat Enterprise Linux または Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の起動画面で任意のキーを押し、一覧から BootBoot with serial console のエントリーを選択します。
  2. Tab を押して、選択したオプションのカーネルパラメーターを編集します。
  3. 最後のカーネルパラメーターの後に Space が 1 つ空いていることを確認して、rescue パラメーターを追記します。
  4. Enter を押して、レスキューモードで起動します。
  5. 表示されたプロンプトで、プロセッサーに必要な拡張があるか確認してください。また、次のコマンドを実行して、仮想化拡張機能が有効になっているかどうかを確認します。
    # grep -E 'svm|vmx' /proc/cpuinfo | grep nx
    何らかの出力が表示されれば、プロセッサーはハードウェアの仮想化が可能です。出力が何も表示されない場合でも、プロセッサーがハードウェア仮想化に対応している可能性があります。場合によっては、メーカーが BIOS で仮想化拡張機能を無効にしていることがあります。これに該当すると思われる場合には、メーカーが提供しているシステムの BIOS やマザーボードに関するマニュアルを参照してください。

2.2.2. メモリーの要件

必要な RAM 容量は、ゲストオペレーティングシステムの要件、ゲストアプリケーションの要件、メモリーのアクティビティー、ゲストの使用状況によって異なります。また、KVM は仮想化ゲストに物理 RAM をオーバーコミットできるという点も考慮する必要があります。これにより、物理的に存在する容量を上回る RAM 要件でゲストのプロビジョニングを行うことができます。ただし、すべてのゲストの負荷が同時にピークに達しないことが前提です。KVM は、必要な場合にのみゲストに RAM を割り当て、使用率の低いゲストを swap に移動させることによってこの処理を行います。

表2.4 メモリーの要件

最小最大
2 GB の RAM2 TB の RAM

2.2.3. ストレージの要件

Hypervisor ホストには、設定、ログ、カーネルダンプを格納し、swap 領域として使用するためのローカルストレージが必要です。本セクションでは、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor のストレージの最小要件について説明します。Red Hat Enterprise Linux ホストのストレージ要件は、既存の設定で使用されるディスク容量によって異なりますが、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の要件よりも多くなるはずです。
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の要件については、以下の表を参照して Hypervisor の各バージョンでサポートされている最小の内部ストレージを確認してください。

表2.5 Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の最小ストレージ要件

バージョンroot パーティションと RootBackup パーティションconfig パーティションlogging パーティションdata パーティションswap パーティション最小の合計
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 6512 MB8 MB2048 MB512 MB8 MB3.5 GB
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 78600 MB8 MB2048 MB10240 MB8 MB20.4 GB
logging パーティションには、最小で 2048 MB のストレージが必要です。ただし、リソースに余裕がある場合には、より大きなサイズのストレージを logging パーティションに割り当てることを推奨します。
data パーティションには、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 6 の場合は最小 512 MB、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 7 の場合は最小 10240 MB のストレージが必要です。RHEV-M 仮想アプライアンスもインストールする場合には、最小のデータパーティションは 60 GB です。推奨サイズは、ホストシステム上のメモリーの最小 1.5 倍に、さらに 512 MB を足した値となります。data パーティションがこの値を下回る場合には、今後 Red Hat Enterprise Virtualization Manager から Hypervisor のアップグレードができなくなる可能性があります。デフォルトでは、swap 領域の割り当て後に残ったディスク領域がすべて data パーティションに割り当てられます。
swap パーティションには、最小 8 MB のストレージが必要です。swap パーティションの推奨サイズは、Hypervisor がインストールされているシステムと、その環境で予想されるオーバーコミットレベルの両方に応じて異なります。オーバーコミットにより Red Hat Enterprise Virtualization 環境で実際物理的に存在する RAM を上回る容量の RAM をゲストに提供することができるようになります。デフォルトのオーバーコミット率は 0.5 です。
swap パーティションの推奨サイズは、以下のように決定することができます。
  • システムの RAM 容量に予想されるオーバーコミット率を乗算し、次の容量を加算します。
  • GB 以下の RAM が搭載されたシステムの場合は、2 GB の swap 領域
  • GB から 16 GB までの RAM が搭載されたシステムの場合は、4 GB の swap 領域
  • 16 GB から 64 GB までの RAM が搭載されたシステムの場合は、8 GB の swap 領域
  • 64 GB から 256 GB までの RAM が搭載されたシステムの場合は、16 GB の swap 領域

例2.1 swap パーティションのサイズ計算

GBRAM を搭載したシステムの場合は、swap 領域に割り当てる容量を割り出す計算式は次のようになります。
(8 GB x 0.5) + 4 GB = 8 GB

重要

デフォルトでは、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor は推奨の計算式を使って swap パーティションのサイズを定義します。この計算式には、オーバーコミット率 0.5 が使用されます。システムによっては、この計算結果で、swap パーティションに必要な空き容量がインストール時の空き容量を超える場合があります。このような場合に、Hypervisor のインストールは失敗します。
この問題が発生した場合は、storage_vol ブートパラメーターを使用して Hypervisor ディスクパーティションのサイズを手動で設定します。

例2.2 手動による swap パーティションサイズの設定

以下の例では、storage_vol ブートパラメーターを使用して、swap パーティションのサイズを 4096 MB に設定しています。他のパーティションのサイズに関しては指定されていないため、Hypervisor はデフォルトのサイズを使用することができる点に注意してください。
storage_vol=:4096::::

重要

Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor は、fakeraid デバイスへのインストールはサポートしていません。fakeraid デバイスがある場合は、RAID モードでは実行されなくなるように再設定する必要があります。
  1. RAID コントローラーの BIOS にアクセスして、すべての論理ドライブを削除してください。
  2. コントローラーのモードを non-RAID (非 RAID) に変更します。これは、互換モードまたは JBOD モードと呼ばれる場合もあります。
特定のデバイスに関する詳細情報は、製造元が提供しているドキュメントで確認してください。

2.2.4. PCI デバイスの要件

仮想化ホストには、最小帯域幅が 1 Gbps のネットワークインターフェースを少なくとも 1 基搭載している必要があります。各仮想化ホストには 2 つのネットワークインターフェースを搭載し、そのうちの 1 基は仮想マシンの移行などネットワークへの負荷が高い作業専用にすることを推奨します。このように負荷の高い操作のパフォーマンスは、利用可能な帯域幅により制限されます。

2.3. ファイアウォール

2.3.1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager のファイアウォール要件

Red Hat Enterprise Virtualization Manager では、ネットワークトラフィックがシステムのファイアウォールを通過できるように複数のポートを開放しておく必要があります。engine-setup スクリプトにより、ファイアウォールの自動設定が可能ですが、既存のファイアウォール設定が上書きされることになります。
既存のファイアウォール設定が存在する場合には、Manager に必要なファイアウォールルールを手動で追加する必要があります。engine-setup コマンドは /usr/share/ovirt-engine/conf/iptables.example ファイルで必要な iptables ルールの一覧を保存します。
本セクションに記載するファイアウォール設定は、デフォルトの設定を前提としています。インストール中にデフォルト以外の HTTP および HTTPS ポートを選択した場合は、ここに表示されているデフォルトポート (80 および 443) ではなく、選択したポートでネットワークトラフィックを許可するようにファイアウォールルールを適宜調整してください。

表2.6 Red Hat Enterprise Virtualization Manager のファイアウォール要件

ポートプロトコル接続元接続先目的
-ICMP
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
Red Hat Enterprise Virtualization Manager への登録時に、仮想化ホストが ICMP ping 要求を Manager に送信してオンラインであることを確認します。
22TCP
バックエンドの設定やソフトウェアのアップグレードなど、Manager のメンテナンスに使うシステム
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
Secure Shell (SSH) アクセス
オプション
2222TCP
仮想マシンのシリアルコンソールにアクセスするクライアント
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
仮想マシンのシリアルコンソールへの接続を可能にするための Secure Shell (SSH) アクセス
80, 443TCP
管理ポータルのクライアント
ユーザーポータルのクライアント
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
REST API クライアント
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
HTTP および HTTPS 経由で Manager にアクセスできるようにします。
6100TCP
管理ポータルのクライアント
ユーザーポータルのクライアント
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
Manager 上で websocket プロキシーを実行している場合に Web ベースのコンソールクライアント (noVNC および spice-html5) に対する websocket プロキシーアクセスを提供します。ただし、websocket プロキシーが別のホストで実行されている場合には、このポートは使用されません。
7410UDP
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
Manager が kdump の通知を受信するには開放する必要があります。

重要

Red Hat Enterprise Virtualization Manager が ISO ストレージドメインなどの NFS ストレージもエクスポートする必要がある環境では、別のポートもファイアウォールを通過できるように設定する必要があります。使用中の NFS バージョンに適用されるポートに対してファイアウォールの例外を許可します。

NFSv4

  • NFS 用の TCP ポート 2049

NFSv3

  • NFS 用の TCP および UDP ポート 2049
  • TCP および UDP ポート 111 (rpcbind/sunrpc)
  • MOUNTD_PORT="port" と指定した TCP および UDP ポート
  • STATD_PORT="port" と指定した TCP および UDP ポート
  • LOCKD_TCPPORT="port" と指定した TCP ポート
  • LOCKD_UDPPORT="port" と指定した UDP ポート
MOUNTD_PORTSTATD_PORTLOCKD_TCPPORTLOCKD_UDPPORT のポートは /etc/sysconfig/nfs ファイルで設定されます。

2.3.2. ハイパーバイザーのファイアウォール要件

Red Hat Enterprise Linux ホストおよび Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor では、ネットワークトラフィックがシステムのファイアウォールを通過できるように複数のポートを開放しておく必要があります。Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の場合には、このファイアウォールルールは自動的に設定されますが、Red Hat Enterprise Linux ホストの場合には手動でファイアウォールを設定する必要があります。

表2.7 仮想化ホストのファイアウォール要件

ポートプロトコル接続元接続先目的
22TCP
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
Secure Shell (SSH) アクセス
オプション
2223TCP
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
仮想マシンのシリアルコンソールへの接続を可能にするための Secure Shell (SSH) アクセス
161UDP
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
Simple network management protocol (SNMP)。ハイパーバイザーから 1 つまたは複数の SNMP マネージャーに Simple Network Management Protocol のトラップを送信する場合にのみ必要です。
オプション
5900 - 6923TCP
管理ポータルのクライアント
ユーザーポータルのクライアント
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
VNC および SPICE を介したリモートゲストのコンソールアクセス。クライアントが仮想マシンに容易にアクセスできるように、これらのポートは開放しておく必要があります。
5989TCP、UDP
Common Information Model Object Manager (CIMOM)
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
Common Information Model Object Managers (CIMOM) がハイパーバイザー上で実行中の仮想マシンをモニタリングするのに使用します。このポートは、環境内の仮想マシンのモニタリングに CIMOM を使用する場合にのみ開放する必要があります。
オプション
16514TCP
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
libvirt を使った仮想マシンの移行
49152 - 49216TCP
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
VDSM を使用した仮想マシンの移行とフェンシング。仮想マシンの自動および手動での移行を容易に実行できるように、これらのポートを開放しておく必要があります。
54321TCP
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
Red Hat Enterprise Linux ホスト
VDSM による Manager およびその他の仮想化ホストとの通信

2.3.3. ディレクトリーサーバーのファイアウォール要件

Red Hat Enterprise Virtualization では、ユーザー認証をサポートするためのディレクトリーサーバーが必要です。Red Hat Enterprise Virtualization Manager で使用される GSS-API 認証をサポートするには、ディレクトリーサーバーのファイアウォールで複数のポートを開放しておく必要があります。

表2.8 ホストのファイアウォール要件

ポートプロトコル接続元接続先目的
88、464TCP、UDP
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
ディレクトリーサーバー
Kerberos 認証
389、636TCP
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
ディレクトリーサーバー
Lightweight Directory Access Protocol (LDAP) と LDAP over SSL

2.3.4. データベースサーバーのファイアウォール要件

Red Hat Enterprise Virtualization は、リモートデータベースサーバーの使用をサポートしています。Red Hat Enterprise Virtualization でリモートデータベースサーバーを使用する場合には、そのリモートデータベースサーバーで Manager からの接続が確実に許可されるように設定しておく必要があります。

表2.9 ホストのファイアウォール要件

ポートプロトコル接続元接続先目的
5432TCP、UDP
Red Hat Enterprise Virtualization Manager
PostgreSQL データベースサーバー
PostgreSQL データベース接続のデフォルトポート
インストール時にデフォルトオプションとして提供されるローカルデータベースサーバーを Manager 上で使用する場合には、他のファイアウォールルールを追加する必要はありません。

パート II. Red Hat Enterprise Virtualization Manager のインストール

第3章 Red Hat Enterprise Virtualization Manager

3.1. 必要なエンタイトルメントのサブスクライブ

Red Hat Enterprise Linux ベースオペレーティングシステムのインストールが完了し、システムが前章に記載の要件を満たすことを確認したら、Red Hat サブスクリプションマネージャーでシステムを登録して、Red Hat Enterprise Virtualization Manager パッケージのインストールに必要なエンタイトルメントをサブスクライブする必要があります。
  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
    # subscription-manager register
  2. Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールを見つけて、プール ID を書き留めておきます。
    # subscription-manager list --available
  3. 上記のステップで特定したプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=pool_id

    注記

    現在アタッチされているサブスクリプションを確認するには、以下のコマンドを実行します。
    # subscription-manager list --consumed
    有効化されたリポジトリーを一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。
    # yum repolist
  4. 全リポジトリーを無効にするには、以下のコマンドを実行します。
    # subscription-manager repos --disable=*
  5. 必要なリポジトリーを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-supplementary-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms
    # subscription-manager repos --enable=jb-eap-6-for-rhel-6-server-rpms
システムが必要なエンタイトルメントをサブスクライブするための設定が完了しました。次のセクションに進み、Red Hat Enterprise Virtualization Manager パッケージをインストールしてください。

3.2. Red Hat Enterprise Virtualization Manager パッケージのインストール

Red Hat Enterprise Virtualization Manager の設定、使用の前に、rhevm パッケージと依存関係をインストールする必要があります。

手順3.1 Red Hat Enterprise Virtualization Manager パッケージのインストール

  1. 確実に全パッケージを最新の状態にするには、Red Hat Enterprise Virtualization Manager をインストールするマシン上で以下のコマンドを実行します。
    # yum update
  2. 以下のコマンドを実行して rhevm パッケージと依存関係をインストールします。
    # yum install rhevm
次のステップに進んで、Red Hat Enterprise Virtualization Manager を設定します。

3.3. Red Hat Enterprise Virtualization Manager の設定

rhevm パッケージと依存関係をインストールした後には、engine-setup コマンドで Red Hat Enterprise Virtualization Manager を設定する必要があります。このコマンドにより、一連の質問が表示され、各質問に必要な値を入力すると、その設定が適用されて ovirt-engine サービスが開始されます。
デフォルトでは、engine-setup により、Manager マシンのローカルに Manager のデータベースが作成/設定されます。または、Manager がリモートのデータベースか、手動で設定したローカルのデータベースを使用するように設定することができます。ただし、データベースは engine-setup を実行する前に設定しておく必要があります。リモートのデータベースを設定する方法は、「付録D Red Hat Enterprise Virtualization Manager で使用するためのリモートの PostgreSQL データベースの準備」を設定してください。手動で設定したローカルのデータベースを設定する方法は、「付録E Red Hat Enterprise Virtualization Manager で使用するための手動設定のローカル PostgreSQL データベースの準備」を参照してください。

注記

設定は、engine-setup コマンドの手順に従って、複数の段階に分けて行います。各段階には、ユーザー入力が必要なステップが複数あり、設定候補のデフォルト値が角括弧内に提示されます。提示された値がそのステップに有効な場合には、Enter キーを押してその値を確定します。

手順3.2 Red Hat Enterprise Virtualization Manager の設定

  1. engine-setup コマンドを実行して、Red Hat Enterprise Virtualization Manager の設定を開始します。
    # engine-setup
  2. Manager を設定するには Enter を押します。
    Configure Engine on this host (Yes, No) [Yes]:
  3. オプションで、コマンドラインから仮想マシンのシリアルコンソールへのアクセスを許可します。
    Configure VM Console Proxy on this host (Yes, No) [Yes]:
    この機能を使用するには、クライアントマシンで追加の設定が必要です。『仮想マシン管理ガイド』の「仮想マシンのシリアルコンソールの表示」のセクションを参照してください。
  4. 次に、engine-setup コマンドでは、noVNC または HTML5 コンソールから仮想マシンに接続できるように Websocket プロキシーサーバーを設定できます (オプション)。
    Configure WebSocket Proxy on this machine? (Yes, No) [Yes]:
  5. Enter を押して自動検出されたホスト名を受け入れるか、別のホスト名を入力して Enter を押します。仮想化ホストを使用している場合には、自動的に検出されたホスト名が間違っている可能性がある点に注意してください。
    Host fully qualified DNS name of this server [autodetected host name]:
  6. 次に、engine-setup コマンドは、ファイアウォールの設定を確認し、TCP ポート 80 や 443 など、Manager が 外部通信に使用するポートをユーザーに代わって開放するように設定を変更するかどうかを尋ねます。engine-setup による iptables の設定変更を許可しない場合は、Manager で使用するポートを手動で開放する必要があります。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  7. ローカルまたはリモートの PostgreSQL データベースを Manager のデータベースとして使用するように選択します。
    Where is the Engine database located? (Local, Remote) [Local]:
    • Local を選択した場合には、engine-setup コマンドにより、(ユーザーやデータベースの追加など自動的にデータベースが設定されるか)、事前に設定したローカルのデータベースに接続することができます。
      Setup can configure the local postgresql server automatically for the engine to run. This may conflict with existing applications.
      Would you like Setup to automatically configure postgresql and create Engine database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
      1. Enter を押して Automatic を選択した場合には、ここでは、これ以上操作の必要はありません。
      2. Manual を選択した場合には、手動設定したローカルデータベースに関する以下の値を入力してください。
        Engine database secured connection (Yes, No) [No]: 
        Engine database name [engine]: 
        Engine database user [engine]: 
        Engine database password:
    • Remote を選択した場合には、事前設定したリモートデータベースに関する以下の値を入力してください。
      Engine database host [localhost]:
      Engine database port [5432]:
      Engine database secured connection (Yes, No) [No]: 
      Engine database name [engine]: 
      Engine database user [engine]: 
      Engine database password:
  8. GlusterVirt または Both のいずれかを選択します。
    Application mode (Both, Virt, Gluster) [Both]:
    Both は、最も柔軟性が高いモードです。大半の場合は Both を選択します。Virt application mode を選択すると、環境内で仮想マシンを実行することができます。Gluster application mode を選択した場合には、管理ポータルからの GlusterFS 管理のみが可能です。
  9. 自動作成された Red Hat Enterprise Virtualization Manager の管理ユーザーのパスワードを設定します。
    Engine admin password:
    Confirm engine admin password:
  10. ディスクの削除時に仮想ディスクのブロックをワイプする wipe_after_delete フラグのデフォルト値を設定します。
    Default SAN wipe after delete (Yes, No) [No]:
  11. Manager は、ホストとセキュアな通信を行うため各種証明書を使用します。この証明書は、オプションとして、Manager との HTTPS 通信のセキュリティー保護に使用することも可能です。証明書の組織名を指定してください。
    Organization name for certificate [autodetected domain-based name]:
  12. デフォルトでは、Manager と外部クライアント間の SSL (HTTPS) 通信は、以前の設定で作成された自己署名証明書を使用してセキュリティーが保護されます。または、外部との HTTPS 接続向けに別の証明書を選択します (これにより、ホストと Manager 間の通信方法に影響が出るわけではありません)。
    Setup can configure apache to use SSL using a certificate issued from the internal CA.
    Do you wish Setup to configure that, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
  13. オプションで、engine-setup により、Apache Web サーバーが指定するデフォルトのページを Manager のランディングページに設定することができます。
    Setup can configure the default page of the web server to present the application home page. This may conflict with existing applications.
    Do you wish to set the application as the default web page of the server? (Yes, No) [Yes]:
  14. オプションで、Manager に NFS 共有を作成して、ISO ストレージドメインとして使用します。ローカルの ISO ドメインは、仮想マシンの初期設定で使用可能な各種イメージを提供します。
    1. Configure an NFS share on this server to be used as an ISO Domain? (Yes, No) [Yes]:
    2. ISO ドメインのパスを指定します。
      Local ISO domain path [/var/lib/exports/iso]:
    3. ISO ドメインへのアクセスに必要なネットワークまたはホストを指定します。
      Local ISO domain ACL: 10.1.2.0/255.255.255.0(rw) host01.example.com(rw) host02.example.com(rw)
      上記の例は、1 つの /24 ネットワーク 2 台のホストへのアクセスを許可します。形式のオプションについての詳しい説明は、exports(5) の man ページを参照してください。
    4. ISO ドメインの表示名を指定します。
      Local ISO domain name [ISO_DOMAIN]:
  15. オプションで、engine-setup コマンドを使用して、プロキシーサーバーが Red Hat Access プラグインからのトランザクションを仲介できるようにします。
    Would you like transactions from the Red Hat Access Plugin sent from the RHEV Manager to be brokered through a proxy server? (Yes, No) [No]:
  16. インストール設定を確認して、Enter を押して値を確定し、インストールを続行します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:
  17. Red Hat Enterprise Virtualization 環境をディレクトリーサーバーにリンクする予定の場合には、ディレクトリーサーバーが使用するシステムクロックと日付と時刻を同期して、アカウントの期限が予期せずに切れてしまう問題が発生しないようにしてください。詳しくは、『Red Hat Enterprise Linux 導入ガイド』の「ネットワーク時刻プロトコルの設定」のセクションを参照してください。
環境の設定が完了すると、engine-setup コマンドは環境へのアクセス方法を表示します。ファイアウォールの手動設定を選択した場合は、engine-setup が開放する必要のあるポートのカスタムリストを表示します。また、engine-setup コマンドは、Manager を同じ値で再設定できるようにファイルに回答を保存して、Red Hat Enterprise Virtualization Manager の設定プロセスのログファイルの場所を出力します。
次のセクションで admin@internal ユーザーとして管理ポータルに接続する方法について参照してから、ハイパーバイザーホストの設定とストレージのアタッチに進みます。

