2.2. インストール USB の作成

CD や DVD ではなく、USB ドライブで起動可能なメディアを作成し、AMD64 システムや Intel 64 システムに Red Hat Enterprise Linux をインストールすることができます。Linux システム上で作成するのか Windows システム上で作成するのかにより、作成手順が異なります。最小限の起動用メディア、完全インストール用のメディアはいずれも同じ手順で作成できます。USB ドライブを使用する場合はその容量に注意してください。イメージ全体を収納できる十分な容量、つまり最小限の起動用メディアなら大体 350 MB、完全インストール用のメディアなら 4.5 GB の容量の USB ドライブが必要になります。

2.2.1. Linux でインストール USB を作成する

次の手順では、Linux システムを使用していること、また 1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード で説明されているように適切な ISO イメージをすでにダウンロードしていることを前提としています。ほとんどの Linux ディストリビューションでは、特に追加のパッケージをインストールしなくても記載の手順で正しく動作します。

警告

この手順を実行すると、USB フラッシュドライブ上にあるデータはすべて破棄されます。警告は発せられません。このため、正しいドライブを指定していること、またドライブに保存の必要があるデータが含まれていないことを必ず確認しておいてください。
Linux ディストリビューションの多くで USB メディアを作成するための独自ツールが提供されています。Fedora なら liveusb-creator、Ubuntu なら usb-creator などです。こうしたツールの説明については本ガイドの範疇を超えてしまうため、ここでは説明していません。次の手順に従うと、ほとんどの Linux システムで USB メディアを作成することができます。

手順2.1 Linux で USB メディアを作成する

  1. USB フラッシュドライブをシステムに挿入してから dmesg コマンドを実行します。最近のイベントの詳細を示すログが表示されます。このログの末尾の方に、今 USB を挿入したことを示すメッセージが表示されているのを確認します。以下にメッセージの例を示します。
    [ 170.171135] sd 5:0:0:0: [sdb] Attached SCSI removable disk
    接続デバイスの名前をメモしておきます。この例の場合、sdb がデバイス名です。
  2. root でログインします。
    $ su -
    プロンプトに従い root パスワードを入力します。
  3. デバイスがマウントされていないことを確認します。まず、findmnt device コマンドと前の手順でメモしておいたデバイス名を使います。デバイス名が sdb なら、コマンドは次のようになります。
    # findmnt /dev/sdb
    コマンドから何も出力されなければ次の手順に進むことができます。何らかの出力がある場合は、デバイスが自動的にマウントされたことを示しているため、次に進む前にそのデバイスをアンマウントしておく必要があります。出力の例を示します。
    # findmnt /dev/sdb
    TARGET   SOURCE   FSTYPE  OPTIONS
    /mnt/iso /dev/sdb iso9660 ro,relatime
    
    TARGET のコラムをメモしておきます。次に umount target コマンドを使ってデバイスをアンマウントします。
    # umount /mnt/iso
  4. dd コマンドを使ってインストール用の ISO イメージを 直接 USB デバイスに書き込みます。
    # dd if=/path/to/image.iso of=/dev/device bs=blocksize
    /path/to/image.iso にはダウンロードした ISO イメージファイルの完全パスを入れてください。device には前の手順の dmesg コマンドで確認したデバイス名を入れます。 blocksize には書き込みのプロセスが迅速に行われるよう適当なブロックサイズを入力します (512k など)。bs パラメーターはオプションですが、このオプションを使用するとプロセス速度を大幅に向上させることができます。

    重要

    デバイス名には、デバイスのパーティション名 (/dev/sda1) ではなく、コマンドからの出力を指定してください (/dev/sda など)。
    たとえば、ISO イメージが /home/testuser/Downloads/rhel-server-7.3x86_64-boot.iso にあり、検出されたデバイス名が sdb の場合、コマンドは次のようになります。
    # dd if=/home/testuser/Downloads/rhel-server-7.3x86_64-boot.iso of=/dev/sdb bs=512k
  5. dd によるデバイスへのイメージ書き込みが終了するまで少し時間がかかります。進捗バーは表示されないので注意してください。# プロンプトが再表示されたらデータ転送は完了です。プロンプトの表示後、root アカウントからログアウトし USB ドライブを取り外します。
これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は 5章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動、IBM Power Systems サーバーの場合は 10章IBM Power Systems でのインストールの起動 をお読みください。

2.2.2. Windows で USB インストールメディアを作成する

Windows で起動可能な USB メディアを作成する手順は使用するツールによって異なります。ISO イメージを USBドライブに書き込むことができるユーティリティーは数多くあります。Red Hat では Fedora LiveUSB Creator の使用をお勧めしています。https://fedorahosted.org/liveusb-creator/ よりダウンロードが可能です。

重要

Windows の Explorer または同様のファイルマネージャーを使った USB ドライブへの ISO イメージファイルの転送は正しく動作しないため、そのデバイスからの起動は行えません。

