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28.4.4. ABRT 固有の設定

現在、標準 ABRT インストールは以下の ABRT 固有の設定ファイルを提供します。
  • /etc/abrt/abrt.conf: abrtd サービスの動作を変更できます。
  • /etc/abrt/abrt-action-save-package-data.conf: abrt-action-save-package-data プログラムの動作を変更できます。
  • /etc/abrt/plugins/CCpp.conf - ABRT の core catching フックの動作を変更できます。
以下の設定ディレクティブは、/etc/abrt/abrt.conf ファイルでサポートされています。
WatchCrashdumpArchiveDir = /var/spool/abrt-upload
このディレクティブは、デフォルトでコメントアウトされています。abrtd で、指定したディレクトリーにある tarball アーカイブ(.tar.gz)を自動アンパッククラッシュダンプする場合は、これを有効にします。上記の例では、これは /var/spool/abrt-upload/ ディレクトリーです。このディレクティブに指定するすべてのディレクトリーは、それが存在し、abrtd に対して書き込み可能であることを確認する必要があります。ABRT デーモンはこれを自動的に作成しません。このオプションのデフォルト値を変更する場合は、ABRT の適切な機能を確保するために、このディレクトリーを DumpLocation オプションに指定されたディレクトリーと同じにし ない でください。
このオプションは SELinux で変更しないでください。
クラッシュダンプアーカイブの場所を変更すると、SELinux ルールの変更を最初に反映しない限り、SELinux 拒否が生じます。SELinux で ABRT の実行に関する詳細は、abrt_selinux(8) man ページを参照してください。
SELinux を使用する際にこのオプションを有効にする場合は、ABRT が public_content_rw_t ドメインに書き込むように適切なブール値を設定するには、以下のコマンドを実行する必要があります。
 setsebool -P abrt_anon_write 1 
MaxCrashReportsSize = size_in_megabytes
このオプションは、ABRT が全ユーザーからの問題情報を保存するために使用するストレージ容量をメガバイトで設定します。デフォルト設定は 1000 MB です。ここで指定したクォータが一致したら、ABRT は継続して問題を取得し、新しいクラッシュダンプの容量を確保するために、一番古いものと最大のものを削除します。
DumpLocation = /var/spool/abrt
このディレクティブは、デフォルトでコメントアウトされています。問題データディレクトリーが作成される場所と、問題のコアダンプと、その他の問題データが格納される場所を指定します。デフォルトの場所は /var/spool/abrt ディレクトリーに設定されます。このディレクティブに指定するすべてのディレクトリーは、それが存在し、abrtd に対して書き込み可能であることを確認する必要があります。このオプションのデフォルト値を変更する場合は、ABRT の適切な機能を確保するために、このディレクトリーを WatchCrashdumpArchiveDir オプションに指定したディレクトリーと同じにし ない でください。
このオプションは SELinux で変更しないでください。
各 SELinux ルールに変更を反映しない限り、ダンプの場所を変更すると SELinux 拒否が生じます。SELinux で ABRT の実行に関する詳細は、abrt_selinux(8) man ページを参照してください。
SELinux を使用する際にこのオプションを有効にする場合は、ABRT が public_content_rw_t ドメインに書き込むように適切なブール値を設定するには、以下のコマンドを実行する必要があります。
 setsebool -P abrt_anon_write 1 
以下の設定ディレクティブは、/etc/abrt/abrt-action-save-package-data.conf ファイルでサポートされています。
OpenGPGCheck = yes/no
OpenGPGCheck ディレクティブを yes (デフォルト設定)に設定すると、ABRT に対して、場所が /etc/abrt/gpg_keys ファイルにリストされている GPG キーにより署名されたパッケージで提供されるアプリケーションで のみ クラッシュを分析および処理するように指示します。OpenGPGCheckno に設定すると、ABRT がすべてのプログラムでクラッシュを検出するように指示します。
blacklist = nspluginwrapper, valgrind, strace, [more_packages ]
BlackList ディレクティブの後に一覧表示されるパッケージおよびバイナリーのクラッシュは ABRT によって処理されません。ABRT が他のパッケージやバイナリーを無視する場合は、ここにコンマで区切られたリストを指定します。
ProcessUnpackaged = yes/no
このディレクティブは、ABRT が、パッケージに属していない実行可能ファイルでクラッシュを処理するかどうかを示します。デフォルト設定は no です。
BlackListedPaths = /usr/share/doc/*, */example*
ABRT では、これらのパスの実行可能ファイル内のクラッシュは無視されます。
以下の設定ディレクティブは、/etc/abrt/plugins/CCpp.conf ファイルでサポートされています。
MakeCompatCore = yes/no
このディレクティブは、ABRT のコアキャッチフックがインストールされていない場合に実行する可能性があるので、ABRT のコアキャッチフックがコアファイルを作成するかどうかを指定します。コアファイルは、通常、クラッシュしたプログラムの現行ディレクトリーに作成されますが、ulimit -c 設定がそれを許可する場合のみです。ディレクティブはデフォルトで yes に設定されます。
SaveBinaryImage = yes/no
このディレクティブは、ABRT のコアキャッチフックがバイナリーイメージをコアダンプに保存するかどうかを指定します。これは、削除されたバイナリーで発生したクラッシュのデバッグに役立ちます。デフォルト設定は no です。