3.4. 管理ポータルへの接続

Web ブラウザーを使って管理ポータルへアクセスします。
  1. Web ブラウザーで https://your-manager-fqdn/ovirt-engine にアクセスします (your-manager-fqdn は、インストール時に指定した完全修飾名に置き換えてください)。

    重要

    管理ポータルに初めて接続する場合は、お使いのブラウザーと Web サーバー間の通信のセキュリティー保護に使用する証明書を信頼するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。この証明書は受け入れる必要があります。
  2. 管理ポータル をクリックします。
  3. ユーザー名パスワード を入力します。初回ログインの場合は、ユーザー名 admin とインストール時に指定したパスワードを使用してください。
  4. ドメイン の一覧から認証するドメインを選択します。内部の admin ユーザー名を使用してログインしている場合は、internal ドメインを選択します。
  5. 管理ポータルは複数の言語で表示することができます。デフォルトでは、お使いの Web ブラウザーのロケール設定をベースに選択されます。デフォルトで選択した言語以外で管理ポータルを表示する場合は、一覧から任意の言語を選択してください。
  6. ログイン をクリックします。
次の章では、Manager に関連した任意のタスクについて記載します。このタスクがお使いの環境に該当しない場合には、パートIII「ハイパーバイザーホストのインストール」に進んでください。

第5章 Data Warehouse および Reports

5.1. Data Warehouse と Reports の設定についての概要

Red Hat Enterprise Virtualization Manager には、包括的な管理履歴データベースが実装されています。このデータベースを任意のアプリケーションで活用して、データセンター、クラスター、ホストレベルのさまざまな情報を抽出することができます。Data Warehouse をインストールすると、ovirt_engine_history データベースが作成されます。このデータベースに Manager が報告目的で情報をログ記録するように設定されています。Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports の機能は、オプションのコンポーネントとしても利用可能です。Reports は、Java ベースのアプリケーションに埋め込み可能なオープンソースのレポーティングツールである JasperServer およびJasperRepots のカスタマイズされた実装を提供します。Reports は Web ユーザーインターフェースでビルド/アクセスが可能なレポートを生成します。これは画面へのレンダリング、印刷が可能なのに加えて、PDF、Excel CSV、Word、RTF、Flash、ODTODS などのさまざまな形式でエクスポートすることもできます。Data Warehouse と Reports のコンポーネントはオプションなので、Manager のセットアップに追加でインストールして設定する必要があります。
Data Warehouse と Reports のインストールを開始する前に、Red Hat Enterprise Virtualization Manager のインストールと設定を済ませておく必要があります。Reports の機能は、Data Warehouse があるかどうかによって異なります。Data Warehouse のインストールと設定は、Reports よりも前に完了しておく必要があります。
Data Warehouse/Reports のデプロイメントで使用する全マシンのシステムタイムゾーンを UTC に設定することを推奨します。この設定により、ローカルタイムゾーンにおける変化 (例: 夏時間から冬時間への変更など) が原因でデータの収集が中断されないようになります。
ovirt_engine_history データベースが使用する容量およびリソースの推定値を算出するには、RHEV Manager History Database Size Calculator ツールを使用します。この推定値は履歴の記録を保持するように選択したエンティティー数および時間をもとに算出されます。

5.2. Data Warehouse および Reports の設定における注意

動作

engine-setup では以下のような動作が予想されます。

Data Warehouse パッケージと Reports パッケージをインストールして engine-setup を実行し、Data Warehouse と Reports の設定は No と回答します。
Configure Data Warehouse on this host (Yes, No) [Yes]: No
Configure Reports on this host (Yes, No) [Yes]: No
engine-setup を再度実行しても、これらのサービスを設定するオプションは表示されません。
回避策

engine-setup が両オプションを再度表示するように強制するには、engine-setup --reconfigure-optional-components を実行します。

注記

現在インストールされている Data Warehouse および Reports のパッケージのみを設定し、engine-setup コマンドによって有効なリポジトリーからパッケージの更新が適用されるのを防ぐには、--offline のオプションを追加してください。

5.3. Data Warehouse および Reports のインストールオプション

Data Warehouse と Reports のインストールには、1 台から 3 台のマシンが必要です。以下のいずれかの方法で構成することができます。
  1. Manager がインストールされているマシンに Data Warehouse と Reports の両方をインストール/設定する方法

    この構成では、Data Warehouse および Reports のサービスを Manager のマシンでホストします。この構成に必要なのは、登録済みのマシン 1 台のみで、最も簡単な構成ですが、サービスが CPU とメモリーを共有する必要があるため、ホストマシンに対する需要が高くなります。Data Warehouse service または Reports のサービスへのアクセスが必要なユーザーは、Manager のマシン自体にアクセスする必要があります。

  2. Manager とは別の 1 台のマシンに Data Warehouse と Reports の両方をインストール/設定する方法

    この構成では、Data Warehouse と Reports を Manager とは別の 1 台のマシンでホストします。この構成には、登録済みのマシンが 2 台必要ですが、Manager のマシンの負荷が軽減され、マシン上で CPU とメモリーの共有による競合を回避することができます。管理者は、Manager のマシンへのアクセスを許可する必要なしに、Data Warehouse と Reports がインストールされたマシンへのアクセスをユーザーに許可することができます。Data Warehouse と Reports のサービスは、1 台のホストのリソースをめぐって競うことになる点に注意してください。

  3. Manager とは別のマシンに Data Warehouse をインストール/設定してから、もう 1 台のマシンに Reports をインストール/設定する方法

    この構成では、各サービスが独自のホストに分かれます。この構成には登録済みのマシンが 3 台必要ですが、各マシンへの負荷が軽減され、各サービスは、他のプロセスとの CPU およびメモリーの共有による競合が発生するのを回避することができます。管理者は、特定の 1 台のマシンへのアクセスをユーザーに許可する際に、他の 2 台のマシンへのアクセスを許可する必要はありません。

  4. Manager のマシンに Data Warehouse をインストール/設定してから、別のマシンに Reports をインストール/設定する方法

    この構成では、Data Warehouse は Manager のマシンでホストされ、Reports は別のマシンでホストされます。この構成には登録済みのマシンが 2 台必要ですが、Manager のマシンへの負荷が軽減され、マシン上で メモリーの共有による競合を回避することができます。管理者は、Manager のマシンへのアクセスを許可せずに Reports のマシンへのアクセスをユーザーに許可することができます。

  5. Manager とは別のマシンに Data Warehouse をインストール/設定してから、Manager のマシンに Reports をインストール/設定する方法

    この構成では、Data Warehouse は Manager とは別のマシンでホストされ、Reports は Manager のマシンでホストされます。この構成には、登録済みのマシンが 2 台必要ですが、Manager への負荷が軽減され、メモリーの共有による競合を回避することができます。管理者は、Manager のマシンへのアクセスを許可せずに Data Warehouse のマシンへのアクセスをユーザーに許可することができます。

Data Warehouse サービスがインストールされているのとは別のマシンで Data Warehouse データベースをホストする方法を選択する場合には、そのための追加のマシンが必要となります。これは、Reports データベースをリモートでホストするように選択する場合も同じです。

注記

詳しい説明が記載された JasperReports のユーザーガイド、管理ガイド、インストールガイドは /usr/share/jasperreports-server-pro/docs/ で参照することができます。

5.3.1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager のマシンに Data Warehouse と Reports をインストール/設定する方法

概要

Red Hat Enterprise Virtualization Manager と同じマシンに Data Warehouse と Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports をインストールして設定します。

前提条件

以下の前提条件が満たされていることを確認してください。

  1. このマシンで Manager のインストールと設定が完了している必要があります。
  2. リモートの Data Warehouse データベースまたは Reports データベースを使用するように選択する場合には、Data Warehouse と Reports のサービスをインストールする前に各データベースを設定しておく必要があります。これには、各データベースホストの以下の情報が必要となります。
    • ホストの完全修飾ドメイン名
    • データベースへの接続に使用するポート (デフォルトでは 5432)
    • データベースの名前
    • データベースのユーザー
    • データベースのパスワード
  3. セルフホストエンジンを使用している場合には、メンテナンスモードに変更する必要があります。
    # hosted-engine --set-maintenance --mode=global

手順5.1 Red Hat Enterprise Virtualization Manager のマシンに Data Warehouse と Reports をインストール/設定する方法

  1. Red Hat Enterprise Virtualization Manager がインストールされているシステムに rhevm-dwh パッケージと rhevm-reports パッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-dwh rhevm-reports
  2. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Data Warehouse と Reports の設定を開始します。
    # engine-setup
  3. プロンプトに従って Data Warehouse と Reports を設定します。
    Configure Data Warehouse on this host (Yes, No) [Yes]: 
    Configure Reports on this host (Yes, No) [Yes]:
  4. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  5. Data Warehouse データベースと Reports データベースに関する以下の質問に回答します。
    Where is the DWH database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the DWH to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create DWH database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]: 
    Where is the Reports database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the Reports to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create Reports database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    Enter を押して提示されているデフォルト値を選択するか、別の回答を入力して Enter を押します。Remote を選択した場合には、各リモートデータベースホストに関する情報を提供するように要求されます。
  6. Reports の管理ユーザー (admin および superuser) のパスワードを設定します。Reports のシステムは、Manager とは別の独自の認証情報を管理する点に注意してください。
    Reports power users password:
    確認のために、パスワードの再入力を求められます。
  7. 設定を有効にするには ovirt-engine サービスを再起動する必要があります。engine-setup コマンドは以下のプロンプトを表示します。
    During execution engine service will be stopped (OK, Cancel) [OK]:
    Enter を押して続行します。コマンドの後半に ovirt-engine サービスが再起動します。
  8. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:
次のステップ

http://demo.redhat.com/ovirt-engine-reports でレポートポータルにアクセスします。demo.redhat.com の箇所は、Manager の完全修飾ドメイン名に置き換えてください。Manager のインストール中にデフォルト以外の HTTP ポートを選択した場合は、URL に :port を追加します。:port を選択したポートに置き換えてください。

admin というユーザー名と Reports インストール時に設定したパスワードを使用してログインします。Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports への初回ログイン時には、Web ページが複数生成されるため、ログインの完了まで時間がかかる場合があります。

5.3.2. Red Hat Enterprise Virtualization Manager とは別の 1 台のマシンに Data Warehouse と Reports をインストール/設定する方法

概要

Red Hat Enterprise Virtualization Manager がインストールされているマシンとは別の 1 台のホストに Data Warehouse と Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports の両方をインストールして設定します。Data Warehouse サービスおよび Reports サービスを別のマシンでホストすることにより、Manager のマシンの負荷が軽減されます。Data Warehouse と Reports を同じマシンでホストすると、それらのプロセスが CPU とメモリーを共有することになる点に注意してください。

前提条件

以下の前提条件が満たされていることを確認してください。

  1. 別のマシンで Manager のインストールと設定が完了している必要があります。
  2. Data Warehouse と Reports のマシンを設定するには、以下が必要です。
    • Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 をインストール済みの仮想マシンまたは物理マシン
    • Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールへのサブスクライブ登録
    • Manager の /etc/ovirt-engine/engine.conf.d/10-setup-database.conf ファイルに記載されているパスワード
    • Data Warehouse と Reports のマシンから Manager データベースのマシンの TCP ポート 5432 へのアクセスの許可
  3. リモートの Data Warehouse データベースまたは Reports データベースを使用するように選択する場合には、Data Warehouse と Reports のサービスをインストールする前に各データベースを設定しておく必要があります。これには、各データベースホストの以下の情報が必要となります。
    • ホストの完全修飾ドメイン名
    • データベースへの接続に使用するポート (デフォルトでは 5432)
    • データベースの名前
    • データベースのユーザー
    • データベースのパスワード

手順5.2 Red Hat Enterprise Virtualization Manager とは別の 1 台のマシンに Data Warehouse と Reports をインストール/設定する方法

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
    # subscription-manager register
  2. Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールを見つけて、プール ID を書き留めておきます。
    # subscription-manager list --available
  3. 上記のステップで特定したプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=pool_id
  4. 既存のリポジトリーをすべて無効にします。
    # subscription-manager repos --disable=*
  5. 必要なリポジトリーを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-supplementary-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms
    # subscription-manager repos --enable=jb-eap-6-for-rhel-6-server-rpms
  6. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
    # yum update
  7. rhevm-dwh-setuprhevm-reports-setup のパッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-dwh-setup rhevm-reports-setup
  8. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Data Warehouse と Reports の設定を開始します。
    # engine-setup
  9. プロンプトに従って Data Warehouse と Reports を設定します。
    Configure Data Warehouse on this host (Yes, No) [Yes]: 
    Configure Reports on this host (Yes, No) [Yes]:
  10. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  11. Enter を押して自動検出されたホスト名を受け入れるか、別のホスト名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of this server [autodetected hostname]:
  12. Manager のマシンの完全修飾ドメイン名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of the engine server []:
  13. Data Warehouse データベースと Reports データベースに関する以下の質問に回答します。
    Where is the DWH database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the DWH to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create DWH database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]: 
    Where is the Reports database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the Reports to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create Reports database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    Enter を押して提示されているデフォルト値を選択するか、別の回答を入力して Enter を押します。Remote を選択した場合には、各リモートデータベースホストに関する情報を提供するように要求されます。
  14. Manager のデータベースマシンの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
    Engine database host []: engine-db-fqdn
    Engine database port [5432]: 
    Engine database secured connection (Yes, No) [No]: 
    Engine database name [engine]: 
    Engine database user [engine]: 
    Engine database password: password
  15. Enter を押して、Manager で SSH を介して Reports と Apache の証明書に署名する設定を許可します。
    Setup will need to do some actions on the remote engine server. Either automatically, using ssh as root to access it, or you will be prompted to manually perform each such action.
    Please choose one of the following:
    1 - Access remote engine server using ssh as root
    2 - Perform each action manually, use files to copy content around
    (1, 2) [1]:
  16. Enter を押してデフォルトの SSH ポートを受け入れるか、別のポート番号を入力して Enter を押します。
    ssh port on remote engine server [22]:
  17. Manager のマシンの root パスワードを入力します。
    root password on remote engine server manager-fqdn.com:
  18. Enter を押して Apache 上での SSL の自動設定を許可します。
    Setup can configure apache to use SSL using a certificate issued from the internal CA.
    Do you wish Setup to configure that, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
  19. Reports の管理ユーザー (admin および superuser) のパスワードを設定します。Reports のシステムは、Manager とは別の独自の認証情報を管理する点に注意してください。
    Reports power users password:
    確認のために、パスワードの再入力を求められます。
  20. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:
次のステップ

http://demo.redhat.com/ovirt-engine-reports でレポートポータルにアクセスします。demo.redhat.com の箇所は、Manager の完全修飾ドメイン名に置き換えてください。Manager のインストール中にデフォルト以外の HTTP ポートを選択した場合は、URL に :port を追加します。:port を選択したポートに置き換えてください。

admin というユーザー名と Reports インストール時に設定したパスワードを使用してログインします。Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports への初回ログイン時には、Web ページが複数生成されるため、ログインの完了まで時間がかかる場合があります。

5.3.3. Red Hat Enterprise Virtualization Manager とは別の 2 台のマシンに Data Warehouse と Reports をインストール/設定する方法

概要

Red Hat Enterprise Virtualization Manager がインストールされているのとは別のホストで Data Warehouse のインストールと設定を行ってから、3 台目のマシンで Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports のインストールと設定を行います。Data Warehouse と Reports のサービスを別のマシンでホストすることにより、Manager のマシンの負荷が軽減されます。また、Data Warehouse と Reports を別々のマシンに分けることにより、各サービスによるホストマシンにへの需要がさらに軽減され、他のプロセスとの CPU およびメモリーの共有による競合を回避することができます。

このシナリオでのインストール手順は、2 つの主要なステップで構成されます。
  1. Manager とは別のマシンに Data Warehouse をインストールして設定します。
  2. もう 1 台の別のマシンに Reports をインストールして設定します。
前提条件

以下の前提条件が満たされていることを確認してください。

  1. 別のマシンで Manager のインストールと設定が完了している必要があります。
  2. Data Warehouse のマシンを設定するには、以下が必要です。
    • Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 をインストール済みの仮想マシンまたは物理マシン
    • Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールへのサブスクライブ登録
    • Manager の /etc/ovirt-engine/engine.conf.d/10-setup-database.conf ファイルに記載されているパスワード
    • Data Warehouse のマシンから Manager データベースのマシンの TCP ポート 5432 へのアクセスの許可
  3. Reports のマシンを設定するには、以下が必要です。
    • Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 をインストール済みの仮想マシンまたは物理マシン
    • Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールへのサブスクライブ登録
    • Data Warehouse のマシンの /etc/ovirt-engine-dwh/ovirt-engine-dwhd.conf.d/10-setup-database.conf ファイルに記載されているパスワード
    • Reports のマシンから Manager データベースのマシンの TCP ポート 5432 へのアクセスの許可
  4. リモートの Data Warehouse データベースまたは Reports データベースを使用するように選択する場合には、Data Warehouse と Reports のサービスをインストールする前に各データベースを設定しておく必要があります。これには、各データベースホストの以下の情報が必要となります。
    • ホストの完全修飾ドメイン名
    • データベースへの接続に使用するポート (デフォルトでは 5432)
    • データベースの名前
    • データベースのユーザー
    • データベースのパスワード

手順5.3 ステップ 1: Manager とは別のマシンへの Data Warehouse のインストールおよび設定

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
    # subscription-manager register
  2. Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールを見つけて、プール ID を書き留めておきます。
    # subscription-manager list --available
  3. 上記のステップで特定したプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=pool_id
  4. 既存のリポジトリーをすべて無効にします。
    # subscription-manager repos --disable=*
  5. 必要なリポジトリーを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-supplementary-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms
    # subscription-manager repos --enable=jb-eap-6-for-rhel-6-server-rpms
  6. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
    # yum update
  7. rhevm-dwh-setup パッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-dwh-setup
  8. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Data Warehouse の設定を開始します。
    # engine-setup
  9. Enter を押して Data Warehouse を設定します。
    Configure Data Warehouse on this host (Yes, No) [Yes]:
  10. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  11. Enter を押して自動検出されたホスト名を受け入れるか、別のホスト名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of this server [autodetected host name]:
  12. Data Warehouse データベースに関する以下の質問に回答します。
    Where is the DWH database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the DWH to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create DWH database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
    Enter を押して提示されているデフォルト値を選択するか、別の回答を入力して Enter を押します。Remote を選択した場合には、リモートデータベースホストに関する情報を提供するように要求されます。
  13. Manager のデータベースマシンの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
    Engine database host []: engine-db-fqdn
    Engine database port [5432]: 
    Engine database secured connection (Yes, No) [No]: 
    Engine database name [engine]: 
    Engine database user [engine]: 
    Engine database password: password
  14. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:

