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4.4.14.2. ミラー化ボリュームの拡張

Red Hat Enterprise Linux 6.3 リリースでは、新しいミラーリージョンの同期を実行しなくても lvextend コマンドでミラー化論理ボリュームを拡張することができます。
lvcreate コマンドでミラー化論理ボリュームを作成する場合、--nosync オプションを指定すると、ミラー作成時にミラーリージョンは同期されません。詳細は、「ミラー化ボリュームの作成」 を参照してください。後ほど --nosync オプションを使用して作成したミラーを拡張する場合も、ミラーの拡張部分は同期されません。
--nosync オプションを使用して既存の論理ボリュームが作成されたかどうかを判別するには、lvs コマンドを使用して論理ボリュームの属性を表示します。論理ボリュームが初期同期を行わずに作成されたミラー化ボリュームの場合、その論理ボリュームには「M」の属性ビット 1 が設定されます。論理ボリュームが初期同期により作成された場合は、「m」の属性ビット 1 が設定されます。
以下のコマンドは、初期同期を行わずに作成された lv という名前のミラー化論理ボリュームの属性を表示します。属性ビット 1 は「M」と表示されます。属性ビット 7 は「m」であり、mirror が対象のタイプであることを示します。属性ビットの意味についての情報は、表4.4「lvs 表示フィールド」 を参照してください。
# lvs vg
  LV   VG   Attr     LSize Pool Origin Snap%  Move Log     Copy%  Convert
  lv   vg   Mwi-a-m- 5.00g                         lv_mlog 100.00
このミラー化論理ボリュームを lvextend コマンドで拡張する場合、ミラーの拡張部分は再同期されません。
lvcreate コマンドで --nosync オプションを指定せずにミラー化論理ボリュームを作成した場合、lvextend コマンドで --nosync オプションを指定することで、ミラーを再同期することなく論理ボリュームを拡張することができます。
以下の例では、--nosync オプションなしで作成された論理ボリュームを拡張し、ミラーの作成時にそれが同期されたことを示しています。ただし、この例では、ボリュームの拡張時にはミラーが同期されないように指定しています。ボリュームには「m」の属性が設定されていますが、lvextend コマンドに --nosync オプションを付けて実行すると、ボリュームには「M」の属性が設定されることに注意してください。
# lvs vg
  LV   VG   Attr     LSize  Pool Origin Snap%  Move Log     Copy%  Convert
  lv   vg   mwi-a-m- 20.00m                         lv_mlog 100.00        
# lvextend -L +5G vg/lv --nosync
  Extending 2 mirror images.
  Extending logical volume lv to 5.02 GiB
  Logical volume lv successfully resized
# lvs vg
  LV   VG   Attr     LSize Pool Origin Snap%  Move Log     Copy%  Convert
  lv   vg   Mwi-a-m- 5.02g                         lv_mlog 100.00
ミラーが非アクティブの場合、ミラーの拡張時に同期が自動的に省略されることはありません。これは、--nosync オプションを指定してミラーを作成する場合でも当てはまります。その代わりに、論理ボリュームの拡張部分を完全に再同期するかどうかのプロンプトが出されます。

注記

ミラーがリカバリーを実行する場合、--nosync オプションを指定してボリュームの作成/拡張を行うと、ミラー化論理ボリュームを拡張することはできません。ただし、--nosync オプションを指定しないと、リカバリー中にミラーを拡張できます。