Red Hat Training

A Red Hat training course is available for Red Hat Enterprise Linux

3.6. メタデータデーモン (lvmetad)

LVM はオプションで中央メタデータキャッシュを使用できます。これはデーモン (lvmetad) と udev ルールにより実装されます。このメタデータデーモンの目的は主に 2 つあります。1 つ目は LVM コマンドのパフォーマンスを向上すること、2 つ目は論理ボリュームまたはボリュームグループ全体がシステムで利用可能になる時点で udev によってそれらを自動的にアクティブ化できるようにすることです。

注記

lvmetad デーモンは、クラスターのノード間では現在サポートされておらず、ロッキングタイプはローカルのファイルベースである必要があります。
このデーモンの利点を活用するには、以下を実行してください。
  • lvm2-lvmetad サービスを使ってデーモンを起動します。デーモンを起動時に自動的に起動するには、chkconfig lvm2-lvmetad on コマンドを使用します。デーモンを手動で起動するには、service lvm2-lvmetad start コマンドを使用します。
  • デーモンを使用するように LVM を設定するには、lvm.conf 設定ファイル内で global/use_lvmetad 変数を 1 に設定します。lvm.conf 設定ファイルの詳細は、付録B LVM 設定ファイル を参照してください。
通常、各 LVM コマンドはディスクスキャンを実行して、すべての関連する物理ボリュームを検索し、ボリュームグループのメタデータを読み取ります。ただし、メタデータデーモンが実行中で有効な場合は、この負荷がかかるスキャンは省略できます。代わりに、lvmetad デーモンは各デバイスが利用可能になる時点で 1 度のみ udev ルールによりデバイスをスキャンします。これにより I/O の量を大幅に削減でき、とくに多くのディスクがあるシステム上で LVM 操作を完了するのに必要な時間を減らすことができます。udev デバイスマネージャーと udev ルールについての情報は、「デバイスマッパーによる udev デバイスマネージャーのサポート」 を参照してください。
新規のボリュームグループがランタイム時に利用可能な場合 (例: ホットプラグまたは iSCSI を使用)、その論理ボリュームを使用する前にアクティブ化する必要があります。lvmetad デーモンが有効な場合は、lvm.conf 設定ファイルの activation/auto_activation_volume_list オプションを使用して、自動的にアクティブ化する必要のあるボリュームグループおよび/または論理ボリュームの一覧を設定できます。lvmetad デーモンが有効でない場合は、手動でアクティブ化する必要があります。デフォルトでは、この一覧は定義されません。つまり、すべてのボリュームはすべての物理ボリュームが配置されると自動的にアクティブ化されます。自動アクティブ化は、イベントベースのため、他のデバイスの先頭にスタックされる LVM に対して再帰的に機能します。

注記

lvmetad デーモンが実行中の場合、/etc/lvm/lvm.conf ファイルの filter = 設定は、pvscan --cache device コマンドを実行する際に適用されません。デバイスをフィルターするには、global_filter = 設定を使用する必要があります。グローバルフィルターに失敗するデバイスは LVM では開かれず、このデバイスのスキャンは一切行われません。VM で LVM を使用する場合で VM 内のデバイスのコンテンツを物理ホストでスキャンする必要がない場合などには、グローバルフィルターを使用する必要がある場合があります。