手順5.4 ステップ 2: Manager とは別のマシンへの Reports のインストールおよび設定

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
    # subscription-manager register
  2. Reports のインストールに必要なリポジトリーが含まれたサブスクリプションプールを特定します。
    # subscription-manager list --available | grep -A8 "Red Hat Enterprise Linux Server"
    # subscription-manager list --available | grep -A8 "Red Hat Enterprise Virtualization"
  3. 上記のステップで特定したプール ID を使用して、Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のエンタイトルメントをシステムにアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=pool_id
  4. 既存のリポジトリーをすべて無効にします。
    # subscription-manager repos --disable=*
  5. 必要なリポジトリーを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-supplementary-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms
    # subscription-manager repos --enable=jb-eap-6-for-rhel-6-server-rpms
  6. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
    # yum update
  7. rhevm-reports-setup パッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-reports-setup
  8. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Reports の設定を開始します。
    # engine-setup
  9. Enter を押して Reports を設定します。
    Configure Reports on this host (Yes, No) [Yes]:
    
  10. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  11. Enter を押して自動検出されたホスト名を受け入れるか、別のホスト名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of this server [autodetected host name]:
  12. Manager のマシンの完全修飾ドメイン名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of the engine server []:
  13. Reports データベースに関する以下の質問に回答します。
    Where is the Reports database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the Reports to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create Reports database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
    Enter を押して提示されているデフォルト値を選択するか、別の回答を入力して Enter を押します。Remote を選択した場合には、リモートデータベースホストに関する情報を提供するように要求されます。
  14. Data Warehouse データベースのホストの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
    DWH database host []: dwh-db-fqdn
    DWH database port [5432]: 
    DWH database secured connection (Yes, No) [No]: 
    DWH database name [ovirt_engine_history]: 
    DWH database user [ovirt_engine_history]: 
    DWH database password: password
  15. Enter を押して、Manager で SSH を介して Reports と Apache の証明書に署名する設定を許可します。
    Setup will need to do some actions on the remote engine server. Either automatically, using ssh as root to access it, or you will be prompted to manually perform each such action.
    Please choose one of the following:
    1 - Access remote engine server using ssh as root
    2 - Perform each action manually, use files to copy content around
    (1, 2) [1]:
  16. Enter を押してデフォルトの SSH ポートを受け入れるか、別のポート番号を入力して Enter を押します。
    ssh port on remote engine server [22]:
  17. Manager のマシンの root パスワードを入力します。
    root password on remote engine server manager-fqdn.com:
  18. Enter を押して Apache 上での SSL の自動設定を許可します。
    Setup can configure apache to use SSL using a certificate issued from the internal CA.
    Do you wish Setup to configure that, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
  19. Reports の管理ユーザー (admin および superuser) のパスワードを設定します。Reports のシステムは、Manager とは別の独自の認証情報を管理する点に注意してください。
    Reports power users password:
    確認のために、パスワードの再入力を求められます。
  20. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:
次のステップ

http://demo.redhat.com/ovirt-engine-reports でレポートポータルにアクセスします。demo.redhat.com の箇所は、Manager の完全修飾ドメイン名に置き換えてください。Manager のインストール中にデフォルト以外の HTTP ポートを選択した場合は、URL に :port を追加します。:port を選択したポートに置き換えてください。

admin というユーザー名と Reports インストール時に設定したパスワードを使用してログインします。Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports への初回ログイン時には、Web ページが複数生成されるため、ログインの完了まで時間がかかる場合があります。

5.3.4. Data Warehouse を Red Hat Enterprise Virtualization Manager のマシンにインストール/設定し、Reports を別のマシンにインストール/設定する方法

概要

Red Hat Enterprise Virtualization Manager と同じシステムで Data Warehouse のインストールと設定を行ってから、別のマシンで Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports のインストールと設定を行います。Reports を別のマシンでホストすることにより、Manager のマシンの負荷が軽減されます。

このシナリオでのインストール手順は、2 つの主要なステップで構成されます。
  1. Manager のマシンに Data Warehouse をインストールして設定します。
  2. 別のマシンに Reports をインストールして設定します。
前提条件

以下の前提条件が満たされていることを確認してください。

  1. マシンで Manager のインストールと設定が完了している必要があります。これは、Data Warehouse をインストールするマシンです。
  2. Reports のマシンを設定するには、以下が必要です。
    • Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 をインストール済みの仮想マシンまたは物理マシン
    • Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のエンタイトルメントプールのサブスクリプション
    • Data Warehouse のマシンの /etc/ovirt-engine-dwh/ovirt-engine-dwhd.conf.d/10-setup-database.conf ファイルに記載されているパスワード
    • Reports のマシンから Manager データベースのマシンの TCP ポート 5432 へのアクセスの許可
  3. リモートの Data Warehouse データベースまたは Reports データベースを使用するように選択する場合には、Data Warehouse と Reports のサービスをインストールする前に各データベースを設定しておく必要があります。これには、各データベースホストの以下の情報が必要となります。
    • ホストの完全修飾ドメイン名
    • データベースへの接続に使用するポート (デフォルトでは 5432)
    • データベースの名前
    • データベースのユーザー
    • データベースのパスワード
  4. セルフホストエンジンを使用している場合には、メンテナンスモードに変更する必要があります。
    # hosted-engine --set-maintenance --mode=global

手順5.5 ステップ 1: Manager のマシンへの Data Warehouse のインストールおよび設定

  1. rhevm-dwh パッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-dwh
  2. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Data Warehouse の設定を開始します。
    # engine-setup
  3. Enter を押して Data Warehouse を設定します。
    Configure Data Warehouse on this host (Yes, No) [Yes]:
  4. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  5. Data Warehouse データベースに関する以下の質問に回答します。
    Where is the DWH database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the DWH to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create DWH database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
    Enter を押して提示されているデフォルト値を選択するか、別の回答を入力して Enter を押します。Remote を選択した場合には、リモートデータベースホストに関する情報を提供するように要求されます。
  6. 設定を有効にするには ovirt-engine サービスを再起動する必要があります。engine-setup コマンドは以下のプロンプトを表示します。
    During execution engine service will be stopped (OK, Cancel) [OK]:
    Enter を押して続行します。コマンドの後半に ovirt-engine サービスが再起動します。
  7. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:

手順5.6 ステップ 2: Manager とは別のマシンへの Reports のインストールおよび設定

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
    # subscription-manager register
  2. Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールを見つけて、プール ID を書き留めておきます。
    # subscription-manager list --available
  3. 上記のステップで特定したプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=pool_id
  4. 既存のリポジトリーをすべて無効にします。
    # subscription-manager repos --disable=*
  5. 必要なチャンネルを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-supplementary-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms
    # subscription-manager repos --enable=jb-eap-6-for-rhel-6-server-rpms
  6. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
    # yum update
  7. rhevm-reports-setup パッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-reports-setup
  8. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Reports の設定を開始します。
    # engine-setup
  9. Enter を押して Reports を設定します。
    Configure Reports on this host (Yes, No) [Yes]:
    
  10. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  11. Enter を押して自動検出されたホスト名を受け入れるか、別のホスト名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of this server [autodetected host name]:
  12. Manager のマシンの完全修飾ドメイン名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of the engine server []:
  13. Reports データベースに関する以下の質問に回答します。
    Where is the Reports database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the Reports to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create Reports database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
    Enter を押して提示されているデフォルト値を選択するか、別の回答を入力して Enter を押します。Remote を選択した場合には、リモートデータベースホストに関する情報を提供するように要求されます。
  14. Data Warehouse データベースのホストの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
    DWH database host []: dwh-db-fqdn
    DWH database port [5432]: 
    DWH database secured connection (Yes, No) [No]: 
    DWH database name [ovirt_engine_history]: 
    DWH database user [ovirt_engine_history]: 
    DWH database password: password
  15. Enter を押して、Manager で SSH を介して Reports と Apache の証明書に署名する設定を許可します。
    Setup will need to do some actions on the remote engine server. Either automatically, using ssh as root to access it, or you will be prompted to manually perform each such action.
    Please choose one of the following:
    1 - Access remote engine server using ssh as root
    2 - Perform each action manually, use files to copy content around
    (1, 2) [1]:
  16. Enter を押してデフォルトの SSH ポートを受け入れるか、別のポート番号を入力して Enter を押します。
    ssh port on remote engine server [22]:
  17. Manager のマシンの root パスワードを入力します。
    root password on remote engine server manager-fqdn.com:
  18. Enter を押して Apache 上での SSL の自動設定を許可します。
    Setup can configure apache to use SSL using a certificate issued from the internal CA.
    Do you wish Setup to configure that, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
  19. Reports の管理ユーザー (admin および superuser) のパスワードを設定します。Reports のシステムは、Manager とは別の独自の認証情報を管理する点に注意してください。
    Reports power users password:
    確認のために、パスワードの再入力を求められます。
  20. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:
次のステップ

http://demo.redhat.com/ovirt-engine-reports でレポートポータルにアクセスします。demo.redhat.com の箇所は、Manager の完全修飾ドメイン名に置き換えてください。Manager のインストール中にデフォルト以外の HTTP ポートを選択した場合は、URL に :port を追加します。:port を選択したポートに置き換えてください。

admin というユーザー名と Reports インストール時に設定したパスワードを使用してログインします。Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports への初回ログイン時には、Web ページが複数生成されるため、ログインの完了まで時間がかかる場合があります。

5.3.5. Data Warehouse を別のマシンにインストール/設定し、Reports を Red Hat Enterprise Virtualization Manager のマシンにインストール/設定する方法

概要

Red Hat Enterprise Virtualization Manager がインストールされているのとは別のホストで Data Warehouse のインストールと設定を行ってから、Manager のマシンで Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports のインストールと設定を行います。Data Warehouse サービスを別のマシンでホストすることにより、Manager のマシンの負荷が軽減されます。Manager と Reports を同じマシンでホストすると、それらのプロセスが CPU とメモリーを共有することになる点に注意してください。

このシナリオでのインストール手順は、2 つの主要なステップで構成されます。
  1. Manager とは別のマシンに Data Warehouse をインストールして設定します。
  2. Manager のマシンに Reports をインストールして設定します。
前提条件

以下の前提条件が満たされていることを確認してください。

  1. 別のマシンで Manager のインストールと設定が完了している必要があります。
  2. Data Warehouse のマシンを設定するには、以下が必要です。
    • Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 をインストール済みの仮想マシンまたは物理マシン
    • Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のエンタイトルメントプールのサブスクリプション
    • Manager の /etc/ovirt-engine/engine.conf.d/10-setup-database.conf ファイルに記載されているパスワード
    • Data Warehouse のマシンから Manager データベースのマシンの TCP ポート 5432 へのアクセスの許可
  3. Reports のマシンを設定するには、以下が必要です。
    • Data Warehouse のマシンの /etc/ovirt-engine-dwh/ovirt-engine-dwhd.conf.d/10-setup-database.conf ファイルに記載されているパスワード
  4. リモートの Data Warehouse データベースまたは Reports データベースを使用するように選択する場合には、Data Warehouse と Reports のサービスをインストールする前に各データベースを設定しておく必要があります。これには、各データベースホストの以下の情報が必要となります。
    • ホストの完全修飾ドメイン名
    • データベースへの接続に使用するポート (デフォルトでは 5432)
    • データベースの名前
    • データベースのユーザー
    • データベースのパスワード
  5. セルフホストエンジンを使用している場合には、メンテナンスモードに変更する必要があります。
    # hosted-engine --set-maintenance --mode=global

手順5.7 ステップ 1: Manager とは別のマシンへの Data Warehouse のインストールおよび設定

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
    # subscription-manager register
  2. Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールを見つけて、プール ID を書き留めておきます。
    # subscription-manager list --available
  3. 上記のステップで特定したプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=pool_id
  4. 既存のリポジトリーをすべて無効にします。
    # subscription-manager repos --disable=*
  5. 必要なチャンネルを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-supplementary-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms
    # subscription-manager repos --enable=jb-eap-6-for-rhel-6-server-rpms
  6. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
    # yum update
  7. rhevm-dwh-setup パッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-dwh-setup
  8. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Data Warehouse の設定を開始します。
    # engine-setup
  9. Enter を押して Data Warehouse を設定します。
    Configure Data Warehouse on this host (Yes, No) [Yes]:
  10. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  11. Enter を押して自動検出されたホスト名を受け入れるか、別のホスト名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of this server [autodetected host name]:
  12. Data Warehouse データベースに関する以下の質問に回答します。
    Where is the DWH database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the DWH to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create DWH database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
    Enter を押して提示されているデフォルト値を選択するか、別の回答を入力して Enter を押します。Remote を選択した場合には、リモートデータベースホストに関する情報を提供するように要求されます。
  13. Manager のデータベースマシンの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
    Engine database host []: engine-db-fqdn
    Engine database port [5432]: 
    Engine database secured connection (Yes, No) [No]: 
    Engine database name [engine]: 
    Engine database user [engine]: 
    Engine database password: password
  14. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:

手順5.8 ステップ 2: Manager のマシンへの Reports のインストールおよび設定

  1. rhevm-reports パッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-reports
  2. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Reports の設定を開始します。
    # engine-setup
  3. Enter を押して Reports を設定します。
    Configure Reports on this host (Yes, No) [Yes]:
    
  4. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  5. Reports データベースに関する以下の質問に回答します。
    Where is the Reports database located? (Local, Remote) [Local]: 
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the Reports to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create Reports database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
    Enter を押して提示されているデフォルト値を選択するか、別の回答を入力して Enter を押します。Remote を選択した場合には、リモートデータベースホストに関する情報を提供するように要求されます。
  6. Data Warehouse データベースのホストの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
    DWH database host []: dwh-db-fqdn
    DWH database port [5432]: 
    DWH database secured connection (Yes, No) [No]: 
    DWH database name [ovirt_engine_history]: 
    DWH database user [ovirt_engine_history]: 
    DWH database password: password
  7. Reports の管理ユーザー (admin および superuser) のパスワードを設定します。Reports のシステムは、Manager とは別の独自の認証情報を管理する点に注意してください。
    Reports power users password:
    確認のために、パスワードの再入力を求められます。
  8. 設定を有効にするには ovirt-engine サービスを再起動する必要があります。engine-setup コマンドは以下のプロンプトを表示します。
    During execution engine service will be stopped (OK, Cancel) [OK]:
    Enter を押して続行します。コマンドの後半に ovirt-engine サービスが再起動します。
  9. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:
次のステップ

http://demo.redhat.com/ovirt-engine-reports でレポートポータルにアクセスします。demo.redhat.com の箇所は、Manager の完全修飾ドメイン名に置き換えてください。Manager のインストール中にデフォルト以外の HTTP ポートを選択した場合は、URL に :port を追加します。:port を選択したポートに置き換えてください。

admin というユーザー名と Reports インストール時に設定したパスワードを使用してログインします。Red Hat Enterprise Virtualization Manager Reports への初回ログイン時には、Web ページが複数生成されるため、ログインの完了まで時間がかかる場合があります。

5.4. Data Warehouse と Reports を別のマシンに移行する方法

Data Warehouse サービス、Reports サービス、または両サービスを Red Hat Enterprise Virtualization Manager から別のマシンに移行します。Data Warehouse サービスと Reports サービスを別のマシン上でホストすると、各マシンの負荷が軽減され、他のプロセスとのCPU/メモリー共有により発生する可能性のある競合を回避することができます。
Data Warehouse サービスを移行して、既存の ovirt_engine_history データベースと接続します。あるいは、オプションで、ovirt_engine_history データベースを新規データベースマシンに移行してから、Data Warehouse サービスを移行します。ovirt_engine_history データベースが Manager でホストされている場合には、Data Warehouse サービスとこのデータベースを移行することで、Manager マシン上でのリソースの競合をさらに軽減することができます。また、Data Warehouse サービスの移行先と同じマシンにデータベースを移行することも、Manager マシンや新規の Data Warehouse サービスマシンとも別のマシンに移行することも可能です。

5.4.1. Data Warehouse の別のマシンへの移行

オプションで、ovirt_engine_history データベースを移行してから、Data Warehouse サービスを移行します。以下の手順では、データベースのバックアップを作成する pg_dump と、新規データベースマシンでバックアップを復元する psql を使用します。pg_dump コマンドは、データベースをバックアップ/復元するにあたり柔軟なオプションを提供します。お使いのシステムに適したオプションについての情報は、pg_dump のマニュアルページを参照してください。
以下の手順では、PostgreSQL データベースは新規マシンで設定済みであることが前提です。Data Warehouse サービスのみの移行については、「Data Warehouse サービスの別のマシンへの移行」を参照してください。

重要

既存の Data Warehouse データベースが既存の Reports サービスに接続されている場合には、engine-setup を実行して、プロンプトが表示されたら新規 Data Warehouse のデータベースの詳細を入力し、サービスの再設定を行う必要があります。再設定を行う場合には、Reports サービスは依然として以前のデータベースに接続され、新規データは受信されません。

手順5.9 Data Warehouse の別のマシンへの移行

  1. 既存のデータベースマシン上で、ovirt_engine_history データベースを SQL スクリプトファイルにダンプします。
    # pg_dump ovirt_engine_history > ovirt_engine_history.sql
  2. 既存のデータベースマシンから新規データベースマシンに、このスクリプトファイルをコピーします。
  3. 新規データベースマシン上で ovirt_engine_history データベースを復元します。
    # psql -d ovirt_engine_history -f ovirt_engine_history.sql
    上記のコマンドは、新規マシン上のデータベースの名前が ovirt_engine_history との前提で実行されています。

5.4.2. Data Warehouse サービスの別のマシンへの移行

Red Hat Enterprise Virtualization Manager 上にインストール/設定済みの Data Warehouse サービスを専用のホストマシンに移行します。別のマシン上で Data Warehouse サービスをホストすることで、Manager マシンの負荷を軽減することができます。以下の手順では、Data Warehouse サービスのみを移行する点に注意してください。Data Warehouse サービスの移行前に、Data Warehouse データベース (別称 ovirt_engine_history データベース) を移行する方法については、「Data Warehouse の別のマシンへの移行」を参照してください。
このシナリオでのインストール手順は、4 つの主要なステップで構成されます。
  1. 新規の Data Warehouse マシンを設定します。
  2. Manager マシンで Data Warehouse サービスを停止します。
  3. 新規の Data Warehouse マシンを構成します。
  4. Manager マシンから Data Warehouse パッケージを削除します。
前提条件

以下の前提条件が満たされていることを確認してください。

  1. Manager と Data Warehouse は同じマシン上にインストール/設定しておく必要があります。
  2. 新しい Data Warehouse のマシンを設定するには、以下が必要です。
    • Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 をインストール済みの仮想マシンまたは物理マシン
    • Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のエンタイトルメントプールのサブスクリプション
    • Manager の /etc/ovirt-engine/engine.conf.d/10-setup-database.conf ファイルに記載されているパスワード
    • Data Warehouse のマシンから Manager データベースのマシンの TCP ポート 5432 へのアクセスの許可
    • Manager の /etc/ovirt-engine-dwh/ovirt-engine-dwhd.conf.d/10-setup-database.conf ファイルからの ovirt_engine_history データベースの認証情報。「Data Warehouse の別のマシンへの移行」の手順に従って ovirt_engine_history データベースを移行した場合には、そのマシン上でデータベースの設定中に定義した認証情報を取得します。

手順5.10 手順 1: 新規 Data Warehouse マシンの設定

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
    # subscription-manager register
  2. Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールを見つけて、プール ID を書き留めておきます。
    # subscription-manager list --available
  3. 上記のステップで特定したプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=pool_id
  4. 既存のリポジトリーをすべて無効にします。
    # subscription-manager repos --disable=*
  5. 必要なチャンネルを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-supplementary-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms
    # subscription-manager repos --enable=jb-eap-6-for-rhel-6-server-rpms
  6. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
    # yum update
  7. rhevm-dwh-setup パッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-dwh-setup

手順5.11 ステップ 2: Manager マシン上での Data Warehouse の停止

  1. Data Warehouse サービスを停止します。
    # service ovirt-engine-dwhd stop
  2. ovirt_engine_history データベース、Manager データベース、または両データベースが Manager マシンでホストされており、以前のバージョン (Red Hat Enterprise Virtualization 3.4 以前) で設定された後にアップグレードされている場合には、新規 Data Warehouse マシンがこれらのデータベースにアクセスできるようにする必要があります。/var/lib/pgsql/data/postgresql.conf ファイルを編集して、以下のようになるように listen_addresses の行を変更します。
    listen_addresses = '*'
    この行が存在しない場合やコメントアウトされている場合には、手動で追加します。
    1 つまたは両データベースがリモートマシンでホストされている場合には、各マシンで postgres.conf ファイルを編集して、上記のように postgres.conf の行を追加し、手動でアクセスを許可する必要があります。両データベースが Manager マシンでホストされており、Red Hat Enterprise Virtualization Manager 3.5 の新規セットアップで設定された場合には、デフォルトでアクセスが許可されています。
  3. postgresql サービスを再起動します。
    # service postgresql restart