手順2.2 Windows で USB メディアを作成する

  1. Fedora LiveUSB Creator をダウンロードしてインストールします。
  2. メディアの作成に使用する Red Hat Enterprise Linux ISO イメージをダウンロードします。(ISO イメージの入手方法については、1章Red Hat Enterprise Linux のダウンロード を参照してください。)
  3. 起動可能なメディアの作成に使用する USB ドライブを挿入します。
  4. Fedora LiveUSB Creator を開きます。
  5. メインウィンドウ内で Browse ボタンをクリックして、ダウンロードした Red Hat Enterprise Linux ISO イメージを選択します。
  6. Target Device ドロップダウンメニューから使用するドライブを選択します。一覧にデバイスが表示されない場合はメニューの右側にあるリフレッシュボタンをクリックしてからやり直してみてください。
  7. Create Live USB をクリックします。起動用メディア作成プロセスが開始されます。ウィンドウ下部にあるメッセージボックスに Complete! のメッセージが表示されるまでドライブは抜き取らないでください。ドライブの書き込み速度、USB 仕様バージョン、使用している ISO イメージのサイズなどによりプロセスの完了までに最長 15 分ほどかかります。
    Fedora LiveUSB Creator

    図2.1 Fedora LiveUSB Creator

  8. 作成プロセスが完了し Complete! のメッセージが表示されたら、システムの通知エリアにある ハードウェアの安全な取り出し アイコンを使って USB ドライブをアンマウントします。
これで USB ドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は 5章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動、IBM Power Systems サーバーの場合は 10章IBM Power Systems でのインストールの起動 をお読みください。

2.2.3. Mac OS X で USB インストールメディアを作成する

この手順では、dd コマンドラインツールを使用してインストールイメージを USB フラッシュドライブに書き込みます。

警告

この手順を実行すると、USB フラッシュドライブ上にあるデータはすべて削除されます。

手順2.3 Mac OS X で USB メディアを作成する

  1. USB フラッシュドライブをシステムに接続し、diskutil list コマンドでデバイスパスを特定します。デバイスパスは /dev/disknumber という形式で、number はディスク番号になります。ディスクはゼロ (0) から番号が付けられます。デバイス 0 は通常、OS X リカバリーディスクになり、ディスク 1 はご自分のメインの OS X インストールになります。以下の例では、USB フラッシュドライブは disk2 になります。
    $ diskutil list
    /dev/disk0
       #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
       0:      GUID_partition_scheme                        *500.3 GB   disk0
       1:                        EFI EFI                     209.7 MB   disk0s1
       2:          Apple_CoreStorage                         400.0 GB   disk0s2
       3:                 Apple_Boot Recovery HD             650.0 MB   disk0s3
       4:          Apple_CoreStorage                         98.8 GB    disk0s4
       5:                 Apple_Boot Recovery HD             650.0 MB   disk0s5
    /dev/disk1
       #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
       0:                  Apple_HFS YosemiteHD             *399.6 GB   disk1
                                     Logical Volume on disk0s1
                                     8A142795-8036-48DF-9FC5-84506DFBB7B2
                                     Unlocked Encrypted
    /dev/disk2
       #:                       TYPE NAME                    SIZE       IDENTIFIER
       0:     FDisk_partition_scheme                        *8.0 GB     disk2
       1:               Windows_NTFS SanDisk USB             8.0 GB     disk2s1
    ご自分の USB フラッシュドライブを特定する場合、NAMETYPE および SIZE のコラムをご自分の USB フラッシュドライブのものと比較します。たとえば、NAMEFinder にあるフラッシュドライブのタイトルと同じものであるはずです。またこれらの値をフラッシュドライブの情報パネルと比べることもできます。ドライブのアイコンを右クリックして、情報を見る を選択します。
  2. diskutil unmountDisk コマンドを使用してフラッシュドライブのファイルシステムボリュームをアンマウントします。
    $ diskutil unmountDisk /dev/disknumber
    Unmount of all volumes on disknumber was successful
    これを実行すると、デスクトップからフラッシュドライブのアイコンが消えます。消えない場合は、間違ったディスクを指定した可能性があります。間違ってシステムディスクをアンマウントしようとすると、failed to unmount エラーが返されます。
  3. dd コマンドを sudo コマンドのパラメーターとして使用し、ISO イメージをフラッシュドライブにコピーします。
    $ sudo dd if=/path/to/image.iso of=/dev/disknumber bs=1m
    /path/to/image.iso をダウンロードした ISO イメージファイルへの完全パスで、number をディスク番号で置き換えます。たとえば、ISO イメージが /Users/jdoe/Downloads/rhel-server-7.3x86_64-boot.iso にあり、検出されたデバイス名が 2 の場合、コマンドは次のようになります。
    $ sudo dd if=/Users/jdoe/Downloads/rhel-server-7.3x86_64-boot.iso of=/dev/disk2 bs=1m
  4. コマンドが完了するまで待機します。進捗バーは表示されませんが、端末で Ctrl+t を押すと実行中の操作の状況を確認できます。
    load: 1.02  cmd: dd 3668 uninterruptible 0.00u 1.91s
    112+0 records in
    111+0 records out
    116391936 bytes transferred in 114.834860 secs (1013559 bytes/sec)
  5. データ送信の速度は、USB ポートとフラッシュドライブの速度に依存します。プロンプトが再度表示されたら、データ転送が完了しています。これでフラッシュドライブを外すことができます。
これでフラッシュドライブを起動デバイスとして使用する準備が整いました。AMD64 および Intel 64 のシステムの場合は 5章AMD64 および Intel 64 システムのインストールの起動、IBM Power Systems サーバーの場合は 10章IBM Power Systems でのインストールの起動 をお読みください。