手順5.12 手順 3: 新規 Data Warehouse マシンの構成

  1. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Data Warehouse の設定を開始します。
    # engine-setup
  2. Enter を押して Data Warehouse を設定します。
    Configure Data Warehouse on this host (Yes, No) [Yes]:
  3. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  4. Enter を押して自動検出されたホスト名を受け入れるか、別のホスト名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of this server [autodetected host name]:
  5. ovirt_engine_history データベースの場所に関する以下の質問に回答します。
    Where is the DWH database located? (Local, Remote) [Local]: Remote
    上記のどちらかのオプションをタイプして Enter を押します。
  6. ovirt_engine_history データベースのホストの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
    DWH database host []: dwh-db-fqdn
    DWH database port [5432]: 
    DWH database secured connection (Yes, No) [No]: 
    DWH database name [ovirt_engine_history]: 
    DWH database user [ovirt_engine_history]: 
    DWH database password: password
  7. Manager のデータベースマシンの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
    Engine database host []: engine-db-fqdn
    Engine database port [5432]: 
    Engine database secured connection (Yes, No) [No]: 
    Engine database name [engine]: 
    Engine database user [engine]: 
    Engine database password: password
  8. Enter を押して既存の Data Warehouse データベースのバックアップを作成します。
    Would you like to backup the existing database before upgrading it? (Yes, No) [Yes]:
    データベースのバックアップに必要な時間と領域は、そのデータベースのサイズにより異なります。完了まで数時間かかる場合もあります。ここでデータベースのバックアップを行わず、何らかの理由で engine-setup が失敗した場合には、データベースまたはその中のデータを復元できません。バックアップファイルの場所は、設定スクリプトの最後に表示されます。
  9. Manager から既存の Data Warehouse サービスを完全に切断することを確定します。
    Do you want to permanently disconnect this DWH from the engine? (Yes, No) [No]:
  10. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:

手順5.13 手順 4: Manager マシンからの Data Warehouse パッケージの削除

  1. Data Warehouse パッケージを削除します。
    # yum remove rhevm-dwh
    この手順は、Data Warehouse サービスが自動的に 1 時間後に再起動を試みないようにします。
  2. Data Warehouse ファイルを削除します。
    # rm -rf /etc/ovirt-engine-dwh /var/lib/ovirt-engine-dwh
Data Warehouse サービスは、Manager がホストされているマシンとは別のマシンでホストされるようになりました。

5.4.3. 別のマシンへの Reports サービスの移行

Red Hat Enterprise Virtualization Manager 上にインストール/設定された Reports サービスを専用のホストマシンに移行します。別のマシンで Reports サービスをホストすることで、Manager マシン上の負荷を軽減することができます。以下の手順では、Reports サービスのみを移行する点に注意してください。Reports データベース (別称 ovirt_engine_reports データベース) は移行することができません。そのため、新規マシンで Reports を設定する際には、新しい ovirt_engine_reports データベースを作成する必要があります。保存したアドホックレポートは、Manager マシンから新規の Reports マシンに移行することができます。Manager と Data Warehouse を設定してからでないと、Reports サービスの移行はできません。
このシナリオでのインストール手順は、3 つの主要なステップで構成されます。
  1. 新規 Reports マシンを設定します。
  2. 保存してあるレポートを新規 Reports マシンに移行します。
  3. Manager マシンから Reports サービスを削除します。
前提条件

以下の前提条件が満たされていることを確認してください。

  1. Manager と Reports は同じマシン上にインストール/設定しておく必要があります。
  2. Manager マシンまたは別のマシンで、Data Warehouse のインストール/設定が完了している必要があります。
  3. 新規の Reports マシンを設定するには、以下が必要です。
    • Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 をインストール済みの仮想マシンまたは物理マシン
    • Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のエンタイトルメントプールのサブスクリプション
    • Data Warehouse のマシンの /etc/ovirt-engine-dwh/ovirt-engine-dwhd.conf.d/10-setup-database.conf ファイルに記載されているパスワード
    • Reports のマシンから Manager データベースのマシンの TCP ポート 5432 へのアクセスの許可

手順5.14 手順 1: 新規 Reports マシンの構成

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルのユーザー名とパスワードを入力します。
    # subscription-manager register
  2. Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールを見つけて、プール ID を書き留めておきます。
    # subscription-manager list --available
  3. 上記のステップで特定したプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=pool_id
  4. 既存のリポジトリーをすべて無効にします。
    # subscription-manager repos --disable=*
  5. 必要なチャンネルを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-supplementary-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevm-3.6-rpms
    # subscription-manager repos --enable=jb-eap-6-for-rhel-6-server-rpms
  6. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
    # yum update
  7. rhevm-reports-setup パッケージをインストールします。
    # yum install rhevm-reports-setup
  8. engine-setup コマンドを実行し、そのマシン上で Reports の設定を開始します。
    # engine-setup
  9. Enter を押して Reports を設定します。
    Configure Reports on this host (Yes, No) [Yes]:
    
  10. Enter を押してファイアウォールを自動設定するか、No と入力してから Enter を押して現在の設定を維持します。
    Setup can automatically configure the firewall on this system.
    Note: automatic configuration of the firewall may overwrite current settings.
    Do you want Setup to configure the firewall? (Yes, No) [Yes]:
    ファイアウォールの自動設定を選択した場合に、ファイアウォール管理機能がアクティブ化されていなければ、サポートされているオプションのリストから選択するファイアウォール管理機能を指定するように要求されるので、そのファイアウォール管理機能の名前を入力して Enter を押してください。この設定は、オプションが 1 つしかリストされていない場合でも適用されます。
  11. Enter を押して自動検出されたホスト名を受け入れるか、別のホスト名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of this server [autodetected host name]:
  12. Manager のマシンの完全修飾ドメイン名を入力して Enter を押します。
    Host fully qualified DNS name of the engine server []:
  13. ovirt_engine_reports データベースに関する以下の質問に回答します。Enter を押して、セットアップでローカルのデータベースを作成/設定できるようにします。
    Where is the Reports database located? (Local, Remote) [Local]:
    Setup can configure the local postgresql server automatically for the Reports to run. This may conflict with existing applications.
    Would you like Setup to automatically configure postgresql and create Reports database, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
  14. ovirt_engine_history データベースのホストの完全修飾ドメイン名とパスワードを入力します。Enter を押して各フィールドのデフォルト値を受け入れます。
    DWH database host []: dwh-db-fqdn
    DWH database port [5432]: 
    DWH database secured connection (Yes, No) [No]: 
    DWH database name [ovirt_engine_history]: 
    DWH database user [ovirt_engine_history]: 
    DWH database password: password
  15. Enter を押して、Manager で SSH を介して Reports と Apache の証明書に署名する設定を許可します。
    Setup will need to do some actions on the remote engine server. Either automatically, using ssh as root to access it, or you will be prompted to manually perform each such action.
    Please choose one of the following:
    1 - Access remote engine server using ssh as root
    2 - Perform each action manually, use files to copy content around
    (1, 2) [1]:
  16. Enter を押してデフォルトの SSH ポートを受け入れるか、別のポート番号を入力して Enter を押します。
    ssh port on remote engine server [22]:
  17. Manager のマシンの root パスワードを入力します。
    root password on remote engine server manager-fqdn.com:
  18. Enter を押して Apache 上での SSL の自動設定を許可します。
    Setup can configure apache to use SSL using a certificate issued from the internal CA.
    Do you wish Setup to configure that, or prefer to perform that manually? (Automatic, Manual) [Automatic]:
    
  19. Reports の管理ユーザー (admin および superuser) のパスワードを設定します。Reports のシステムは、Manager とは別の独自の認証情報を管理する点に注意してください。
    Reports power users password:
    確認のために、パスワードの再入力を求められます。
  20. インストールの設定を確認します。
    Please confirm installation settings (OK, Cancel) [OK]:

手順5.15 手順 2: 保存済みの Reports を新規 Reports マシンへ移行する手順

  1. Manager マシンで ovirt-engine-reports-tool コマンドを実行します。
    # ovirt-engine-reports-tool
  2. エクスポートオプションに該当する番号を入力して、Enter を押します。
    (2) Export Jasperreports saved reports to a zip file
    (1, 2, 3) []: 2
  3. 保存したレポートをエクスポートする ZIP ファイルの絶対パスを入力し、Enter を押します。
    /tmp/saved-reports.zip に保存したレポートをエクスポートするファイル名
  4. zip ファイルを新規 Reports マシンへコピーします。
    # scp /tmp/saved-reports.zip reports-machine-fqdn:/tmp/
  5. Reports のマシンで ovirt-engine-reports-tool コマンドを実行します。
    # ovirt-engine-reports-tool
  6. インポートオプションに該当する番号を入力して、Enter を押します。
    (3) Import a saved reports zip file to Jasperreports
    (1, 2, 3) []: 3
  7. インポートする ZIP ファイルの絶対パスを入力して、Enter を押します。
    /tmp/saved-reports.zip から保存したレポートをインポートするファイル名
コマンドが完了したら、保存したレポートが新しい Reports マシンのレポートポータルに表示されます。

手順5.16 手順 3: Manager マシンからの Reports サービスの削除

  1. Reports サービスを停止します。
    # service ovirt-engine-reportsd stop
  2. Reports パッケージを削除します。
    # yum remove rhevm-reports
  3. Reports ファイルを削除します。
    # rm -rf /etc/ovirt-engine-reports /var/lib/ovirt-engine-reports
  4. Reports のデータベースとユーザーを削除します。両方のデフォルト名は ovirt_engine_reports です。
    # su - postgres
    $ psql
    postgres=# drop database ovirt_engine_reports;
    postgres=# drop user ovirt_engine_reports;

注記

Reports インスタンスを複数、動作させるように設定して、以前のインスタンスへログインし、そのインスタンスからレポートを確認することができますが、Manager は、engine-setup を使用して最後に設定された Reports インスタンスとしか、直接接続できず、SSO も利用することができません。つまり、管理ポータルに含まれるのは、最新の Reports のインストールで設定されたダッシュボードだけで、直接リンクされているのは、最新の Reports インストレーションへのリンクのみです。

パート III. ハイパーバイザーホストのインストール

第6章 ハイパーバイザーホストについて

Red Hat Enterprise Virtualization は、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor と Red Hat Enterprise Linux ホストの 2 つのタイプのハイパーバイザーホストをサポートしています。Red Hat Enterprise Virtualization 環境では、要件に応じて 1 タイプのみまたは両方のタイプを使用することができます。

表6.1 ハイパーバイザーホスト

ホストタイプ別名説明
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor
RHEV-H、シンホスト
Red Hat Enterprise Linux をベースとする最小限のオペレーティングシステム。ISO ファイルとして配信される、クローズドシステムです。ファイルシステムへのアクセスと root アクセスは制限されており、yum は無効化されています。
Red Hat Enterprise Linux Host
RHEL ベースのハイパーバイザー、シックホスト
適切なチャンネルをサブスクライブする Red Hat Enterprise Linux ホストをハイパーバイザーホストとして使用することができます。このホストでは、オペレーティングシステムに完全にアクセスすることができます。

重要

Red Hat Enterprise Virtualization 環境には、少なくとも 2 台のハイパーバイザーホストをインストールしてアタッチすることを推奨します。仮想化ホストを 1 台しかアタッチしていない場合には、移行や高可用性などの機能を使用することができなくなります。

第7章 Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor

7.1. Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor のインストール

Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor は、Red Hat Enterprise Virtualization 環境でハイパーバイザーとして機能する物理マシンの簡単な設定方法を提供するために設計された、Red Hat Enterprise Linux をベースとする最小構成のオペレーティングシステムです。この最小構成のオペレーティングシステムには、マシンがハイパーバイザーとして機能するのに必要なパッケージのみが含まれており、マシンの設定や環境への追加用にシンプルなテキストユーザーインターフェースが備えられています。
作業を開始する前に、ホストが「ハイパーバイザーの要件」に記載のハードウェア要件を満たしているかどうかを確認してください。
物理マシンへの Red Hat Enterprise Virtualization Hypvervisor のインストールは、3 つの主要なステップで構成されます。
  • Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルを取得します。パッケージをインストールするか、カスタマーポータル からダウンロードしてください。
  • Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルを USB ストレージデバイス、CD、または DVD に書き込みます。
  • Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の最小構成のオペレーティングシステムをインストールします。

手順7.1 Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ディスクイメージをインストールします。

  1. パッケージをインストールして、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 6 または 7 の最新のディスクイメージを取得します。デフォルトでは、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ディスクイメージは /usr/share/rhev-hypervisor/ ディレクトリーに配置されます。または、カスタマーポータル からディスクイメージをダウンロードすることもできます。
    1. 必要なリポジトリーを有効にします。
      • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
        # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevh-rpms
      • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合
        # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rhevh-rpms
    2. RHEV-H パッケージをインストールします。
      • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
        # yum install rhev-hypervisor6
      • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合
        # yum install rhev-hypervisor7
  2. ディスクイメージをストレージデバイスに書き込みます。
    • livecd-tools パッケージをインストールして、ディスクイメージを USB ストレージデバイスに書き込みます。
      # yum install livecd-tools
      # livecd-iso-to-disk --format --reset-mbr /usr/share/rhev-hypervisor/rhev-hypervisor.iso /dev/[sdb]
    • wodim パッケージをインストールして、空の CD-ROM または DVD を挿入し、ディスクイメージをディスクに書き込みます。
      # yum install wodim
      wodim dev=[device] [image]

      注記

      ライターデバイスの名前を確認するには、以下のコマンドを実行します。
      # less /proc/sys/dev/cdrom/info

      例7.1 wodim ユーティリティーの使用

      以下の例では、利用可能な 1 番目の CD-RW (/dev/sr0) デバイスと、Hypervisor イメージのデフォルトの場所を使用しています。
      # wodim dev=/dev/sr0 /usr/share/rhev-hypervisor/rhev-hypervisor.iso
  3. 準備しておいたインストールメディアを使用して、Hypervisor の最小オペレーティングシステムのインストール先となるマシンを起動します。
  4. 起動メニューから Start RHEV Hypervisor を選択して Enter を押します。
    The boot splash screen counts down for 30 seconds before automatically booting the system.
  5. キーボードレイアウトを選択して Enter を押します。
  6. Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor のブートローダーのインストール先デバイスを選択します。
  7. Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor のインストール先デバイスを選択します。
  8. Fill disk with Data partition チェックボックスにチェックを入れます。このチェックボックスのチェックを外すと、ドライブの残りの容量を表示するフィールドが表示され、データストレージに割り当てる容量を指定することができます。
  9. Confirm disk selection の画面で Enter を押してブートデバイスとストレージデバイスの選択を確定するか、Back を選択して Enter を押し、選択項目を変更します。
  10. admin ユーザーのパスワードを設定して、そのパスワードを再確認し、Enter を押してインストールを開始します。

注記

起動メニューから、Tab キーを押してカーネルパラメーターを編集することもできます。カーネルパラメーターはスペースで区切る必要があります。指定したカーネルパラメーターを使用してシステムを起動するには、Enter キーを押します。カーネルパラメーターへの変更を消去し、起動メニューに戻るには、Esc キーを押します。
インストールが完了したら、マシンを再起動します。admin ユーザーとしてログインし、ネットワークオプションを編集します。次に、標準の Red Hat Enterprise Virtualization 環境に Hypervisor を追加するか、Hosted Engine の画面を使用してセルフホストエンジンの環境を設定します。

7.2. Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO への変更

7.2.1. Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO への変更について

Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor は、最小構成のクローズ型オペレーティングシステムとして設計されていますが、edit-node ツールを使用して Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルに変更を加え、特定の要件に対応することができます。このツールは、livecd ベースの ISO ファイルからファイルシステムを抽出して、イメージのさまざまな部分 (例: ユーザーパスワードや SSH キー、含まれているパッケージなどの) に変更を加えます。

重要

変更を加えた場合には、Hypervisor をアップグレードする前に Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルの新規バージョンに対して同じ変更を毎回繰り返す必要があります。

警告

edit-node ツールを使用して変更を加えた Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor に問題が発生した場合には、トラブルシューティングのプロセスの一環として、変更を加えていないバージョンで問題の再現性を確認する必要がある場合があります。

7.2.2. edit-node ツールのインストール

edit-node ツールは Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor リポジトリーで提供されている ovirt-node-tools パッケージに含まれています。

手順7.2 edit-node ツールのインストール

  1. Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルへの変更を行うシステムにログインします。
  2. 必要なリポジトリーを有効にします。
    • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
      # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhevh-rpms
    • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合
      # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rhevh-rpms
  3. ovirt-node-tools パッケージをインストールします。
    # yum install ovirt-node-tools
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルに変更を加えるのに必要な edit-node ツールのインストールが完了しました。次のセクションに進んで、ツールの使用方法を参照してください。

7.2.3. edit-node ツールの構文

edit-node ツールでは以下のような基本オプションを使用することができます。

edit-node ツールのオプション

--name=image_name
変更を加えるイメージの名前を指定します。
--output=directory
編集する ISO の保存先ディレクトリーを指定します。
--kickstart=kickstart_file
キックスタート設定ファイルのパスまたは URL と名前を指定します。
--script=script
イメージ内で実行するスクリプトのパスと名前を指定します。
--shell
イメージの編集に使用する対話型シェルを開きます。
--passwd=user,encrypted_password
指定の user のパスワードを定義します。このオプションは、MD5 で暗号化されたパスワードの値に対応しています。--password パラメーターを複数回指定して、複数のユーザーを変更することができます。ユーザーを指定しない場合は、デフォルトユーザーは admin です。
--sshkey=user,public_key_file
指定のユーザーの公開鍵を指定します。このオプションを複数回指定して、複数のユーザーの鍵を指定することができます。ユーザーが指定されていない場合は、デフォルトのユーザーは admin です。
--uidmod=user,uid
指定のユーザーのユーザー ID を指定します。このオプションを複数回指定して、複数のユーザーの ID を指定することができます。
--gidmod=group,gid
指定のグループのグループ ID を指定します。このオプションを複数回指定して、複数のグループの ID を指定することができます。
--tmpdir=temporary_directory
使用するローカルファイルシステムの一時ディレクトリーを指定します。デフォルトでは、この値は /var/tmp です。
--releasefile=release_file
ブランディングに使用するリリースファイルのパスと名前を指定します。
--builder=builder
リミックスのビルダーを指定します。
--install-plugin=plugin
イメージにインストールするプラグインの一覧を指定します。プラグイン名をコンマで区切ると、複数のプラグインを指定することができます。
--install=package
イメージにインストールするパッケージの一覧を指定します。パッケージ名をコンマで区切ると、複数のパッケージを指定することができます。
--install-kmod=package_name
yum リポジトリーまたは指定の .rpm ファイルから、指定のドライバー更新パッケージをインストールします。指定の .rpm ファイルは、ホワイトリストに登録された場所 (kmod 固有の領域) に配置されている場合にのみ有効です。
--repo=repository
--install-* オプションと共に使用する yum リポジトリーを指定します。指定できる値は、ローカルディレクトリー、yum リポジトリーファイル (.repo) またはドライバーディスク .iso ファイルのいずれかです。
--nogpgcheck
yum install の段階に GPG キーの認証を省略します。このオプションにより、署名されていないパッケージをインストールすることができます。

edit-node ツールのマニフェストオプション

--list-plugins
イメージに追加するプラグインの一覧を出力します。
--print-version
/etc/system-release から現在のバージョン情報を出力します。
--print-manifests
ISO ファイル内のマニフェストファイルの一覧を出力します。
--print-manifest=manifest
指定のマニフェストファイルを出力します。
--get-manifests=manifest
ISO ファイル内のマニフェストファイルの .tar ファイルを作成します。
--print-file-manifest
ISO ファイル上にある rootfs の内容を出力します。
--print-rpm-manifest
ISO ファイル上にある rootfs 内のインストール済みパッケージの一覧を出力します。

edit-node ツールのデバッグオプション

--debug
edit-node コマンドの実行時にデバッグ情報を出力します。
--verbose
edit-node コマンドの進捗状況に関する詳しい情報を出力します。
--logfile=logfile
デバッグ情報の出力先ファイルのパスと名前を指定します。

7.2.4. パッケージの追加と更新

edit-node ツールを使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルに新規パッケージを追加したり、既存のパッケージを更新したりすることができます。単一のパッケージを追加または更新するには、必要なパッケージおよびその依存関係用のリポジトリーとして機能するローカルのディレクトリーを設定するか、パッケージとその依存関係を提供する 1 つまたは複数のリポジトリーを定義するリポジトリー定義ファイルの場所に edit-node ツールをポイントする必要があります。複数のパッケージを追加または更新するには、パッケージとその依存関係を提供する 1 つまたは複数のリポジトリーを定義するリポジトリー定義ファイルの場所に edit-node ツールをポイントする必要があります。

注記

リポジトリー定義ファイルにローカルリポジトリーの定義を記載する場合には、そのリポジトリーのソースとして機能するディレクトリーは Web サーバーまたは FTP サーバーで公開する必要があります。たとえば、http://localhost/myrepo/ftp://localhost/myrepo/ のようなリンクでリポジトリーにアクセスが可能である必要があります。

重要

edit-node ツールは、SSL を使用するリポジトリーからはパッケージをダウンロードすることはできません。その代わりに各パッケージと依存関係を手動でダウンロードして、それらのパッケージを格納するローカルのリポジトリーを作成する必要があります。

7.2.4.1. ローカルリポジトリーの作成

Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルにパッケージを追加するには、ベースの Red Hat Enterprise Linux Workstation および Red Hat Enterprise Linux Server のリポジトリーで提供されている createrepo ツールを使用して、それらのパッケージをインストールするためのリポジトリーとして機能するディレクトリーを設定する必要があります。

手順7.3 ローカルリポジトリーの作成

  1. 以下のコマンドを実行して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルへの変更を行うシステムに createrepo パッケージと依存関係をインストールします。
    # yum install createrepo
  2. リポジトリーとして機能するディレクトリーを作成します。
    # mkdir exampleLocalrepo
  3. 新規作成したディレクトリーに必要なパッケージとその依存関係をすべてコピーします。
  4. そのディレクトリーがリポジトリーとして機能するように、メタデータファイルを設定します。
    # createrepo exampleLocalrepo
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルに必要なパッケージと依存関係をインストールするためのローカルリポジトリーの作成が完了しました。次のセクションに進み、パッケージを Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルに追加します。

7.2.4.2. 例: Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイル内のパッケージ追加

edit-node ツールを使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルにパッケージを追加します。この操作により、edit-node ツールを実行したディレクトリーに ISO ファイルのコピーが作成され、そのファイル名には、新規追加されたパッケージの名前が含まれます。
以下の例では、ローカルリポジトリーとして機能するように設定されたディレクトリーをパッケージのインストールソースに使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルに単一のパッケージを追加します。

例7.2 Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルへの単一のパッケージの追加

# edit-node --nogpgcheck --install package1 --repo exampleLocalrepo /usr/share/rhev-hypervisor/rhevh-latest-7.iso
パッケージ名のコンマ区切りリストを二重引用符で囲んで指定すると、複数のパッケージを追加することができます。以下の例では、ローカルリポジトリーとして機能するように設定されたディレクトリーをパッケージのインストールソースとして使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルに 2 つのパッケージを追加します。

例7.3 Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイルへの複数のパッケージの追加

# edit-node --nogpgcheck --install "package1,package2" --repo  exampleLocalrepo /usr/share/rhev-hypervisor/rhevh-latest-7.iso

7.2.4.3. 例: Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイル内のパッケージ更新

edit-node ツールを使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイル内の既存のパッケージを更新することができます。この操作により、edit-node ツールを実行したディレクトリーに ISO ファイルのコピーが作成され、そのファイル名には更新されたパッケージの名前が含まれます。
以下の例では、the Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor リポジトリーの情報が記載されたリポジトリーファイルを使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイル内の vdsm パッケージを更新します。

例7.4 Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイル内の単一のパッケージの更新

# edit-node --nogpgcheck --install vdsm --repo /etc/yum.repos.d/rhevh.repo /usr/share/rhev-hypervisor/rhevh-latest-7.iso
パッケージ名のコンマ区切りリストを二重引用符で囲んで指定すると、複数のパッケージを更新することができます。以下の例では、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor リポジトリーの情報が記載されたリポジトリーファイルを使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイル内の vdsm および libvirt のパッケージを更新します。

例7.5 Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイル内の複数のパッケージの更新

# edit-node --nogpgcheck --install "vdsm,libvirt" --repo /etc/yum.repos.d/rhevh.repo /usr/share/rhev-hypervisor/rhevh-latest-7.iso

7.2.5. ユーザーおよびグループのデフォルト ID の変更

7.2.5.1. 例: ユーザーのデフォルト ID の変更

edit-node ツールを使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイル内のユーザーのデフォルト ID を変更することができます。
以下の例では、ユーザーのデフォルト ID を user1 から 60 に変更します。

例7.6 単一のユーザーのデフォルト ID の変更

# edit-node --uidmod=user1,60
また、同じコマンドで --uidmod オプションを複数指定することにより、複数のユーザーのデフォルト ID を変更することができます。以下の例では、ユーザー user1 のデフォルト ID を 60 に、ユーザー user2 のデフォルト ID を 70 に変更します。

例7.7 複数のユーザーのデフォルト ID の変更

# edit-node --uidmod=user1,60 --uidmod=user2,70

7.2.5.2. 例: グループのデフォルト ID の変更

edit-node ツールを使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ISO ファイル内のグループのデフォルト ID を変更することができます。
以下の例では、グループのデフォルト ID を group1 から 60 に変更します。

例7.8 単一のグループのデフォルト ID の変更

# edit-node --gidmod=group1,60
また、同じコマンドで --gidmod オプションを複数指定することにより、複数のグループのデフォルト ID を変更することができます。以下の例では、グループ group1 のデフォルト ID を 60 に、グループ group2 のデフォルト ID を 70 に変更します。

例7.9 複数のグループのデフォルト ID の変更

# edit-node --gidmod=group1,60 --gidmod=group2,70

7.3. インストールメディアを準備するその他の方法

7.3.1. dd を使用した USB インストールメディアの作成

Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor のディスクイメージを USB ストレージデバイスに書き込むには、dd ユーティリティーを使用することもできます。dd ユーティリティーは、coreutils パッケージから入手でき、dd ユーティリティーのバージョンは、Linux や Unix オペレーティングシステムのさまざまなバージョンに対応しています。Windows ユーザーは Red Hat Cygwin (無料で使用できる Windows 向けの Linux ライクな環境) をインストールして dd ユーティリティーを使用できます。
dd ユーティリティーの基本構文は以下のとおりです。
# dd if=[image] of=[device]
[device] パラメーターは、ディスクイメージを書き込む USB ストレージイメージへのパスで、[image] パラメーターは、USB ストレージデバイスに書き込むディスクイメージのパスとファイル名を指定します。デフォルトでは、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ディスクイメージは rhev-hypervisor7 のインストール先のマシンの /usr/share/rhev-hypervisor/rhev-hypervisor.iso にあります。dd コマンドは、選択したイメージの RAW データを低レベルでコピーするため、デバイスの形式については想定しません。

7.3.2. Linux システムにおける dd を使用した USB インストールメディアの作成

dd ユーティリティーを使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ディスクイメージを USB ストレージデバイスに書き込むことができます。

手順7.4 Linux システムにおける dd を使用した USB インストールメディアの作成

  1. 以下のコマンドを実行して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ディスクイメージを最新の状態に更新します。
    • Red Hat Enterprise Linux 6 の場合
      # yum update rhev-hypervisor6
    • Red Hat Enterprise Linux 7 の場合
      # yum update rhev-hypervisor7
  2. dd ユーティリティーを使用してディスクイメージを USB ストレージデバイスに書き込みます。

    例7.10 dd の使用

    以下の例では、/dev/sdc という名前の USB ストレージデバイスを使用しています。
    # dd if=/usr/share/rhev-hypervisor/rhev-hypervisor.iso of=/dev/sdc
    243712+0 records in
    243712+0 records out
    124780544 bytes (125 MB) copied, 56.3009 s, 2.2 MB/s

    警告

    dd ユーティリティーは、of パラメーターで指定したデバイス上のデータをすべて上書きします。dd ユーティリティーの使用前に、正しいデバイスが指定され、デバイスに重要なデータが含まれていないことを確認します。

7.3.3. Windows システムにおける dd を使用した USB インストールメディアの作成

dd ユーティリティーを使用して、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ディスクイメージを USB ストレージデバイスに書き込むことができます。このユーティリティーを Windows で使用するには、Red Hat Cygwin をダウンロードし、インストールする必要があります。

手順7.5 Windows システムにおける dd を使用した USB インストールメディアの作成

  1. Web ブラウザーで http://www.redhat.com/services/custom/cygwin/ を開き、32-bit Cygwin をクリックして Red Hat Cygwin 32 ビット版をダウンロードするか、64-bit Cygwin をクリックして Red Hat Cygwin 64 ビット版をダウンロードします。
  2. 管理者権限を持つユーザーでダウンロードした exe ファイルを実行して、Red Hat Cygwin インストールプログラムを開きます。
  3. プロンプトに従って Red Hat Cygwin をインストールします。Base パッケージグループの Coreutils パッケージから dd ユーティリティーを入手できます。このパッケージは、インストールするよう自動的に選択されています。
  4. コンテンツ配信ネットワークからダウンロードした rhev-hypervisor.iso ファイルを C:\rhev-hypervisor.iso にコピーします。
  5. 管理者権限のあるユーザーで、デスクトップから Red Hat Cygwin アプリケーションを実行します。

    重要

    Windows 7 および Windows Server 2008 で、Red Hat Cygwin アイコンを右クリックして 管理者として実行 オプションを選択し、適切なパーミッションでアプリケーションを実行する必要があります。
  6. ターミナルで、以下のコマンドを実行して、現在システムで表示できるドライブやパーティションを確認します。
    $ cat /proc/partitions

    例7.11 システムに接続されたディスクパーティションの表示

    Administrator@test /
    $ cat /proc/partitions
    major minor  #blocks  name
        8     0  15728640 sda
        8     1    102400 sda1
        8     2  15624192 sda2
  7. Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ディスクイメージの書き込み先となる USB ストレージデバイスをシステムにアタッチします。再度、cat /proc/partitions コマンドを実行して、以前の出力と比較します。新しい出力では、USB ストレージデバイスが指定されています。

    例7.12 システムに接続されたディスクパーティションの表示

    Administrator@test /
    $ cat /proc/partitions
    major minor  #blocks  name
        8     0  15728640 sda
        8     1    102400 sda1
        8     2  15624192 sda2
        8    16    524288 sdb
  8. dd ユーティリティーを使用して rhev-hypervisor.iso ファイルを USB ストレージデバイスに書き込みます。以下の例では、/dev/sdb という名前の USB ストレージデバイスを使用します。ただし、sdb は使用する USB ストレージデバイスの正しいデバイス名で置き換えます。

    例7.13 Red Hat Cygwin での dd ユーティリティーの使用

    Administrator@test /
    $ dd if=/cygdrive/c/rhev-hypervisor.iso of=/dev/sdb& pid=$!

    警告

    dd ユーティリティーは、of パラメーターで指定したデバイス上のデータをすべて上書きします。dd ユーティリティーの使用前に、正しいデバイスが指定され、デバイスに重要なデータが含まれていないことを確認します。

    注記

    Red Hat Cygwin に含まれている dd ユーティリティーのバージョンで、USB ストレージデバイスにディスクイメージを書き込む場合は、他のプラットフォームよりもはるかに長い時間かかる可能性があります。以下のコマンドを実行して、この操作の進捗を確認することができます。
    $ kill -USR1 $pid

7.3.4. Hypervisor の CD/DVD インストールメディア作成

Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ディスクイメージは、wodim ユーティリティーを使用することで CD-ROM または DVD に書き込むことができます。wodim ユーティリティーは、wodim パッケージで提供されています。

手順7.6 Hypervisor の CD/DVD インストールメディア作成

  1. wodim パッケージと依存関係をインストールします。
    # yum install wodim
  2. CD/DVD ライターに、空の CD-ROM または DVD を挿入します。
  3. ディスクイメージをディスクに書き込みます。
    wodim dev=[device] [image]

    注記

    ライターデバイスの名前を確認するには、以下のコマンドを実行します。
    # less /proc/sys/dev/cdrom/info

    例7.14 wodim ユーティリティーの使用

    以下の例では、利用可能な最初の CD-RW (/dev/sr0) デバイスと、統合インストーラーディスクイメージの場所の例を使用します。
    # wodim dev=/dev/sr0 /usr/share/rhev-hypervisor/rhev-hypervisor.iso

重要

Hypervisor は、プログラム (isomd5sum) を使用して、Hypervisor の起動時に毎回インストールメディアの整合性を検証します。起動シーケンスでメディアエラーが報告される場合は、CD-ROM 自体が不良ということになります。上記の手順にしたがって CD-ROM または DVD を新規作成してください。
Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor ディスクイメージを CD-ROM または DVD に書き込みました。

7.4. Hypervisor の自動インストール (高度)

本セクションでは、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor のカーネルコマンドラインパラメーターについて説明します。これらのパラメーターを使用すると、インストールを自動化することができます。以下に詳しい解説と、自動インストール用のパラメーターストリング例を記載します。
このインストール方法は、対話型インストールの代わりとなる方法です。本章で説明する方法で PXE サーバーを使用したインストールを行う際には、設定を若干調整すると、手動でシステムにアクセスせずに複数の Hypervisor のデプロイメントを行うことができます。
これらのパラメーターがどのように機能し、どのような影響をもたらすか理解しておくことが重要です。システムが PXE を使用して自動的にブートするように設定されている場合に、これらのパラメーターによって既存のシステムのデータが削除される可能性があります。

7.4.1. カーネル引数の仕組み

以下は、RHEV Hypervisor 起動シーケンスについての説明です。自動インストールにともなう問題のデバッグに役立つ場合があります。
  1. ovirt-early サービスにより、/etc/default/ovirt ファイルのストレージ、ネットワーク、および管理パラメーターが設定されます。これらのパラメーターは、起動シーケンス中に Hypervisor に渡されるカーネル引数によって決定します。
  2. /etc/init.d/ovirt-firstboot スクリプトにより、カーネルコマンドラインまたは TUI インストールで設定したパラメーターに基づいて、実行するインストールのタイプが決定されます。

7.4.2. 必須パラメーター

インストールには、少なくとも以下のパラメーターが必要です。
  1. 以下のパラメーターのいずれか (実行するインストールまたは再インストールのタイプによって異なる)
    1. install: インストールを開始します (既存のインストールを検出した場合も含む)。
    2. reinstall: 現在のインストールを削除してクリーン再インストールを開始します。
    3. upgrade: 既存のインストールをアップグレードします。
  2. storage_init パラメーター: ローカルストレージデバイスを初期化します。
  3. BOOTIF: Hypervisor が Manager への接続に使用するネットワークインタフェースを指定します。PXE ブートを使用する場合には、pxelinux により BOOTIF が自動的に提供される可能性があります。
以降のセクションでは、これらのパラメーターの詳細について説明します。
Red Hat Enterprise Virtualization Manager で Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor を使用するには、以下のパラメーターを少なくとも 1 つ渡す必要があります。
adminpw
管理者権限でログインして Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor を設定することができます。
management_server
使用する Red Hat Enterprise Virtualization Manager を指定します。
rhevm_admin_password
Red Hat Enterprise Virtualization Manager でホストを追加するプロセスで使用するパスワードを指定します。

7.4.3. ストレージのパラメーター

以下のパラメーターにより、Hypervisor をインストールするためのローカルストレージデバイスが設定されます。
storage_init
storage_init パラメーターは、自動インストールに必要です。このパラメーターにより、ローカルストレージデバイスが初期化されます。
Hypervisor がローカルインストールで使用するストレージデバイスは 1 つです。初期化の対象およびインストール先となるディスクを定義する方法は複数あります。
  • USB ストレージデバイスの場合には、ディスクタイプに usb パラメーターを選択します。以下はその例です。
    storage_init=usb
  • SCSI ハードドライブの場合には、ディスクタイプに scsi パラメーターを使用します。以下はその例です。
    storage_init=scsi
  • SCSI バスにも表示される可能性のある SATA ハードドライブなど、ATA バス上のハードドライブには、ata パラメーターを使用してディスクタイプを選択します。以下はその例です。
    storage_init=ata
  • または、Linux デバイス名を storage_init パラメーターとして使用して、ストレージデーバイスを指定することもできます。/dev/disk/by-id 形式でのデバイス名の使用はサポートしていません。storage_init には、/dev/mapper/disk または /dev/disk の形式を使用する必要があります。以下の例では、/dev/sda デバイスを指定しています。
    storage_init=/dev/sda
storage_init の値を usbscsiata のいずれかに指定した場合には、シリアル番号を追加して使用するデバイスを明示的に設定することもできます。システムにアタッチされている全ディスクのシリアル番号を確認するには、以下の例のコマンドを実行します。

例7.15 udev シリアル番号の確認

$ for d in /dev/sd?; do echo $d `udevadm info -q env -n $d | egrep 'ID_BUS=|ID_SERIAL='`; done
      /dev/sda ID_SERIAL=ST9500325AS_6VE867X1
ストレージタイプとシリアル番号の両方を指定する場合には、この 2 つの値を必ずコロン (:) で区切るようにしてください。以下はその例です。
storage_init=ata:3600508b100104a3953545233304c0003

注記

システムの再起動後に、デバイス名が同じとなる保証はありません。デバイス名は変更される可能性があります。
storage_vol
storage_vol パラメーターは、storage_init パラメーターで設定されたストレージデバイスのパーティション分割に使用します。storage_vol= の後に、Boot、Swap、Root、Config、Logging、Data のパーティションのサイズ (MB) を指定することができます。
Boot パーティションは常に 50 MB、Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 7 の Root パーティションは常に8600 MB で、再設定はできません。その他のパーティションについては、以下で説明します。

storage_vol パラメーターで定義したパーティション

Swap
swap パーティションは、頻繁にアクセスされないメモリーページをハードドライブにスワッピングするのに使用します。これにより、RAM 内のメモリーページが解放され、より頻繁にアクセスされるページに使用されるようになり、パフォーマンスが向上します。swap パーティションのデフォルトサイズは、システムにインストールされている RAM の容量とオーバーコミット比 (デフォルトは 0.5) に基づいて計算されます。Hypervisor には、swap パーティションが 1 つ必要です。また、swap パーティションのサイズを 0 に設定して無効にすることはできません。swap パーティションの最小サイズは、8 MB です。
swap パーティションのサイズを確認する方法は https://access.redhat.com/ja/solutions/108483 を参照してください。
上記の Red Hat ナレッジベースソリューションの公式を使用し、オーバーコミット比に対応したストレージを追加してください (RAM × オーバーコミット比)。
推奨 swap + (RAM * オーバーコミット) = swap パーティションサイズ
値を空のままにした場合には、swap パーティションの推奨値が設定されます。
Config
config パーティションには、Hypervisor の設定ファイルが格納されます。config パーティションのデフォルト最小サイズは 8 MB です。
Logging
logging パーティションには Hypervisor の全ログが格納されます。logging パーティションには、最小で 2048 MB のストレージが必要です。ただし、リソースに余裕がある場合には、より大きなサイズのストレージを logging パーティションに割り当てることを推奨します。
Data
data パーティションは、KVM のコアファイルを格納するのに十分なサイズである必要があります。コアファイルは、ゲストの RAM サイズにより異なります。また、data パーティションは、カーネルダンプ (別名: kdump) のファイルを格納するのにも十分なサイズでなければなりません。通常、kdump ファイルは、ホストのシステム RAM と同じサイズです。data パーティションには、Hypervisor のアップグレード用の Hypervisor ISO ファイルも格納されます。
data パーティションには、最小でで 512 MB のストレージが必要です。推奨サイズ、少なくともホストシステムメモリーの 1.5 倍のサイズに 512 MB を加算した容量です。サイズの値を -1 に指定して残りの領域をすべて使用するように設定するか、0 に指定して無効に設定することができます。
パーティションは任意の順序で指定することができます。各パーティションは、size,type という構文で指定します。指定するパーティションは、コロン (:) で区切ってください。256 MB の Swap パーティションと 4096 MB の Logging パーティションを指定する場合には、完全なパラメーターは storage_vol=256,Swap:4096,Logging です。

注記

以前のパーティションサイズの指定方法は、現在も使用することができます。この方法では、パーティションのサイズは、以下のような特定の順序で指定する必要がありました。
storage_vol=BOOT:SWAP:ROOT:CONFIG:LOGGING:DATA
ただし、Boot、Root パーティションの再設定はできないので、それらのパーティションのサイズは省略可能です。以下はその例です。
storage_vol=:SWAP::CONFIG:LOGGING:DATA
サイズの指定がない場合は、パーティションはデフォルトのサイズで作成されます。256 MB の Swap パーティション、4096 MB の Logging パーティションを指定するには、以下が正しい構文となります。
storage_vol=:256:::4096:
storage_vol パラメーターの標準の形式は以下のとおりです。
storage_vol=256,EFI:256,Root:4096,Swap
iscsi_name
iscsi_name パラメーターは、iSCSI イニシエーター名を設定するのに使用します。iSCSI イニシエーター名は、iSCSI Qualified Name (IQN) の形式を取ります。この形式は、RFC 3720 で定義されており、http://tools.ietf.org/html/rfc3720 で入手することができます。
IQN は、以下の要素で構成され、「.」の文字で区切られます。
  • リテラル文字列 iqn
  • ドメインが命名機関の管理下に置かれた日付 (yyyy-mm 形式)
  • 逆順ドメイン名: demo.redhat.comcom.redhat.demo となる
  • オプションとして、命名機関によって指定されたストレージターゲット名: 先頭にコロンが付く

例7.16 iscsi_name

以下の例は、2011年 7 月作成の demo.redhat.com ドメインにアタッチされた iSCSI イニシエーターの IQN を示しています。
iscsi_name=iqn.2011-07.com.redhat.demo

7.4.4. ネットワークのパラメーター

複数のネットワークのオプションが利用可能です。Hypervisor を自動インストールするには、以下のパラメーターを追加する必要があります。
  • IP アドレスまたは DHCP の設定
  • DHCP でホスト名が解決されない場合のホスト名の設定
  • Red Hat Enterprise Virtualization Manager ネットワークのアタッチ先のインターフェース
以下の一覧には、任意および必須の両パラメーターの説明と使用例をまとめています。

ネットワークのパラメーター

BOOTIF
BOOTIF パラメーターは、自動インストールに必要です。
BOOTIF パラメーターにより、Hypervisor が Red Hat Enterprise Virtualization Manager への接続に使用するネットワークインタフェースが指定されます。

重要

PXE を使用して Hypervisor を起動し、IPAPPEND 2 ディレクティブを使用したインストールを行うと、BOOTIF=<MAC> がカーネル引数に自動的に追加されます。IPAPPEND 2 ディレクティブを使用する場合には、BOOTIF パラメーターを使用する必要はありません。
BOOTIF パラメーターは、以下の 3 つのいずれかの形式で引数を取ります。
link
アクティブなリンクが 1 つある 第 1 のインタフェース (カーネルにより列挙される) を使用する場合に指定します。これは、複数のネットワークインタフェースコントローラーがありながらも、1 つしかプラグインできないシステムに有用です。
eth#
カーネルドライバーの初期化順序により決定された NIC を使用する場合に指定します (#NIC の番号)。この番号を確認するには、Hypervisor を起動して Hypervisor Configuration Menu から Shell を選択し、ifconfig | grep eth* のコマンドを使用して、システムに接続されたネットワークインターフェースを一覧表示します。次回の起動時には、そのネットワークインターフェースに同じ eth# マッピングが適用される保証はありません。
BOOTIF=eth0
<MAC>
括弧内に明示的に定義された MAC アドレスを使用する場合に指定します。
ip
ip パラメーターは、BOOTIF パラメーターにより定義されるネットワークインタフェースコントローラーの IP アドレスを設定します。ip パラメーターには、IP アドレス (0.0.0.0の形式)、または dhcp を使用することができます。
ip=192.168.1.1
ip=dhcp
ipv6
ipv6 パラメーターは、ip パラメーターのエイリアスです。指定可能な値は、dhcp または auto です。
netmask
netmask パラメーターは、ip パラメーターにより定義される IP アドレスのサブネットマスクを設定します。
netmask=255.255.255.0
gateway
gateway パラメーターは、インターネットゲートウェイを設定します。
gateway=192.168.1.246
dns
dns パラメーターは、最大 2 台の DNS サーバーのアドレスを設定します。各 DNS サーバーのアドレスは、コンマで区切る必要があります。
dns=192.168.1.243,192.168.1.244
hostname
hostname パラメーターは、ホスト名を設定します。ホスト名は、完全修飾ドメイン名かつ解決可能なドメイン名でなければなりません。
hostname=rhev1.example.com
ntp
ntp パラメーターは、1 台または複数の Network Time Protocol (NTP) サーバーのアドレスを設定します。各 NTP サーバーのアドレスをコンマで区切る必要があります。
ntp=192.168.2.253,192.168.2.254
vlan
vlan パラメーターは、Red Hat Enterprise Virtualization Manager に接続されるネットワークの VLAN 識別子を設定します。VLAN を使用する場合は、このパラメーターを設定する必要があります。
vlan=vlan-id:
vlan=36:
bond
bond パラメーターにより、ボンディングが設定されます。各インターフェース名をコンマで区切る必要があります。
BOOTIF=bond01 bond=bond01:nic1,nic2

7.4.5. Red Hat Network (RHN) のパラメーター

以下のパラメーターは、Hypervisor ホストを Red Hat Network (RHN) に自動的に登録する場合に使用します。少なくとも rhn_activationkey を指定するか、rhn_usernamerhn_password の両方のパラメーターを指定する必要があります。Satellite サーバーに対して登録する場合には、rhn_url パラメーターを必ず指定してください。
rhn_type
このマシンの RHN エンタイトルメントメソッドを設定します。sam を指定すると、エンタイトルメントメソッドは、証明書ベースの RHN に設定され、カスタマーポータル、コンテンツ配信ネットワーク、およびサブスクリプションサービス (サブスクリプション管理) が統合されます。classic を指定すると、エンタイトルメントメソッドは RHN クラシックに設定され、従来のチャンネルエンタイトルメントモデル (チャンネルアクセス) を使用することでコンテンツアクセスのグローバルビューが提供されますが、システムレベルのサブスクリプション使用状況についてのインサイトは提供されません。デフォルト値は sam です。
rhn_username
rhn_username パラメーターは、RHN に接続する際に使用するユーザー名を設定します。
rhn_username=testuser
rhn_password
rhn_password パラメーターは、RHN に接続する際に使用するパスワードを設定します。
rhn_password=testpassword
rhn_activationkey
rhn_activationkey パラメーターは、RHN に接続する際に使用するアクティベーションキーを設定します。アクティベーションキーを使用すると、システムの登録、RHN サービスレベルへのシステムのエンタイトルメント取得、特定のチャンネルやシステムグループへのシステムのサブスクリプションをすべて 1 回の操作で行うことができます。rhn_activationkeyrhn_username の両方を提供した場合には、rhn_activationkey の値が使用されます。
rhn_activationkey=7202f3b7d218cf59b764f9f6e9fa281b
rhn_org
このパラメーターは、SAM のみに使用します。カーネルコマンドラインで rhn_activationkey とともに使用すると、--org org_name --activationkey key_value と同じようにシステムが SAM に登録されます。
rhn_org=org_name
rhn_url
rhn_url パラメーターは、ホストを登録する際に使用する Satellite Server の URL を設定します。
rhn_url=https://satellite.example.com
rhn_ca_cert
rhn_ca_cert パラメーターは、Satellite Server に接続する際に使用する CA 証明書の URL を設定します。この値を指定しない場合のデフォルト値は rhn_url/pub/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT です。
rhn_ca_cert=https://satellite.example.com/pub/RHN-ORG-TRUSTED-SSL-CERT
rhn_profile
rhn_profile パラメーターは、RHN に登録される、対象となるホストのプロファイル名を設定します。デフォルト値はシステムのホスト名です。
rhn_profile=testhost

7.4.6. 認証パラメーター

adminpw
adminpw パラメーターは、admin ユーザーのパスワード設定に使用します。指定する値は、ハッシュ化済みである必要があります。シャドウパスワードメカニズムが対応しているハッシュスキームは、すべてサポートされています。パスワードをこのパラメーターで使用できるようにハッシュ化するには、以下のコマンドを実行することを推奨します。
# openssl passwd -1
openssl コマンドは、使用するパスワードの入力を求めるプロンプトを表示します。パスワードのハッシュ表現が返されるので、それを adminpw の値に使用することができます。
rootpw
rootpw パラメーターは、一時的な root パスワードを設定するのに使用します。初めて root でシステムにログオンする際に、パスワードを変更する必要があります。指定する値はハッシュ化を済ませておく必要があります。シャドウパスワードメカニズムでサポートされているハッシュスキームはすべてサポートしています。以下のコマンドを実行することが、このパラメーターと合わせて使用できるようにパスワードをハッシュ化するための推奨の方法です。
# openssl passwd -1
openssl コマンドを実行すると、使用するパスワードの入力が求められ、rootpw の値に使用することができるパスワードのハッシュ表現が返されます。

重要

root パスワードは、デフォルトでは設定されません。また、Red Hat サポートの依頼で有効にした場合を除き、このパスワードはサポートされてません。
rhevm_admin_password
rhevm_admin_password パラメーターは、root パスワードを設定し、SSH パスワード認証を有効化します。指定する値は、ハッシュ化が済んでいる必要があります。シャドウパスワードメカニズムでサポートされているハッシュスキームはすべてサポートしています。以下のコマンドを実行することが、このパラメーターと合わせて使用できるようにパスワードをハッシュ化するための推奨の方法です。
# openssl passwd -1
openssl コマンドを実行すると、使用するパスワードの入力が求められ、rhevm_admin_password の値に使用することができるパスワードのハッシュ表現が返されます。

重要

このパラメーターを設定すると、SSH パスワード認証が有効化されてしまいます。これは、Red Hat サポートの依頼で有効にした場合を除き、サポートされません。初期設定がの完了後に、SSH パスワード認証を無効にすることを推奨します。
ssh_pwauth
ssh_pwauth パラメーターは、SSH 接続でのパスワード認証を有効化するかどうかを選択するのに指定します。許容される値は、0 (無効) および 1 (有効) です。デフォルト値は 0 です。
ssh_pwauth=1

重要

SSH パスワード認証は、デフォルトでは無効になっており、Red Hat サポートの依頼で有効にした場合を除きサポートされません。

7.4.7. その他のパラメーター

firstboot
firstboot パラメーターは、既存のインストールが存在しないものとしてシステムを扱うように指定します。
reinstall パラメーターは、firstboot パラメーターの直接のエイリアスで、firstboot と同様に使用することができます。

警告

システム上のディスクに HostVG という名前のボリュームグループがある場合には、firstboot パラメーターを使用すると、既存のデータが消去されます。firstboot パラメーターを storage_init パラメーターとともに使用した場合にも、storage_init で指定されているディスク上のデータは消去されます。
install
install パラメーターは、既存のインストールが存在しないものとしてシステムを扱う必要がある場合に指定します。install パラメーターは、CD-ROMDVDUSBPXE のいずれかのメディアから起動する際に使用することを目的としています。
cim_enabled
Common Information Model (CIM) 管理インフラストラクチャーの使用を有効にします。
cim_passwd
Common Information Model (CIM) 管理インフラストラクチャーのパスワードを設定します。
disable_aes_ni
AES-NI 暗号化の命令セットを無効にします。許容される値は y または n です。
kdump_nfs
このパラメーターは、kdump 用の NFS サーバーを設定します。このパラメーターの構文は、kdump_nfs=hostname:nfs_share_path です (例: kdump_nfs=nfshost.redhat.com:/path/to/nfs/share)。
local_boot
local_boot パラメーターは、upgrade パラメーターのエイリアスです。
local_boot_trigger
インストールが正常に完了した場合に PXE を確認して無効化するためのターゲット URL を設定し、それ以降はシステムがディスクから起動するようにします。
netconsole
netconsole パラメーターは、カーネルメッセージをロギングする必要のあるサーバーのアドレスを設定します。netconsole パラメーターは、 IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名を指定することができます。またオプションでポート (デフォルトのポートは 6666) を指定可能です。
netconsole=rhev.example.com:6666
nfsv4_domain
nfsv4_domain パラメーターは、NFSv4 に使用するドメインを指定します。
nocheck
nocheck パラメーターにより、インストール ISO の MD5 チェックがスキップされます。メディアがリモートに配置されている場合や低速の場合には、MD5 チェックに長時間を要する可能性があります。
management_server
management_server パラメーターは、Red Hat Enterprise Virtualization Manager のアドレスを設定します。management_server パラメーターは IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名を指定できます。またオプションでポート (デフォルトのポートは 443) の指定も可能です。
management_server=rhev.example.com:443
mem_overcommit
mem_overcommit パラメーターは、メモリーオーバーコミットをサポートするために、swap の追加に使用する乗数を指定します。デフォルトのオーバーコミット値は 0.5 です。
mem_overcommit=0.7
qemu_pxe
qemu_pxe パラメーターは、仮想マシンで使用するネットワークブートローダーの選択に使用します。指定可能な値は、gpxe および etherboot です。
qemu_pxe=gpxe
reinstall
reinstall パラメーターは、既存のインストールが存在しないものとしてシステムを扱うように指定します。
firstboot パラメーターは、reinstall パラメーターの直接のエイリアスで、reinstall と同様に使用することができます。

警告

システム上のディスクに HostVG という名前のボリュームグループがある場合には、reinstall パラメーターを使用すると、既存のデータが消去されます。reinstall パラメーターを storage_init パラメーターとともに使用した場合にも、storage_init で指定されているディスク上のデータは消去されます。
snmp_password
Simple Network Management Protocol のパスワードを有効化し、設定します。
syslog
rsyslog サーバーを指定のアドレスに設定します。また、ポートを指定することもできます。構文は syslog=hostname[:port] です。
upgrade
upgrade パラメーターにより、既存の Hypervisor イメージが起動メディアによって提供されるバージョンにアップグレードされます。Hypervisor は自動的にアップグレードされ、アップグレードが完了するとリブートします。Hypervisor イメージが未インストールの場合には、storage_init パラメーターで選択したデバイスにイメージがインストールされます。アップグレードの実行時には、以前のブートエントリーは BACKUP として grub.conf に保存されます。アップグレードの手順の後にリブートが失敗した場合は、BACKUP ブートエントリーが新しいデフォルトとして自動的に選択されます。
uninstall
uninstall パラメーターは、既存の Red Hat Enterprise Virtualization インストールを削除します。ホストのボリュームグループが削除され、システムが再起動します。

7.4.8. Hypervisor の自動インストールの例

この例では、Hypervisor の自動インストールのためのカーネルコマンドラインパラメーターを使用しています。

重要

この例は、すべてのシステムで正しく機能しない可能性があります。上記のパラメーターの説明を確認して、デプロイメントを行うシステムに応じて、例を変更する必要があります。
カーネルコマンドパラメーターを使用した Hypervisor のインストールの一般的な例は以下のとおりです。
この例では、Manager は hostname: rhevm.example.com にあり、netconsole サーバーは同じマシン上に配置されています。
:linux storage_init=/dev/sda storage_vol=::::: local_boot BOOTIF=eth0 management_server=rhevm.example.com netconsole=rhevm.example.com

注記

PXE を使用するネットワーク上でブートするゲストには、カーネルパラメーターを自動的に追加することができます。本ガイドでは、PXE からの自動インストールについては、説明していません。

7.5. Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の設定

7.5.1. Hypervisor 上でのネットワーク設定

Network 画面で、Hypervisor のホスト名や Hypervisor が使用する DNS サーバー、NTP サーバー、ネットワークインターフェースを設定します。
<Ping>: ping を送信するアドレスとそのアドレスへの ping の送信回数を指定し、任意の IP アドレスに ping することができます。
<Create Bond>: ネットワークインターフェース間のボンドを作成することができます。

手順7.7 ホスト名、DNS、NTP の設定

  1. テキストユーザーインターフェースで Network の画面を選択して右矢印キーを押し、Hostname フィールドに新規ホスト名を入力します。
  2. DNS Server 1 フィールドを選択して、プライマリー DNS サーバーの IP アドレスを入力します。オプションで、セカンダリー DNS サーバーを設定します。
  3. NTP Server 1 フィールドを選択して、プライマリー NTP サーバーの IP アドレスまたはホスト名を入力します。オプションで、セカンダリー NTP サーバーを設定します。
  4. <Save> を選択し、Enter を押して変更を保存します。ネットワークインターフェースの編集に進む前に、保存しておく必要があります。
Hypervisor にアタッチされたネットワークインターフェースカードは、最初はすべて未設定の状態です。Red Hat Enterprise Virtualization 環境に接続するには、ネットワークインターフェースを少なくとも 1 つ設定する必要があります。

手順7.8 ネットワークインターフェースの設定

  1. Available System NICs の一覧からネットワークインターフェースを 1 つ選択し、Enter を押してネットワークインターフェースを設定します。

    注記

    選択したネットワークインターフェースに関連付けられている物理ネットワークインターフェースカードを特定するには、<Flash Lights to Identify> を選択して Enter を押します。
  2. IPv4 または IPv6 を設定するように選択します。
    • IPv4 には、動的または静的な IP アドレスを設定します。
      • 動的 IP アドレスを設定するには、IPv4 Settings の下にある DHCP を選択し、Space キーを押します。
      • 静的 IP アドレスを設定するには、IPv4 Settings の下にある Static を選択し、Space キーを押してから、Hypervisor が使用する IP AddressNetmask、および Gateway を入力します。

        例7.17 静的な IPv4 ネットワークの設定

        IPv4 Settings
        ( ) Disabled     ( ) DHCP     (*) Static
        IP Address: 192.168.122.100_  Netmask: 255.255.255.0___
        Gateway     192.168.1.1_____
    • IPv6 にはステートレス、動的、または静的な IP アドレスを設定します。
      • ステートレスの自動設定を設定するには、IPv6 Settings の下にある Auto を選択し、Space キーを押します。
      • 動的 IP アドレスを設定するには、IPv6 Settings の下にある DHCP を選択し、Space キーを押します。
      • 静的 IP アドレスを設定するには、IPv6 Settings の下にある Static を選択し、Space キーを押してから、Hypervisor が使用する IP AddressPrefix Length、および Gateway を入力します。

        例7.18 静的な IPv6 ネットワークの設定

        IPv6 Settings
        ( ) Disabled     ( ) Auto     ( ) DHCP     (*) Static
        IP Address: 2001:db8:1::ab9:C0A8:103_  Prefix Length: 64______
        Gateway     2001:db8:1::ab9:1________
  3. VLAN ID フィールドに VLAN 識別子を入力して、デバイスの VLAN を設定します。
  4. <Save> ボタンを選択し、Enter を押してネットワーク設定を保存します。

7.5.2. リモートストレージの設定

Remote Storage 画面で、ストレージとして使用するリモートの iSCSI イニシエーターまたは NFS 共有を指定します。

手順7.9 リモートストレージの設定

  1. iSCSI Initiator Name フィールドにイニシエーター名を入力するか、NFSv4 Domain (example.redhat.com) フィールドに NFS 共有へのパスを入力します。

    例7.19 iSCSI イニシエーター名

    iSCSI Initiator Name:
    iqn.1994-05.com.redhat:5189835eeb40_____

    例7.20 NFS パス

    NFSv4 Domain (example.redhat.com):
    example.redhat.com_____________________
  2. <Save> を選択して Enter を押します。

7.5.3. Red Hat Enterprise Virtualization Manager への Hypervisor の接続

Manager のアドレスが分かっている場合は、Red Hat Enterprise Virtualization Manager に Hypervisor を即時にアタッチすることができます。Manager がまだインストールされていない場合は、代わりにパスワードを設定する必要があります。パスワードを設定しておくことで、Manager がインストールされると、管理ポータルから Hypervisor を追加することができます。Hypervisor のユーザーインターフェース内の oVirt Engine 画面から、設定モードの両方に対応しています。なお、管理ポータルから Hypervisor を追加するオプションを推奨します。

重要

RHEV-M 設定画面でパスワードを設定すると、Hypervisor の root パスワードが設定され、SSH パスワード認証が有効になります。Hypervisor が問題なく Manager に追加されると、SSH パスワード認証を無効にすることを推奨します。

重要

Hypervisor がボンディングまたはブリッジデバイスを使用するように設定する場合は、セットアップ時に Manager に登録するのではなく、Red Hat Enterprise Virtualization Manager から手動で追加して、予期しないエラーが発生しないようにしてください。

手順7.10 Hypervisor 管理サーバーの設定

    • Manager のアドレスを使用して Hypervisor の管理サーバーを設定します。
      1. Management Server フィールドに、Manager の IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名を入力します。
      2. Management Server Port フィールドには、管理サーバーのポートを入力します。デフォルト値は 443 です。Red Hat Enterprise Virtualization Manager のインストール中に別のポートを選択した場合には、デフォルト値の代わりに、このフィールドで指定する必要があります。
      3. PasswordConfirm Password のフィールドは空白のままにします。管理サーバーのアドレスが分かっている場合には、これらのフィールドへの入力の必要はありません。
      4. <Save & Register> を選択して Enter を押します。
      数分後には、管理ポータルの ホスト タブに Hypervisor が表示されます。Red Hat Enterprise Virtualization 環境で Hypervisor を使用するためには承認する必要があります。詳しくは 「登録したハイパーバイザーの承認」 を参照してください。
    • パスワードを使用して Hypervisor の管理サーバーを設定します。
      1. Password フィールドにパスワードを入力します。Hypervisor は脆弱なパスワードも受け入れますが、強力なパスワードを使用することをお勧めします。強力なパスワードは、6 文字以上の大文字、小文字、数字、句読文字を組み合わせて作成し、辞書に載っている単語は使用しないでください。
      2. Confirm Password フィールドにパスワードを再入力します。
      3. Management ServerManagement Server Port フィールドは空のままにします。パスワードが設定されている限り、Hypervisor を後で Manager に追加できるため、これらのフィールドは必須ではありません。
      4. <Save & Register> を選択して Enter を押します。
      パスワードを設定した後には、管理ポータルから Hypervisor を手動で追加します。詳しくは、「管理ポータルからハイパーバイザーを手動で追加する方法」 を参照してください。

7.5.4. Hypervisor の登録

Hypervisor を登録する必要があるのは、Hypervisor 上で実行されるゲストが Red Hat Enterprise Linux の仮想化エンタイトルメントを使用する可能性がある場合のみです。また Hypervisor は、プロキシーサーバー経由でこれらのサービスに接続することもできます。
Hypervisor のイメージ自体の更新を取得するには、Hypervisor の登録は必要ありません。新しいバージョンの Hypervisor のイメージは、Red Hat Enterprise Virtualization Manager 経由で入手できます。

手順7.11 Hypervisor の登録

  1. Login フィールドにカスタマーポータルのユーザー名を入力します。
  2. Password フィールドにカスタマーポータルのパスワードを入力します。
  3. Profile Name (オプション) フィールドに、システムに使用するプロファイル名を入力します。カスタマーポータルで確認すると、この名前でシステムが表示されます。
  4. Hypervisor を登録する方法を選択します。
    • Red Hat コンテンツ配信ネットワーク

      1. RHN オプションを選択して、Space キーを押します。
      2. URL および CA URL フィールドに値を入力する必要があります。
      3. オプションで、Organization フィールドに組織名を入力します。

      例7.21 Red Hat Network の設定

      (X) RHN     ( ) Satellite     ( ) SAM
      URL:          _________________________________________________________
      CA URL:       _________________________________________________________
      Organization: Your_Organization________________________________________
    • Satellite

      1. Satellite オプションを選択して Space キーを押します。
      2. URL フィールドに Satellite サーバーの URL を入力します。
      3. CA URL フィールドには、Satellite サーバーの認証局の URL を入力します。
      4. Organization フィールドに組織名を入力します。

      例7.22 Satellite の設定

      ( ) RHN     (X) Satellite     ( ) SAM
      RHN URL:      https://your-sat.example.com_____________________________
      CA URL:       http://your-sat.example.com/pub/candlepin-local.pem
      Organization: Your_Organization________________________________________
    • Subscription Asset Manager

      1. Subscription Asset Manager オプションを選択してSpace キーを押します。
      2. URL フィールドに Subscription Asset Manager サーバーの URL を入力します。
      3. CA URL フィールドには、Subscription Asset Manager サーバーの認証局の URL を入力します。
      4. オプションで、Organization フィールドに組織名を入力します。

      例7.23 Subscription Asset Manager の設定

      ( ) RHN     ( ) Satellite     (X) SAM
      URL:          https://your-sam.example.com_____________________________
      CA URL:       http://your-sam.example.com/sam/candlepin-local.pem
      Organization: Your_Organization________________________________________
  5. プロキシーサーバーを使用している場合は、プロキシーサーバーの詳細も指定する必要があります。
    1. Server フィールドにプロキシーサーバーの IP アドレスか、完全修飾ドメイン名を入力します。
    2. Port フィールドには、プロキシーサーバーに接続を試行するポートを入力します。
    3. Username フィールドには、プロキシーサーバーに接続を試行するユーザー名を入力します。
    4. Password フィールドには、上記で指定したユーザー名を認証するためのパスワードを入力します。
  6. <Save> を選択して Enter を押します。

7.5.5. 管理ユーザーのパスワードの変更およびその他のセキュリティー関連タスク

Hypervisor では、SSH パスワード認証、AES-NI 暗号化、admin ユーザーのパスワードなど、セキュリティー関連のオプションを設定できます。

手順7.12 セキュリティー関連タスクの設定

  1. SSH 認証を有効にするには、Enable SSH password authentication オプションを選択し、Space キーを押します。SSH 認証は、RHEV-M の画面でも有効にすることができます。この機能が必要ない場合には、オプションを無効のままにしてください。
  2. AES-NI 暗号化はデフォルトで有効化されます。
    • 無効にする必要がある場合には、Disable AES-NI オプションを選択して Space キーを押してください。
    • AES-NI 暗号化を有効にしている場合には、オプションとして、AES-NI 暗号化でブロックをパディングするバイト数を入力することができます。
  3. PasswordConfirm Password フィールドに admin ユーザーの新規パスワードを入力して、Hypervisor コンソールのログインに使用するパスワードを変更します。
  4. <Save> を選択して Enter を押します。

7.5.6. Hypervisor のキーボードレイアウトの変更

Keyboard 画面では、Hypervisor コンソール内で使用するキーボードレイアウトを設定できます。

手順7.13 Hypervisor のキーボードレイアウトの設定

  1. 表示された一覧からキーボードレイアウトを選択します。
    Keyboard Layout Selection
    	
    Choose the Keyboard Layout you would like to apply to this system.
    
    Current Active Keyboard Layout: U.S. English
    Available Keyboard Layouts
    Swiss German (latin1)
    Turkish
    U.S. English
    U.S. International
    Ukranian
    ...
    
    <Save>
  2. <Save> を選択し、Enter を押して選択した設定を保存します。

7.5.7. Hypervisor における SNMP エージェントの有効化

SNMP 画面では、SNMP (Simple Network Management Protocol) の有効化、設定が可能です。
Enable SNMP       [ ]

SNMP Password
Password:          _______________
Confirm Password:  _______________


<Save>     <Reset>

手順7.14 Hypervisor における SNMP エージェントの有効化

  1. Enable SNMP オプションを選択し、Space キーを押して SNMP を有効にします。
  2. PasswordConfirm Password フィールドにパスワードを入力します。
  3. <Save> を選択して Enter を押します。
SNMP を有効にして、SNMP 通信で Hypervisor が使用するパスワードを設定しました。

7.5.8. Hypervisor での CIM モニタリング接続の有効化

CIM 画面では、既存の CIM 管理インフラストラクチャーに Hypervisor をアタッチする Common Information Model を設定して、Hypervisor で実行する仮想マシンを監視することができます。

手順7.15 Hypervisor での CIM モニタリング接続の有効化

  1. Enable CIM オプションを選択し、Space キーを押して CIM を有効にします。
    Enable CIM     [ ]
  2. PasswordConfirm Password フィールドにパスワードを入力します。
  3. <Save> を選択して Enter を押します。
パスワード認証された CIM 接続を受け入れるように Hypervisor を設定しました。このパスワードは、Common Information Model Object Manager に Hypervisor を追加する際に使用します。

7.5.9. ロギングの設定

Logging 画面では、Hypervisor が作成したログファイルを自動的にリモートサーバーにエクスポートするデーモンなど、ロギング関連のオプションを設定することができます。
F8 を押して、利用可能なログファイルを確認します。ログファイルの内容を確認するには、右矢印のキーを押して、ログファイルを選択してから Enter キーを押してください。
  • /var/log/ovirt.log
  • /var/log/ovirt-node.log
  • /var/log/audit/audit.log
  • /var/log/messages
  • dmesg

手順7.16 ロギング画面を使用したロギングの設定

  1. Logrotate Max Log Size フィールドには、ログファイルの最大サイズをキロバイト単位で入力します。この値に達すると、ログは logrotate によってローテーションされます。デフォルトの値は 1024 です。
  2. Interval を選択して、logrotateDailyWeeklyMonthly のいずれかで実行されるように設定します。デフォルト値は Daily です。
  3. オプションで rsyslog を設定して、ログファイルをリモートの syslog デーモンに転送することができます。
    1. リモートの Rsyslog サーバーのアドレスを Server Address フィールドに入力します。
    2. サーバーポート フィールドに、リモートの rsyslog サーバーのポートを入力します。デフォルトのポートは 514 です。
  4. オプションで netconsole を設定してカーネルメッセージをリモートの転送先に送信します。
    1. Server Address を入力します。
    2. Server Port を入力します。デフォルトのポートは 6666 です。
  5. <Save> を選択して Enter を押します。

7.5.10. カーネルダンプの設定

Kdump の画面では、システム障害が発生した場合にカーネルダンプを保存する場所を指定することができます。

表7.1 Kdump の画面

Kdump のオプション説明
Disable
カーネルダンピングを無効にします。
Local
カーネルダンプをローカルシステムに保管します。
SSH
SSH を介して、指定のリモートロケーションに カーネルダンプをエクスポートします。
NFS
カーネルダンプを指定の NFS 共有にエクスポートします。

手順7.17 カーネルダンプの設定

  1. カーネルダンプを保存するオプションを選択します。
    • Disable

      カーネルダンプを無効にするには、Disable を選択してから Space キーを押してください。
    • Local

      Local オプションを選択し、Space キーを押してローカルシステムにカーネルダンプを保存します。これは、デフォルトのオプションです。
    • SSH

      1. SSH オプションを選択し、Space キーを押して SSH 経由でカーネルダンプをエクスポートします。
      2. SSH Location (root@example.com) フィールドにカーネルダンプを保存する場所を入力します。
      3. SSH Key URL (optional) を入力します。
    • NFS

      1. NFS オプションを選択し、Space キーを押してカーネルダンプを NFS 共有にエクスポートします。
      2. NFS Location (example.com:/var/crash) フィールドにカーネルダンプを保存する場所を入力します。
  2. <Save> を選択して Enter を押します。

7.5.11. 診断画面

Diagnostics 画面では、以下の一覧から診断ツールの 1 つを選択することができます。
  • multipath -ll: 利用可能な全情報から現在のマルチパストポロジーを表示します。
  • fdisk -l: パーティションテーブルを一覧表示します。
  • parted -s -l: 全ブロックデバイス上のパーティションレイアウトを一覧表示します。
  • lsblk: 全ブロックデバイス上の情報を一覧表示します。

7.5.12. パフォーマンス画面

Performance 画面では、以下の一覧からtuned プロファイルを選択して、お使いのシステムに適用することができます。デフォルトでは、virtual-host プロファイルが使用されます。

表7.2 Red Hat Enterprise Virtualization で利用可能な tuned プロファイル

tuned プロファイル説明
None
システムが tuned プロファイルを使用しないように無効になります。
virtual-host
enterprise-storage プロファイルをもとに、virtual-host は、仮想マシンの swappiness を軽減し、ダーティーページ (dirty page) をより積極的にライトバックできるようにします。
virtual-guest
仮想マシン向けに最適化されたプロファイル
throughput-performance
標準的なスループットのパフォーマンスチューニング用のサーバープロファイル
spindown-disk
標準的なハードディスクを持つマシンを対象とした、節電効果の高いプロファイル
server-powersave
サーバーシステム向けの省電力プロファイル
latency-performance
標準的な遅延パフォーマンスチューニング用のサーバープロファイル
laptop-battery-powersave
バッテリーで稼働中のラップトップを対象とした、高程度の影響を与える省電力プロファイル
laptop-ac-powersave
AC で稼働中のラップトップを対象とした、中程度の影響を与える省電力プロファイル
enteprise-storage
エンタープライズ規模のサーバー設定向けにスループットのパフォーマンスを向上するサーバープロファイル
desktop-powersave
デスクトップシステムを対象とした省電力プロファイル
default
デフォルトの省電力プロファイル。最も基本的な省電力プロファイルで、ディスクと CPU プラグインのみを有効にします。

7.5.13. プラグイン画面

Plugins 画面では、インストールされたプラグインの概要が提示され、edit-node ツールを使用して新規パッケージを更新または追加した場合にパッケージの差異を確認することができます。Plugins 画面には、以下のボタンが提供されています。
  • <RPM Diff>: RPM の差異を表示できます。
  • <SRPM Diff>: SRPM の差異を表示できます。
  • <File Diff>: ファイルの差異を表示できます。

7.5.14. セルフホストエンジンの画面

Hypervisor 上にセルフホストエンジンを設定するには、Hosted Engine の設定に進む前に Network の画面の設定を行います。Hypervisor をセルフホストエンジンに設定する場合には、RHEV-M の画面は設定しないでください。
ネットワークの設定についての詳しい情報は 「Hypervisor 上でのネットワーク設定」 を参照してください。
セルフホストエンジンの設定についての詳しい情報は、『セルフホストエンジンガイド』の「Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor でのセルフホストエンジンの設定」のセクションを参照してください。

7.6. 登録したハイパーバイザーの承認

Manager の詳細情報を使用して登録したハイパーバイザーを承認します。

手順7.18 登録したハイパーバイザーの承認

  1. 管理ポータルで ホスト タブをクリックして、承認するホストを選択します。ホストは現在 Pending Approval (承認待ち) のステータスで表示されているはずです。
  2. 承認 ボタンをクリックして ホストの編集/承認 ウィンドウを開きます。このウィンドウでは、ハイパーバイザーの名前を指定して、その SSH フィンガープリントを承認前に取得し、電源管理の設定を行うことができます。電源管理の設定に関する情報は、『管理ガイド』の「ホストの電源管理設定値の設定」のセクションを参照してください。
  3. OK をクリックします。電源管理を設定していない場合には、そのまま続行するかどうかを確認するプロンプトが表示されます。OK をクリックします。

第8章 Red Hat Enterprise Linux ホスト

8.1. Red Hat Enterprise Linux ホスト

RHEL ベースのハイパーバイザーとしても知られる Red Hat Enterprise Linux ホストは、Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のエンタイトルメントを有効にした、標準の Red Hat Enterprise Linux の基本的なプログラムのみを物理サーバー上にインストールした環境をベースとします。インストールの詳しい手順は、『Red Hat Enterprise Linux 7 インストールガイド」 を参照してください。

重要

デフォルトでは、SELinux はインストール時に enforcing モードに設定されます。確認するには、getenforce のコマンドを実行します。SELinux を enforcing モードにすることを推奨しますが、Red Hat Enterprise Virtualization で仮想マシンをホストするためには必須ではありません。SELinux を無効にすると、Red Hat Enterprise Linux の中核的なセキュリティー機能が除外されます。また、異なる SELinux モードのハイパーバイザー間で仮想マシンを移行する際にも問題が発生します。詳しくは、『Red Hat Enterprise Linux 7 仮想化セキュリティーガイド』 を参照してください。
SELinux を無効にしたハイパーバイザーから SELinux を有効にしたハイパーバイザーに仮想マシンのライブマイグレーションを行う必要がある場合には、https://access.redhat.com/solutions/1982023 の記事に記載の回避策を参照してください。

重要

ホストの BIOS 設定で仮想化が有効になっていることを確認してください。ホストの BIOS 設定の変更に関する情報は、そのホストのハードウェアのマニュアルを参照してください。

8.2. ホストの互換性に関する表

以下の表には、Red Hat Enterprise Virtualization の各互換バージョンでサポートされている Hypervisor ホストのバージョンをまとめています。互換バージョン 3.6 では、Red Hat Enterprise Linux 7 ホストのみがサポートされています。

注記

VDSM の最新バージョンは、すべての旧バージョンの Red Hat Enterprise Virtualization との後方互換性があります。

表8.1

RHEL / RHEV-H のサポート対象バージョン3.03.13.23.33.43.53.6
6.2
6.3
6.4
6.5
6.6
6.7
7.0
7.1
7.2
新規データセンターの作成時に、互換バージョンを設定することができます。データセンター内の全ホストに適した互換バージョンを選択します。一旦設定されると、それよりも古いバージョンに変更することはできません。Red Hat Enterprise Virtualization を新規インストールした場合には、最新の互換バージョンが Default データセンターと Default クラスターに設定されるので、古い互換バージョンを使用するには、追加でデータセンターおよびクラスターを作成する必要があります。

8.3. 必要なエンタイトルメントのサブスクライブ

ハイパーバイザーホストとして使用するには、Red Hat Enterprise Linux ホストが、第 2 章に記載したハードウェア要件を満たしていることを確認してください。また、ホストはサブスクリプションマネージャーを使用して登録し、多数のエンタイトルメントをサブスクライブする必要があります。以下の手順に従ってコンテンツ配信ネットワークに登録し、Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のエンタイトルメントをホストにアタッチしてください。

手順8.1 サブスクリプションマネージャーを使用した必要なチャンネルのサブスクライブ

  1. コンテンツ配信ネットワークにシステムを登録します。プロンプトが表示されたら、カスタマーポータルの ユーザー名パスワード を入力します。
    # subscription-manager register
  2. Red Hat Enterprise Linux Server および Red Hat Enterprise Virtualization のサブスクリプションプールを見つけて、プール ID を書き留めておきます。
    # subscription-manager list --available
  3. 上記のステップで特定したプール ID を使用して、エンタイトルメントをシステムにアタッチします。
    # subscription-manager attach --pool=poolid

    注記

    現在アタッチされているサブスクリプションを確認するには、以下のコマンドを実行します。
    # subscription-manager list --consumed
    有効化されたリポジトリーを一覧表示するには、以下のコマンドを実行します。
    # yum repolist
  4. 全リポジトリーを無効にするには、以下のコマンドを実行します。
    # subscription-manager repos --disable=*
  5. 必要なリポジトリーを有効にします。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-7-server-rhev-mgmt-agent-rpms

    注記

    Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 では、バージョン 7 のホストのみがサポートされます。バージョン 6 のホストを使用する場合は、クラスターおよびデータセンターの互換性バージョンを 3.5 以下にしか設定できません。Red Hat Enterprise Linux 6 に必要なリポジトリーを有効化するには、以下を実行します。
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-optional-rpms
    # subscription-manager repos --enable=rhel-6-server-rhev-mgmt-agent-rpms
  6. 現在インストールされている全パッケージを最新の状態にします。
    # yum update
ホストが必要なエンタイトルメントをサブスクライブするための設定が完了した後には、次のセクションに進み、ホストを Red Hat Enterprise Virtualization 環境にアタッチしてください。

8.4. 管理ポータルからハイパーバイザーを手動で追加する方法

Red Hat Enterprise Virtualization 環境にホストを追加するには、仮想化のチェック、パッケージのインストール、ブリッジの作成、ホストの再起動の各ステップをプラットフォームで完了する必要があるため、多少時間がかかります。ホストと Manager 間での接続確立の進行状況は、詳細ペインで確認してください。

手順8.2 Red Hat Enterprise Linux ホストの追加

  1. 管理ポータルで、ホスト リソースタブをクリックします。
  2. 新規作成 をクリックすると、新規ホスト ウィンドウが表示されます。
  3. ドロップダウンメニューで、新規ホスト用の データセンターホストクラスター を選択します。

    重要

    Red Hat は、Red Hat Enterprise Linux 6 と Red Hat Enterprise Linux 7 は別のクラスターに設定することを推奨します。
  4. 新規ホストの 名前アドレス を入力します。SSH ポート フィールドには、標準の SSH ポートであるポート 22 が自動入力されます。
  5. Manager がホストにアクセスするために使用する認証メソッドを選択します。
    • パスワード認証に使用する root ユーザーのパスワードを入力します。

      注記

      Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisors (RHEV-H) の場合は、これは RHEV-M の画面で設定したパスワードです。
    • または、SSH 公開鍵 フィールドに表示される鍵をホスト上の /root/.ssh/authorized_keys にコピーして、公開鍵認証に使用します。
  6. Red Hat Enterprise Linux ホストを追加するための必須手順が完了しました。次に、詳細パラメーター の展開ボタンをクリックして、ホストの詳細設定を表示します。
    1. オプションとして、ファイアウォールの自動設定を無効にすることができます。
    2. オプションとして、JSON プロトコルの使用を無効にすることができます。

      注記

      Red Hat Enterprise Virtualization 3.5 以降のバージョンでは、Manager と VDSM 間の通信モデルに 解析時間を短縮する JSON プロトコルを使用するようになりました。このため、通信メッセージの形式は XML 形式から JSON 形式に変更され、Web 要求は同期 HTTP 要求から非同期 TCP 要求に変わりました。
    3. オプションとして、ホストの SSH フィンガープリントを追加し、セキュリティーを強化することができます。手動での追加または自動取得が可能です。
  7. ホストが電源管理カードをサポートしている場合には、電源管理を設定することができます。電源管理の設定に関する情報は、『管理ガイド』の「ホストの電源管理の設定」のセクションを参照してください。
  8. OK をクリックします。
新規ホストが Installing のステータスでホスト一覧に表示され、詳細ペインでインストールの進捗状況を確認することができます。しばらくすると、ホストのステータスが Up に変わります。

パート IV. ストレージのアタッチ

第9章 ストレージ

9.1. ストレージについて

ストレージドメインとは、共通のストレージドインターフェースを使用するイメージの集合体です。ストレージドメインには、テンプレートおよび仮想マシン (スナップショットを含む) の完全なイメージ、ISO ファイル、およびそれら自体についてのメタデータが格納されます。ストレージドメインには、ブロックデバイス (SAN: iSCSI または FCP) またはファイルシステム (NAS: NFS、GlusterFS またはその他の POSIX 準拠ファイルシステム) を使用することができます。
ストレージドメインには 3 つのタイプがあります。
  • データドメイン: データドメインには、データセンター内の仮想マシンおよびテンプレートの仮想ハードディスクと OVF ファイルを格納します。このドメインは、複数のデータセンター間で共有することはできません。複数のタイプのデータドメイン (iSCSI、NFS、FC、POSIX、Gluster) を同じデータセンターに追加することが可能ですが、それらはすべてローカルドメインではなく、全ホストがアクセス可能なドメインであることが条件となります。

    重要

    ISO ドメインとエクスポートドメインをアタッチするには、ステータスが Up のハイパーバイザーホストが 1 台あり、データドメインのデータセンターにアタッチ済みである必要があります。
  • ISO ドメイン: ISO ドメインには、仮想マシンのオペレーティングシステムおよびアプリケーションのインストールおよび起動に使用する ISO ファイル (または論理 CD) を格納します。このドメインは、異なるデータセンター間で共有することが可能です。ISO ドメインは、データセンターにおける物理メディアの必要性を排除します。ISO ドメインは、NFS ベースのみで、1 つのデータセンター に 1 つしか追加できません。
  • エクスポートドメイン: エクスポートドメインは、データセンターと Red Hat Enterprise Virtualization 環境間でのイメージのコピーや移動に使用する一時的なストレージリポジトリーです。また、仮想マシンのバックアップにも使用できます。エクスポートドメインは、複数のデータセンター間で移動させることができますが、一度に 1 つのデータセンターでしかアクティブにすることはできません。エクスポートドメインは、NFS ベースのみで、1 つのデータセンターに 1 つしか追加できません。
既存の FCP ストレージをデータドメインとしてアタッチする方法は、次のセクションを参照してください。その他のストレージオプションについては、『管理ガイド』を参照してください。

9.2. FCP ストレージの追加

Red Hat Enterprise Virtualization プラットフォームは、既存の LUN で構成されるボリュームグループからストレージドメインを作成する方法で、SAN ストレージをサポートしています。ボリュームグループおよび LUN はいずれも、同時に複数のストレージドメインにはアタッチできません。
Red Hat Enterprise Virtualization システムの管理者には Storage Area Networks (SAN) の概念に関する作業知識が必要になります。SAN は通常、ホストと外部の共有ストレージ間のトラフィックに Fibre Channel Protocol (FCP) を使用します。このため、SAN は FCP ストレージとも呼ばれています。
Red Hat Enterprise Linux での FCP またはマルチパスの設定/構成に関する情報は、『ストレージ管理ガイド』 および 『DM Multipath ガイド』を参照してください。
以下の手順は、既存の FCP ストレージを Red Hat Enterprise Virtualization 環境にデータドメインとしてアタッチする方法について説明します。サポートされているストレージタイプについての詳しい情報は、『管理ガイド』の「ストレージ」の章を参照してください。

手順9.1 FCP ストレージの追加

  1. ストレージ リソースタブをクリックして、全ストレージドメインを一覧表示します。
  2. 新規ドメイン をクリックすると、新規ドメイン ウィンドウが開きます。
  3. ストレージドメインの 名前 を入力します。
    FCP ストレージの追加

    図9.1 FCP ストレージの追加

  4. データセンター ドロップダウンメニューで FCP データセンターを選択します。
    適切な FCP データセンターがない場合には (None) を選択します。
  5. ドロップダウンメニューで ドメイン機能 および ストレージタイプ を選択します。選択したデータセンターとの互換性がないストレージドメインタイプは選択できません。
  6. 使用するホスト のフィールドでアクティブなホストを 1 台選択します。データセンターで初めて作成するデータドメインでなければ、そのデータセンターの SPM ホストを選択する必要があります。

    重要

    ストレージドメインへの通信はすべて、Red Hat Enterprise Virtualization Manager から直接ではなく、選択したホストを介して行われます。システムには、アクティブなホストが少なくとも 1 台存在し、選択したデータセンターにアタッチされている必要があります。ストレージドメインを設定する前には、全ホストがストレージデバイスにアクセスできる状態でなければなりません。
  7. 新規ドメイン ウィンドウで、ストレージタイプに Data / Fibre Channel を選択した場合は、未使用の LUN が割り当てられた既知のターゲットが自動的に表示されます。LUN ID チェックボックスを選択し、使用可能な LUN をすべて選択します。
  8. オプションで、詳細パラメーターを設定することが可能です。
    1. 詳細パラメーター をクリックします。
    2. 容量不足の警告 のフィールドに、パーセンテージ値を入力します。ストレージドメインの空き容量がこの値を下回ると、ユーザーに警告のメッセージが表示され、ログに記録されます。
    3. アクションをブロックする深刻な容量不足 のフィールドに GB 単位で値を入力します。ストレージドメインの空き容量がこの値を下回ると、ユーザーにエラーメッセージが表示され、ログに記録されます。容量を消費する新規アクションは、一時的であってもすべてブロックされます。
    4. 削除後にワイプするオプションを有効にするには、削除後にワイプ チェックボックスを選択します。このオプションは、ドメインの作成後に編集することが可能ですが、その場合にはすでに存在していたディスクの「削除後にワイプ」プロパティーは変更されません。
  9. OK をクリックするとストレージドメインが作成され、ウィンドウが閉じます。
ストレージ タブに新規 FCP データドメインが表示されます。使用準備中には、Locked のステータスとなります。準備が整った時点で、自動的にデータセンターにアタッチされます。

付録A ローカル ISO ドメインのパーミッションの変更

Manager のセットアップ中に、ローカルの ISO ドメインを提供するように設定した場合は、そのドメインを 1 つまたは複数のデータセンターにアタッチして、仮想マシンのイメージファイルを提供するのに使用することができます。デフォルトでは、ローカル ISO ドメインのアクセス制御リスト (ACL) は、Manager のマシンのみに読み取り/書き込みアクセスを提供します。ISO ドメインをデータセンターにアタッチするには、仮想化ホストがそのドメインに読み取り/書き込みのアクセスができる必要があります。セットアップ時にネットワークまたはホストの情報が不明だった場合や、任意のタイミングで ACL を更新する必要がある場合は、以下の手順を実行してください。
ネットワーク全体に読み取り/書き込みアクセスを許可することは可能ですが、アクセスを必要とするホストとサブネットにアクセスを限定することを推奨します。

手順A.1 ローカル ISO ドメインのパーミッションの変更

  1. Manager のマシンにログインします。
  2. /etc/exports ファイルを編集して、ホストまたはホストが属するサブネットをアクセス制御リストに追加します。
    /var/lib/exports/iso 10.1.2.0/255.255.255.0(rw) host01.example.com(rw) host02.example.com(rw)
    上記の例は、/24 ネットワーク 1 つとホスト 2 台に読み取り/書き込みアクセスを許可します。/var/lib/exports/iso は、ISO ドメインのデフォルトのファイルパスです。形式のオプションについての詳しい説明は、exports(5) の man ページを参照してください。
  3. 変更を適用します。
    # exportfs -ra
engine-setup を実行した後に手動で /etc/exports ファイルを編集すると、後で engine-cleanup を実行しても、変更を元に戻すことはできない点に注意してください。

付録B データセンターへのローカル ISO ドメインのアタッチ

Manager のインストール中に作成されたローカル ISO ドメインは、管理ポータルに Unattached のステータスで表示されます。このドメインを使用するには、データセンターにアタッチしてください。ISO ドメインは、データセンターと同じ ストレージタイプ である必要があります。データセンター内の各ホストには、その ISO ドメインの読み取り/書き込みアクセスが必要です。特に Storage Pool Manager がアクセス可能であることを確認してください。
データセンターには、1 つの ISO ドメインしかアタッチできません。

手順B.1 データセンターへのローカル ISO ドメインのアタッチ

  1. 管理ポータルで、データセンター リソースタブをクリックして、対象のデータセンターを選択します。
  2. 詳細ペインの ストレージ タブを選択し、データセンターにすでにアタッチされているストレージドメインを表示します。
  3. ISO をアタッチ をクリックし、ISO ライブラリーのアタッチウィンドウを開きます。
  4. ローカル ISO ドメインのラジオボタンをクリックします。
  5. OK をクリックします。
ISO ドメインがデータセンターにアタッチされ、自動的にアクティブ化されます。

付録C Red Hat Gluster Storage ノードでの Gluster プロセスの有効化

  1. ナビゲーションペインで、クラスター タブを選択します。
  2. 新規作成 を選択します。
  3. 「Gluster サービスを有効にする」ラジオボタンを選択します。必要に応じて、アドレス、SSH フィンガープリント、パスワードを指定します。既存の Gluster 設定をインポート のチェックボックスが選択されていないと、アドレスとパスワードのフィールドに入力できません。
    Description

    図C.1 「Gluster サービスを有効にする」ラジオボタンの選択

  4. OK をクリックします。
Red Hat Gluster Storage ノードを Gluster クラスターに追加して、ストレージドメインとして Gluster ボリュームをマウントできるようになりました。iptables ルールにより、ストレージドメインのクラスターへの追加が拒否されなくなりました。

付録D Red Hat Enterprise Virtualization Manager で使用するためのリモートの PostgreSQL データベースの準備

オプションで、PostgreSQL データベースを Red Hat Enterprise Linux 6.6 または 6.7 のマシンに設定して、Manager データベースとして使用することができます。デフォルトでは、Red Hat Enterprise Virtualization Manager の設定スクリプト engine-setup は、Manager マシンのローカルに Manager データベースを作成/設定します。データベースの自動設定は、「Red Hat Enterprise Virtualization Manager の設定」を参照してください。また、Manager マシンでカスタムの値を使用した Manager データベースの設定方法については、「付録E Red Hat Enterprise Virtualization Manager で使用するための手動設定のローカル PostgreSQL データベースの準備」を参照してください。
以下の手順を使用して、Manager がインストールされているマシンとは別のマシンでデータベースを設定します。engine-setup の実行中に、データベースの認証情報を提示する必要があるため、このデータベースを設定してから、Manager を設定するようにしてください。

重要

データベース名には、数字、アンダースコア、小文字しか使用できません。

手順D.1 Red Hat Enterprise Virtualization Manager で使用するためのリモートの PostgreSQL データベースの準備

  1. PostgreSQL サーバーパッケージをインストールします。
    # yum install postgresql-server
  2. PostgreSQL データベースを初期化し、postgresql サービスを起動してブート時に起動されるように設定します。
    # service postgresql initdb
    # service postgresql start
    # chkconfig postgresql on
  3. postgres ユーザーとして、psql コマンドラインインターフェースに接続します。
    # su - postgres
    $ psql
  4. データベースの読み取り/書き込み時に使用する Manager のユーザーを作成します。Manager のデフォルトユーザー名は engine です。
    postgres=# create role user_name with login encrypted password 'password';
  5. Red Hat Enterprise Virtualization 環境についてのデータを保管するデータベースを作成します。Manager のデフォルトのデータベース名は engine です。
    postgres=# create database database_name owner user_name template template0 encoding 'UTF8' lc_collate 'en_US.UTF-8' lc_ctype 'en_US.UTF-8';
  6. 新規データベースに接続して plpgsql 言語を追加します。
    postgres=# \c database_name
    database_name=# CREATE LANGUAGE plpgsql;
  7. md5 クライアントの認証を有効にして、データベースにリモートからアクセスできるようにします。/var/lib/pgsql/data/pg_hba.conf ファイルを編集して、ファイルの一番下にある local で始まる行のすぐ下に以下の行を追加します。X.X.X.X は、お使いの Manager の IP アドレスに置き換えてください。
    host    database_name    user_name    X.X.X.X/32   md5
  8. データベースへの TCP/IP 接続を許可します。/var/lib/pgsql/data/pg_hba.conf ファイルを編集して、以下の行を追加します。
    listen_addresses='*'
    上記の例では、全インターフェースの接続をリッスンするように postgresql を設定しています。IP アドレスを指定することで (リッスンする) インターフェースの指定も可能です。
  9. PostgreSQL データベース接続に使用するデフォルトのポートを開放して、更新したファイアウォールルールを保存します。
    # iptables -I INPUT 5 -p tcp --dport 5432 -j ACCEPT
    # service iptables save
  10. postgresql サービスを再起動します。
    # service postgresql restart
オプションで、http://www.postgresql.org/docs/8.4/static/ssl-tcp.html#SSL-FILE-USAGE の説明に従い、SSL を設定してデータベース接続のセキュリティーを保護します。

付録E Red Hat Enterprise Virtualization Manager で使用するための手動設定のローカル PostgreSQL データベースの準備

オプションで、Manager マシン上でローカルの PostgreSQL データベースを Manager データベースとして使用するように設定することができます。デフォルトでは、Red Hat Enterprise Virtualization Manager の設定スクリプト engine-setup は、Manager マシンのローカルに Manager データベースを作成/設定します。データベースの自動設定は、「Red Hat Enterprise Virtualization Manager の設定」を参照してください。また、Manager のインストール先とは別のマシンに Manager データベースを設定する方法については、「付録D Red Hat Enterprise Virtualization Manager で使用するためのリモートの PostgreSQL データベースの準備」を参照してください。
以下の手順を使用して、カスタムの値を使用して Manager データベースを設定します。engine-setup の実行中に、データベースの認証情報を提示する必要があるため、このデータベースを設定してから、Manager を設定するようにしてください。データベースを設定するには、まず Manager マシンに rhevm パッケージをインストールしてから、依存関係として postgresql-server パッケージをインストールします。

重要

データベース名には、数字、アンダースコア、小文字しか使用できません。

手順E.1 Red Hat Enterprise Virtualization Manager で使用するための手動設定のローカル PostgreSQL データベースの準備

  1. PostgreSQL データベースを初期化し、postgresql サービスを起動してブート時に起動されるように設定します。
    # service postgresql initdb
    # service postgresql start
    # chkconfig postgresql on
  2. postgres ユーザーとして、psql コマンドラインインターフェースに接続します。
    # su - postgres
    $ psql
  3. データベースの読み取り/書き込み時に使用する Manager のユーザーを作成します。Manager のデフォルトユーザー名は engine です。
    postgres=# create role user_name with login encrypted password 'password';
  4. Red Hat Enterprise Virtualization 環境についてのデータを保管するデータベースを作成します。Manager のデフォルトのデータベース名は engine です。
    postgres=# create database database_name owner user_name template template0 encoding 'UTF8' lc_collate 'en_US.UTF-8' lc_ctype 'en_US.UTF-8';
  5. 新規データベースに接続して plpgsql 言語を追加します。
    postgres=# \c database_name
    database_name=# CREATE LANGUAGE plpgsql;
  6. md5 クライアントの認証を有効にして、データベースにリモートからアクセスできるようにします。/var/lib/pgsql/data/pg_hba.conf ファイルを編集して、ファイルの一番下にある local で始まる行のすぐ下に以下の行を追加します。
    host    [database name]    [user name]    0.0.0.0/0  md5
    host    [database name]    [user name]    ::0/0      md5
  7. postgresql サービスを再起動します。
    # service postgresql restart
オプションで、http://www.postgresql.org/docs/8.4/static/ssl-tcp.html#SSL-FILE-USAGE の説明に従い、SSL を設定してデータベース接続のセキュリティーを保護します。

付録F 改訂履歴

改訂履歴
改訂 3.6-12.1Sun Mar 13 2016Red Hat Localization Services
翻訳ファイルを XML ソースバージョン 3.6-12 と同期
改訂 3.6-12Wed 09 Mar 2016Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
Red Hat Enterprise Linux 7 を使用する必要があることを明確化するために Red Hat Enterprise Linux ホストのサブスクリプショントピックを更新
改訂 3.6-11Mon 22 Feb 2016Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 の一般提供 (GA) に向けた最初の改訂
改訂 3.6-10Fri 19 Feb 2016Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
BZ#1299326: engine-setup の出力を更新
改訂 3.6-9Wed 10 Feb 2016Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
BZ#1304829: Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の自動設定のための NTP 設定の情報を更新
改訂 3.6-8Mon 8 Feb 2016Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
BZ#1097006: Red Hat Enterprise Virtualization の旧バージョンに対する VDSM の後方互換性についての説明を追加
BZ#1300145: SELinux を無効にすると移行するホストで問題が発生する可能性があるため、enforcing モードのままにすべきであるという重要な警告を追加
改訂 3.6-7Wed 23 Dec 2015Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
BZ#1273331: Manager で日付と時刻を設定して、ディレクトリーサーバーの使用するシステムクロックと同期させる必要があることを説明する注記を追加
改訂 3.6-6Wed 16 Dec 2015Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
BZ#1276122: Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor の VLAN 自動割り当ての構文を修正
改訂 3.6-5Wed 2 Dec 2015Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
BZ#1280154: Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 6 の例を Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor 7 に置き換え
BZ#1188222: ブラウザーのサポートマトリックスを更新
改訂 3.6-4Wed 18 Nov 2015Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 ベータリリースの最終版作成
改訂 3.6-3Wed 18 Nov 2015Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
BZ#1283090: セルフホストエンジンガイドへのリンクを更新
改訂 3.6-2Wed 18 Nov 2015Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
BZ#1280148: RHEV-H 7 の data パーティションの最小ストレージ要件を更新し、engine アプライアンスを使用する場合には 60 GB であることを記載
BZ#1247509: Hypervisor 上でのネットワーク設定についての内容を更新
BZ#1224935: オフラインリポジトリーの設定手順を更新
BZ#1249163: SNMP および CIM ポートの説明に「オプション」という言葉を追加
BZ#1273715: サポートされていない機能について記載されていた内容を削除
BZ#1270140: ネットワークについての説明の重複箇所を削除
BZ#1281396: Hypervisor の登録のための Satellite CA URL の例を更新
BZ#1281392: Hypervisor の登録のための Subscription Asset Manager CA URL の例を更新
BZ#1281402: 「Red Hat Enterprise Virtualization Manager への Hypervisor の接続」のセクションから RHEV-M Fingerprint 画面のステップを削除
BZ#1281400: 「Hypervisor の登録」のセクションの Satellite オプションについての記載箇所から、「オプションで」という語句を削除
BZ#1281642: プール ID をアタッチした後に全リポジトリーを無効にするステップを追加
BZ#1281399: vlan=vlan-id を vlan=vlan-id:nic-name に更新
BZ#1281367: 「ネットワークのパラメーター」セクションのボンディングの設定例を更新
BZ#1281387: 「Hypervisor 上でのネットワークの設定」セクションの IPv6 オプションに「Auto」を追加
BZ#1255222: シリアルコンソールのアクセス用のファイアウォールポートを追加
BZ#1280152: Red Hat Enterpriser Virtualization Hypervisor のインストールのスクリーンショットを更新
BZ#1280156: Red Hat Enterprise Virtualization Hypervisor のストレージ要件を更新
改訂 3.6-1Fri 10 Jul 2015Red Hat Enterprise Virtualization Documentation Team
Red Hat Enterprise Virtualization 3.6 リリースの初版作成

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